第2話「初めてのモンスター討伐、そして一人目の仲間」
安定と信頼の読みにくさをご提供していく、バカみたいなこの小説だけどまだまだこれから頑張るぞい。
そして自分に戦闘場面を書く力はなかった(泣)
つっ次こそは、次こそは~!
「ソラァー!」と言って紫電は手に持った自身の武器の刀を向かってくるスライムウルフに打ち込む。
スライムウルフはまさか反撃とは思っていなかったのか。
紫電からの攻撃を真正面から受けてしまう。
剣道経験者で現二段を持っている紫電の一撃はもともとスライムで柔らかいのもあるせいか、いともたやすくスライムウルフを真っ二つにする。
その時に紫電は何か固いものを切った感触を感じた。
スライムだから再生するよな。とゲーム勢のならではの考え方をし、すぐに振り向き刀を構える。
その心配とは裏腹にスライムウルフは再生することなくガラスが割れるような音を響かせ、某デスゲームのようにポリゴンのような粒子が散って消滅していった。
後に残ったのは素材と思われる爪の形をしたプルプルする物体のみ。
紫電は疑問に思ったことをネルに質問する。
「スライムって再生するんじゃないの?こんなに簡単に倒せたっけ?」
「スライムは核さえ破壊すれば簡単に倒せるわ。今回は偶然真っ二つにしたところに核があったみたいね。それにしてもずいぶんと動きが良かったけど何かやってるの?」
「家が家で、剣道をちょっとね。それで?これからどうすりゃいいの?」
「モンスターがこっちにいるってことはモンスターを送ってきているゲートが近くにあるはずよ。そこに向かってゲートを閉じましょう」
「あれか、逃げてたせいで離れちまったな。取り敢えずモンスターを倒しながらそのゲートのある場所まで戻らないと。逃げ遅れてる人もいるみたいだし。早くしないとね」
そして紫電は現在地を確認するため近くにあったマップ盤を確認する。
「今いるのがここでゲートがあったのがここら辺、真逆の方向に逃げてたのか緒と遠いな。でも早くいかないとどんどんモンスターが出てくるだろうし急がないと」
「急ぎましょう、えっと」
「そういえば名前言ってなかったな俺は紫電。白石紫電。よろしくなネル」
「よろしくね、紫電。さっきも名乗ったけど私はネル。アースリーグという世界で紫の大地を守護していた女神よ」
「自己紹介が済んだ所で。急ぎましょう。紫電。こうしてる間にもどんどん沸いているわ」
「わかった。急ごう、ネル」
紫電はゲートが開いた場所に向かって走りはじめる。
途中にいるモンスターを倒し、逃げ遅れた人たちを助けながら進んでいると、今も悲鳴が聞こえる中に銃声が混じって響いていることに気づいた。
何か気になってそっちの方向へ向かっていくと。逃げ遅れた人たちとそれを守るように立っている黒髪の少女。
そして更にその少女を守るようにして周囲に展開しながら銃を撃つ黒服の人と警棒と思わしき物を振るっている黒服たちがいた。
黒髪の少女はその手に不釣り合いの大きなクレイモアらしき物が握られているのが遠めからでも分かった。
囲まれて戦っているせいか未だに突破口が開けず避難ができていないようだ。
紫電はその少女たちを援護しようと思い、少女達の方向に進む。
距離が近づいたため黒服の一人がこちらに気づくと焦ったように声をかけてくる。
「そこの君!逃げ遅れたのか!早くこっちに!」
紫電は近くにいたモンスターを倒しながら答える。
「大丈夫です!援護に来ました。この包囲網を突破しますよ!」
聞いていた黒服のリーダーらしきハードボイルドな男性が少し考えた後こう答えた。
「そうか、本来なら守らなければいけないところだがこの包囲を突破するためにも少しでも戦える者が必要なのも事実。…済まない頼めるか」
「お嬢! 援軍です! 今こそ、この包囲網を突破するときですぜ!」
