第32話「VS 吸血鬼達の姫君」
血姫城最終戦開始!
吸血鬼の姫の実力はいかに!!
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吸血鬼の姫が紅い槍を取り出し、祭に攻撃を仕掛けてくる。
祭はその攻撃を受け止め、つばぜり合いの体勢になって祭は吸血鬼の姫に問う。
「そういえば、吸血鬼の姫」
「何かな?」
「貴方の名前を聞いていなかったと思ってな。私は祭と言う」
「む?――ああすまぬ。名をいっておらんかったか」
祭とつばぜり合いの状態で吸血鬼の姫は名をあげる。
「我が名はルナ…ルナマリア・S・ユーテシアである!」
「ルナマリア…いい名前だな。さてと、互いに名乗った。互いの全力をもって戦おう!」
「うむ! 此度は良い戦いになりそうだ」
互いにつばぜり合いを止めて、距離をとる。
祭は叢雲と雪菜に横から攻めてもらうように指示を出す。
「分かっ…た」
「気を付けてくださいね。祭さん」
二人は左右に展開し、祭はルナマリアの正面に立つと同時に攻撃を開始する。
「ふむ、いい連携だ。だが、甘い!」
祭の槍を正面から受け止め、続く叢雲と雪菜の攻撃を地面から急に生えてきた茨がガードする。
「「「!?」」」
「驚いたか。これが私の能力の一つ「茨操作」だ。私の支配下にある茨をいつでもどこでも生やして攻撃や防御もできる便利な力だ」
「それは厄介すぎないか! 人数有利かなと思ってたけど一気に勝率が下がった気がする」
「人数有利などと甘い考えを持っていたのか。やはり甘いな。本気で来なければ私は倒せぬぞ?」
「そのようだな。もともと加減して倒せる相手とも思ってはいなかったがこれはかなり警戒していかないとマズイ」
「何処でも…生やせる…つまり…安全地帯…ない」
「その通りだ。叢雲という少女よ。この茨はどこでも地面さえあれば生やせる。安全な場所などこの城にはないぞ」
「これは…本当に…厄介。距離を…とっても…やられる」
「逆に近づいてもやられる。しかも近づく方がやられる可能性が高い…ですか」
「どうする? 私は近接・遠距離どちらで来ても構わぬぞ?」
そして祭が急に動きルナマリアに蹴りを入れた後、焔華扇をバスターモードに切り替えると魔力弾を連射する。
それをルナマリアは茨をまとめ上げ、壁にして防ぐ。
祭は目線で二人にこっちに来るように指示を出す。
そして、二人が来た後、作戦を口にする。
「二人に頼みたいことがある」
「なんですか? 祭さん」
「二人にルナマリアを引き付けてほしいんだ」
「引き付ける?」
「ああ、あの茨の強度を確かめるために魔力弾を連射してたんだが。あの茨の強度をある程度理解した」
「もう…分かったん…だ」
「そ。それで焔華扇のチャージショットを全力で打てばあの茨を突破してルナマリアを倒せるかもしれない。倒せなくても大ダメージは与えられるはずだ」
「なるほど。すなわち、私達は祭さんのチャージが済むまで引き付けておけばいいのですね」
「ああ、ある程度の攻撃が来ても防ぐからチャージを切らされるような攻撃だけ防いでほしい」
「分かった…頑張る」
「頼むぞ」
「作戦会議は終わったみたいだな」
目の前の壁になっていた茨を解除しながらルナマリアは問いかける。
それを祭は笑みをもって返す。
「ああ、これが決まればルナマリア、貴方を倒せるかもな?」
「ほう? 面白いではないか。試してみよ!」
そう言って茨を操作し、自身も一緒に突撃してくる。
それを叢雲と雪菜が受け止め祭は一層距離をとって大広間の吹き抜けから二階に上がると焔華扇のチャージを開始する。
その様子を見てルナマリアは考える。
(しまった。二階には植木鉢を置いてはない。茨で止めることができぬ。直接止めるしか。しかし、隙を見せたらこの二人にやられてしまう。どうすれば…)
そう、先程どこでも生やせるといったのはルナマリアのはったりで、実は土が無ければ茨をはやすことが出来ない。
「戦闘中に…他の事…考えている…暇…あるの?」
「その余裕。すぐになくしてあげます!」
「くッ!」
(考えている時間はない! すぐにこの二人を倒して祭の奴を止めなければ…この勝負――負ける!!)
