第21話「鳴神神社ゲート攻略戦後編 そして、響かせる思い」
前回で終わらせれなかった鳴神神社攻略戦、今度こそ終わりです。
覚悟を決めて立ち上がった秋乃と雪菜。
ゲートキーパー祐也との戦いになります。
祐也と対峙している秋乃と雪菜。
緊迫する状況の中、先に動いたのは秋乃だった。
秋乃は踏み込み一気に祐也に接近しようとする。
だが、祐也は焦らずモンスターを使い、自分の間に入って守るように命令する。
秋乃は間に入ってきたモンスターをそのままの勢いで殴り、祐也に向けて吹っ飛ばす。
さすがに祐也はその場から飛びのき、回避する。
その回避を読み、着地した時の隙を雪菜が追撃する。
祐也は迫ってくる薙刀を少し体をずらして避け、雪菜に向けてお祓い棒を振るう。
お祓い棒を雪菜はぎりぎり反応して薙刀で受け止める。
つばぜり合いをしている鳴神親子。
突然、雪菜の後ろにモンスターが襲い掛かる。
しかし、そのモンスターは雪菜に攻撃することなく横から飛んできた魔法弾に吹っ飛ばされる。
雪菜は横目で魔力弾が飛んできたの方を向く。
祭が焔華扇をバスターモードにして構えていたのが見えた。
祭が大きな声で雪菜に言う。
「雪菜!! モンスターどもは私たちが引き受ける!! だから、お前の覚悟を父親に見せてやれ!!」
「祭さん...ありがとうございます」
「余裕そうだね。よそ見している場合かい? 雪菜」
「お父さんを相手に本気で戦わないといけない。でも一人じゃ...」
「そっちこそ、怒っていた割にこっちの方を無視しているなんてな」
といきなり横から拳が飛んできて祐也の頬に突き刺ささった。
秋乃が横から殴りかかってきたのだ。
「うぐぅ...き、貴様ー!!」
「卑怯とは言わないよな? そっちはモンスターを使って戦っていたのだから」
「秋乃さん...」
「戦いたくないなら下がっててくれ、ここから先は...俺の喧嘩なんだからなー!!」
「いいえ、秋乃さん。これは私たちの喧嘩です。さぁ、お父さん。久しぶりに本気の親子喧嘩といきましょう」
「雪菜...本気なんだね。ならもう...手加減は無しだ」
周りのモンスターたちは紫電と祭が対峙している。
祐也も紫電と祭をモンスター達に任せ、自分は雪菜と秋乃を見据えて改めて対峙する。
紫電達も戦いを邪魔しないように立ち位置を考えて戦い始めた。
「向こうも戦い始めた、ならこちらも始めようか? 祐也さん」
「お前に言われなくても始めてやる。覚悟しろ!!」
今度は祐也の方が先に仕掛ける。
距離を保ちながらお札を投げつける。
二人はそのお札に嫌な予感を感じてその場から飛びのく。
そして、お札が地面に刺さった瞬間、爆発した。
「なにあれ、爆発すんのか! 使われると厄介だしかもこっちはどちらも近接戦闘型。まずいな」
「接近するしかないですよ。私が先行します。秋乃さんは後に続いてください」
「分かった。行くぞ!!」
雪菜は祐也に接近するために走り出す。
飛んでくるお札を避け、近接範囲に入った瞬間、薙刀の突きを繰り出した。
祐也は薙刀を弾き、そのままの勢いで首を狙ってお祓い棒を振るう。
それを秋乃が雪菜の襟を引き、下がらせる。
お祓い棒は空を切り、できた隙に秋乃は殴りかかる。
祐也は拳を顔をずらして避けたあと、膝蹴りを秋乃の腹に叩き込む。
秋乃は吹っ飛び、雪菜が代わりに薙刀を振るう。
祐也と雪菜は互いに何回か打ち合う。
互いの武器がぶつかり合いながら、鈍い音を鳴らす。
雪菜が祐也のお祓い棒を弾くと薙刀を峰打ちで叩き込み吹っ飛ばす。
祐也が吹っ飛んだ先には秋乃がおり、回し蹴りを祐也に叩き込んだ。
更に吹っ飛び、祐也はふらふらしながら立ち上がる。
「く、...やるじゃないか二人とも」
「二人だからね。連携がしっかりしないと戦えないからな」
「お父さん、もうやめて...もうフラフラじゃない。もうこれ以上は...」
雪菜がこれ以上戦う必要性がないことを伝えていると
「二人とも!! 気絶させないとこの戦いは終わらないよ!!」
という紫電の声が聞こえた。
「そうか、雪菜。気絶させて、もう、無駄な戦いを終わらせよう」
「はい、ごめんね、お父さん。少しの間、眠ってて」
と、雪菜はふらふらしている祐也に近づくと薙刀で腹を打ち、気絶させた。
そして祭の方を向いて気絶させたことを伝えた。
「分かった! 紫電。ゲートを閉じて残ったモンスターを倒して終わりにしようか!!」
「そうだな、祭」
二人がゲートに向かってに走っていき、ゲートを閉じる。
その様子を雪菜と秋乃は眺めているのだった。
なんか、主人公たちが脇役になった。
仕方がないんだ、秋乃と雪菜を目立たせたかったから。
次回はゲート攻略後の様子を書いていきます。




