第43話「VS虚ろなる宝玉の守護騎士 紫電視点」
最強主人公補正の人対虚ろなる宝玉の守護騎士のリーダーの人激突!!
紫電の圧勝で終わってしまうのか!!
どうなるこの勝負!!
剣戟の音が辺りに響き渡る、何度も何度も、近づけば相手諸共切り伏せられるだろうと思えるほどに。
その証拠に二人の周囲の地面、そこに攻撃が外れた斬撃の跡が残っている。
もはや小手先の技術なんて関係ないと言わんばかりの接近戦。
いつ致命的な一撃が入るかわからない距離、その中で紫電と相手の最後の一人、片手剣使いの女性の攻防はかなりの激しさとなっている。
片手剣使いの武器は騎士剣、本来なら盾とセットのはずだが、肝心の盾はもうすでに無く、勢いよく弾かれたのか盾の下半分が壁に刺さっていて、奇妙なオブジェと化している。
盾を使った技を封じられ騎士剣を両手持ちにして切り合いを続ける相手。
その守りの固さに肝心の紫電は内心焦り始めてきた。
(ん~?流石騎士の格好をしているだけはあって守りも攻めも堅実。こっちの攻撃を的確に防いでくるし、少しでも隙を晒せばそこに打ち込まれる…距離を開けようにも…どうしようか…)
「……!!」
「!! しまっーー!!」
焦りを感じて、どうするか、思考を巡らせていた紫電。
考え事をしていたせいで動きが少し鈍ってしまったために決定的な隙を晒してしまった。
その隙を見逃す相手ではない。
相手の一撃が見事に紫電に入り、紫電は吹っ飛ばされ、壁に激突する。
「紫電!!」
心配するネルの声が聞こえる。
「大丈夫…急所は外した…」
「でも…」
「それにどっちみち…皆は勝った…みたいなのに俺だけ…負けたら恥ずかしいだろ」
「……」
「心配すんなネル。俺は負けない」
「…信じるわ。その言葉」
「おう、信じろ。……さて待たせたみたいで悪かったな」
「…」(フルフル)
喋っている間、ずっとその場で動かず武器を構えていた片手剣使いに紫電は謝ったが相手は気にするなと言うかのように首を振った。
騎士の鏡かな?…と場違いに思った紫電は悪くないだろう。
気を取り直し、白雪を構えなおす紫電。
一撃の入ったお腹の辺りから血が流れ、片手で抑えていたが一つ深呼吸をして白雪を両手で構える。
(そんな悠長にしている場合じゃなくなった。いまだに腹から血が流れて痛いし、短時間で決めないと正直言ってかなりキツイ。けど今の自分で相手に決定的な隙を作れるか……試してみるしかないな)
「エンチャントッッ! ブーストフャイアッッ!!」
「……!」
紫電は白雪に炎を付与して燃える白雪を霞の構えで持ち、一点に集中する。
その構えを見て片手剣使いは剣なのに八相の構えで迎え撃つ。
どちらも現代まで伝わっている剣術の構えだ。
「セヤァァァ!!」
「……!!」
動いたのは紫電。素早く距離を詰め、一点に集中した突きを放つ。
対し相手はその場から動かず、上段から斜めに剣を振り下ろした。
弾かれたのは紫電の白雪、突きでは上段から放たれた剣の重さに耐えられず切り払われる。
…が、紫電はその勢いを利用した。
弾かれた白雪の勢いをそのままにその場で一回転。
完全に振り下ろした格好で隙ができた相手に攻撃を叩き込む。
「オメガッ! コンビネーション!!」
「……!?」
一撃…二撃…三撃…と切り続けること八回、最後の一回を叩き込み紫電はとどめの一撃を放つ。
「これが俺の勝利への一撃ッ!!Ⅴブレイブ!!」
Ⅴ字に刀で切り、最後に横一線を入れて逆Aの形になるように切る。
そして必殺の攻撃を受けた片手剣使いの女性は膝をつき、倒れ伏した後、粒子となって消えていった。
「何とか…勝てたみたいだ」
「無茶しすぎよ、紫電。待ってて、今自然回復力に加護の力を回すから」
「あっ、回復自体はできないんだ」
「今は無理よ。体を借りている状態なんだから…本当の体なら回復魔法をかけれてよかったんだけど」
「後で…回復魔法を教えてくれるか?」
「ええ、早く教えなかった私が悪いわね。しっかりと教えてあげるから、今はゆっくり休みなさい」
心配した皆が駆け寄ってくるのを見ながらそんな会話をする一人と一柱だった。
初、紫電が苦戦と言う苦戦をしました(ただ油断しただけとも言う)。
今回刀の構えとかいろいろ調べて書いたりしました。
分からなかったら調べてみてください、私に説明できる力はない!!
次回宝玉に異変が起こる。いったい何が起こるんだ(棒)




