第34話「VS 大きな古時計」
VS大きな古時計戦。
さくさくいきますよ~。
何倍にも大きくなった古時計を前に紫電達三人は武器を構え立つ。
「ここまで大きくなるなんて…」
「大きさは気にするところじゃない。……今思ったがここからどうやって襲い掛かってくるんだ?」
「確か…襲われた人が言うには最初は確か振り子の部分が……」
その続きを言おうとしたレイアだったがその言葉は続かなかった。
三人の真上にいきなり振り子だけが出現し落ちてきたからだ。
「「「!?」」」
即座にその場から離れる三人。
だがその後も振り子がたえず落ちてくる。
「さすがにこれは予想外すぎる! いつまで続くんだこれ!」
「今は避け続けるしかないですよこれ!」
「これを避け終わったら覚えてろよ、あんの古時計…」
「愚痴ってないで体を動かせ! まだ来るぞ!」
「流石にしつこすぎないか!」
そのまま避け続けること数分後。
ようやく振り子が落ちてこなくなる。
息を整えながら紫電は口を開く。
「やっと終わった…のか。よし、こっちの番だ。覚悟しろよ時計野郎!!」
「待ってください! まだ他の攻撃が残って…」
「くらえ! ――ッ!?」
攻撃を仕掛けるために飛び上がり時計の針、その中心に白雪を叩き込もうとした紫電だが、その前に古時計の方が先に動く。
時計の針が外れ、先端が紫電の方に向いたかと思った瞬間。
先端から何かが発射され紫電に襲い掛かる。
空中にいた紫電は避けきることが出来ず、撃ち落された。
落ちてきた紫電を心配してレイアが駆け寄る。
「紫電、大丈夫ですか!」
「な、何とか…」
「次はあれを避けろってことかよ」
続いて紫電の傍に来た秋乃が愚痴る。
それをレイアがなだめた。
「それを言ってもしょうがありませんよ。秋乃さん。紫電、立てますか?」
「問題ない。ありがとうレイア」
「ん? 案外、あれも律儀なもんだ。こっちが体勢を直すのを待っているぞ」
秋乃が古時計の方を見て言う。
紫電とレイアも見ると確かに待っていた。
時計の針が増えていて、その先端が全部こっちを向いているが打ってくる気配がない。
「確かに待ってるな…あれ」
「襲われた人たちは怪我をしただけで死者は出ていないということですから。本人? 本時計? からすれば遊んでいるような感じじゃないですか? 多分…」
「これくらい派手なのに怪我だけで済むのか…」
「多分満足すればこの空間から出してもらえるはずです」
「そうか、なら振り子とこの攻撃と他に何がある?」
「最後は、その…なんというか」
「「?」」
「古時計自体が襲い掛かってくるそうです」
「どうやってだ?」
「その、手足が生えて…」
「は?」
「手足が生えて襲い掛かってくるみたいです」
「なんじゃそりゃ! どういう事!!」
「私に聞かないで下さい!!」
「二人とも話はそこまでみたいだ。向こうはもう待ちきれないみたいだし、来るぞ!」
秋乃の言葉通りもう待ちきれないのか時計の針が動き出していた。
配置につくとお構いなしに球を発射してきた。
紫電達は即座に散開、回避に専念することにした。
そうして回避し続けて数分後。
時計の針から球が出なくなり、増えていた針は消えていく。
紫電達は息を整える。
「次で…最後…か」
「疲れたな…流石に」
「最後なんです…頑張りましょう」
息を整えながら古時計の方を見ていると古時計が震えだす。
そしてすぐに時計から手足が生えてくる。
「信じられなかったけどマジで生えてきたよ…手足」
「気持ち悪いですね。マネキンのような手足ですけど」
「でも直接殴ってくるんならこっちも戦える」
「よし、息を整えたら始めよう」
古時計が動き出すと紫電達も武器を構え、立ち向かっていく。
古時計は大きいからか攻撃は大振りだった。
今の今まで避け続けた紫電達にそんな攻撃は余裕すぎた。
そのまま攻撃を避け続けてカウンターを叩き込む。
そうしてカウンターを入れ続けた結果。
古時計は倒れ、動かなくなった。
すると周りの霧が晴れ元の広場に戻ってきた。
古時計は元の場所に元の状態で戻っていたのを三人は見届けるとその場を離れた。
そして紫電はレイアに言った。
「レイア」
「なんですか?」
「ここ…封鎖するぞ」
「……はい」
珍しく主人公たちが反撃できない状態になっていた。
だが、後半はボコられた哀れな時計でした。
次回は祭達の次の都市伝説の様子を…。