黒服リーダーにお嬢と呼ばれた少女はその言葉にうなずき。近くにいたモンスターを倒し、
「ええ、河野。分かっているわ。うん、皆! 援護は来ました。、今こそ包囲網を突破するときです!」
と手にもった武器を掲げ味方を鼓舞するように声を張り上げる。
その言葉に黒服たちと逃げ遅れて怯えていた人たちはうなずくと鬨の声を上げ、勇敢に包囲しているモンスターの群れに向かっていく。
その様子を見て紫電は思う。
(あの子、見た目のわりに思ったよりも強いね。呼び方といい黒服たちといいお金持ちってのはわかるけど。金持ちにしてはどうも場なれしているような。誰かの指示を受けて行動しているような不思議な感覚がする)
その思念にネルが乱入してくる。
(その考えは間違ってないわ紫電。あの子から私と同じ女神の気配を感じる。この感覚は黒の大地の守護女神ミニアね。ミニアならあの子の動きも納得できるわ。向こうも気づいているはずだからこの包囲を突破した後に話しかけてくると思うわ)
(分かった。取り合えずこの場は協力して切り抜けその後、話し合いといこう)
少しして無事にモンスターの包囲網を切り抜けた紫電達。
そして、ネルの予想通り先ほどの少女が話しかけてきた。
「すいません、援護して頂いて、助かりました。私はレイア・ブラックバードと申します。えっと、それで、私の予想が外れてなければその、、」と言いにくそうにしていたので、
紫電は自分の方から切り出すことにした。
「その予想は外れてないですよ。そしてその予想と先ほどの指揮はレイアさん、貴女の考えではありませんよね?」
「さん付けは必要ありません。…ですがやはりそうでしたか。はい、この考えは私の中にいる。ミニアさんが考え私が実行したのです」
(やっぱりミニアだったのね。さすが私たち女神の中で一番指揮がうまいと称されているだけのことはあるわ)とネルが感心するような声を上げる。
(言っている場合か?取り合えずこれで大丈夫のはずだから、ゲートの方に向かおう)と二人で話あっていると「あの、これからゲートを閉じに行くんですよね?よろしければ私もついて行ってもいいですか?」とレイアがそう聞いてきた。
それに紫電が反応するより早く黒服の一人が「危ないですぜ、お嬢、あとは警察の連中に任せればいいんですよ」といいレイアを呼び止める。
だがその黒服の言葉をレイアは少し考えた後「貴方たちは逃げ遅れた人の護衛をお願いします。河野、頼んでもいいですか」と黒服のリーダーに頼むことで返した。
河野と呼ばれた黒服リーダーは「へい、わかりましたお嬢、お気をつけて」と返し命令に従った。
その言葉に先ほどの黒服が「河野さん、いいんですか! お嬢をこの人と二人にして!」と警戒心満載で騒いでいる。
(まぁ、いきなり現れた初対面の人にいきなり守らなければいけない人が付いていくって言ったんだから心配になるわな)と紫電は騒いでいる黒服を見ながら思った。
「お嬢はこうなったら止められんからな。お嬢の命令だ。逃げ遅れた人たちを護衛しながら速やかに離脱。お嬢!余裕ができたら援護に参りますので!」と言い、騒いでる黒服の首根っこをつかみながら黒服達は撤退していく。
「ええ、河野。そっちも気を付けて」とレイアも黒服たちを送る。
(俺は何も言ってないんだけどな~)と紫電は思いながらレイアと同じように見送っている。
「それでは、ゲートに向けて出発しましょう!紫電さん」と元気にゲートの方角を指さす。
「俺の方もさん付けは無しでいいよ…でも、そうだな。向かうとしようか」
二人はモンスターを倒しながら、ゲートの方角に進んでいく。まだまだ、道のりは長そうだなと紫電は思うのだった。
まだまだ序章は続くんじゃ。
そして次回は二人目と三人目に仲間が登場。
紫電はゲートを閉じ無事に家に帰ることができるのか。