「舐めるな!私は吸血鬼の姫!この程度の困難どうってことは無い!!」
それからルナマリアは茨を駆使し、そして自分も叢雲と雪菜を攻撃するがことごとく躱され時間を稼がれてしまう。
距離を開くため翼を広げて空中に飛んだルナマリア。
ルナマリアが焦りを感じて一回ちらっとだけ祭がいる方に視線を向ける。
が、すでにそこに祭の姿はなかった
(!? 祭はいったいどこに!)
祭がいないことに気づいたルナマリアは顔をそちらに向けてしまう。
するとすぐに今まで黙って行く末を見ていたコルツがルナマリアに向かって警告を発する。
「姫様! 後ろ!!」
その声にルナマリアは後ろを向く。
振り向いた先、目線の目の前で焔華扇のチャージが終わってルナマリアに向けて構えている祭の姿があった。
祭はルナマリアが飛んだタイミングに合わせ空中に向かってジャンプしていたのだ。
(しまった!!)
「くらえ!!ゼロ距離砲撃!」
「星明りの退治者!!」
「ぐっっ!? ぬあぁぁぁぁッッ!!」
祭の最大砲撃がゼロ距離でルナマリアにヒットする。
そのまま地面にたたきつけられ爆発する。
「姫様!!」
心配した声を出しながらこちらに駆け寄ってくるコルツの姿を見ながらルナマリアの意識は暗転した。
祭は綺麗に一階に着地する。
そこに叢雲と雪菜が駆け寄ってくる。
「やりましたね!私たちの勝ちです!」
「チームワークの…勝利」
「ああ、勝ったな。ふう、疲れた~」
そう言いながら祭達はルナマリアが倒れている方に向かう。
「姫様…」
「ルナマリアは大丈夫か? 確か…コルツとか言ったな」
「ああ。あと姫様は問題ない」
「ほんとに問題ないんですか?ルナマリアさん…」
「……ルナでよい」
「! 姫様」
「久しく戦闘後に気絶などしたわ。祭と叢雲、雪菜よ」
「なんだ? ルナマリア」
「ルナでよいと言っている。まぁ、久しぶりにこんなにも楽しめた。感謝するぞ」
「分かったよ、ルナ。あと、気にするな。私達も楽しかったぞ」
「もし何かあったときは私らに頼るがよい。力になろう
「!! 姫様、それはつまり…」
「うむ、このままもう一度寝るのはつまらぬこのまま祭達の力になろう」
「それは…いいのか? ルナ」
「うむうむ、困ったときは存分に頼るとよい」
「ありがとう」
「ほれ、コルツ。ほかの者も起こしてこい。久方ぶりに街に繰り出すとしよう」
「ハッ! 姫様!」
「それではな、祭。久方ぶりの戦いは楽しめた。また戦ってくれい」
「ああ、今度はルナの部下と紫電とレイアを含めて本格的なチーム戦をしよう」
「ふふ、それは楽しみであるな」
その後、ルナたちと別れを告げ次の場所に向かう祭達だった。
相変わらずの語彙力と表現力のなさに泣けてくるよ……。
前回の紫電達の方で出てきた少女、香苗と今回出てきたルナ達は今後出番がありますので、どこで出てくるのか楽しみにしていてください。
次回は紫電達の視点に戻って新たな都市伝説に挑みます。




