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女神様と現代モンスター討伐戦線  作者: 式・シロノス
第2章「二つの神社とゲート攻略戦編」
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第17話「鳴神神社に隠されていたゲート 祭側視点」

祭視点の鳴神神社の様子です。

 時間を少し遡り、祭は雪菜に基礎を教えた後、模擬戦を行う事にした。

 互いに向き合い、手には木でできた薙刀を持ち、構える。


「もうすぐお昼だからこの模擬戦が終わった後、一旦休憩しようか」

「はい、教わった基礎を今、実戦でやってみろ。と言うわけですか。この後のお昼ご飯は美味しく食べられそうです」

「結構頑張ってたからな。美味しくご飯を食べるためにも最後まで全力で来い」

「分かりました。最初から最後まで全力で行きます!」

「いいぞ、さぁ、こい!」


 そして始まった模擬戦。

 先制は雪菜に譲って祭は守りの態勢に入った。

 雪菜は薙刀を真っ直ぐ正面に構え、走り始め、突きを繰り出す。

 その突きを逸らし、そのまま何もしない祭。

 雪菜はそのまま近接戦で連続突きを繰り出す。

 祭はひらりひらりと連続で繰り出される突きを躱し続け、反撃を開始し始めた祭。

 祭は雪菜の隙をつき、柄の部分で腹を突く。

 雪菜は腹を押さえ膝をついてしまう。


「攻めの姿勢は大事だけど、隙が大きいよ。今みたいに簡単に懐に潜り込まれて一撃貰うから」

「う、ぐぅぅ。い、痛い。気を、つけます」

「大丈夫? まだやる?」

「こ、このままじゃ、教えてもらっている意味がない。まだ…やります」

「うん、いい覚悟だ。続けようか…と言いたいけど」


 祭は視線を別の方に向ける。

 雪菜もその視線を追って顔を向ける。

 そこにはこちらに気付いた事がわかったのか、手を振りこちらに向かってくる祐也。


「お昼の時間みたいだから、休憩にしようか」

「わ、分かりました。うぅ、お腹が痛い」

「お腹は避けたほうが良かったか。お昼ご飯食べられそうか?」

「た、食べれます。大丈夫です。」


 お腹を押さえながら歩いて行く雪菜を見て強くやり過ぎたかと祭が思っているとクレアが祭に対してこう言ってくる。


「普通にお腹に一発入りましたから、かなり痛いはずですわ。容赦無いですわね」

「うぐ、そ、そこまで強くしたつまりは無いんだけどな」

「私たち、女神の加護を受けているんですから、強くしたつまりはなくとも強くなってしまいますわ」

「加護って便利だけど細かい所では不便だな…」

「お〜い、何してるんだい、祭君。早くこっちに来なよ〜」

「は〜い、只今。加護について考えるのは後にしよう。今はお昼ご飯だ」

「また他の女神達と念話でお話ししていましょう」

「普段喋ってこない時はそんな事してるのか。納得」


 少し意外な事実を知った祭。

 だが、あまり気にせずお昼ご飯を頂くため祐也の方へ歩き出す。

 雪菜と共に祐也に案内され、神社内にある居住スペースにたどり着いた祭。

 そして用意されている椅子に座るといただきますと言い、食べ始める。

 祐也と雪菜も座り、いただきますと言って食べ始めた。


 そうして世間話をしながらお昼は過ぎて行く。

 食べ終わった後は薙刀の特訓に戻り、時間が過ぎて行く。

 そしてお昼の三時ごろ、息抜きに雪菜に神社を案内して欲しいと頼む。

 雪菜は快く承諾し、境内を案内し始める。


「割と広いなここ」

「そうですね。広くして、年末に多くの参拝客が来ても問題ないようにしています」

「ふーん、一応考えてはいるのか」


 と考えながら歩いていると不意に覚えのある気配が一瞬だが感じた。


「これって…もしかして」

(感じましたか、祭さん)

(ああ、感じた。クレア、これってゲートの…)

(間違いありませんわ。これはゲートの気配。なぜか少し、弱いように感じますが、近いですわね)


 急に黙り、別の方向に向いた祭に雪菜は疑問を感じ、声をかけてくる。


「急にどうしたんですか。祭さん」

「あそこって関係者以外立ち入り禁止だけど何があるんだ?」

「あそこですか? あの向こうには確か…今は使われていない倉庫があるはずですけど」

「広さは?」

「たしか…広かったはずです。けど、どうして急に?」

「いや、なんか人の気配を感じて…」

「あそこはもう誰も入っていかないはずなんですけど。確認しに行きますね」

「待って、俺も行くよ。もし不審者だったら大変だしね」

「ありがとうございます。祭さん。お願いしますね」


 そうして祭と雪菜は関係者以外立ち入り禁止のテープをくぐり、今は使われていない倉庫に向かう。

 道中の使われていない為か、ボロボロの道を進んでいくと少し前の草むらが揺れた。

 警戒をする祭と雪菜。

 そして草むらから現れたのは、ゆっくりとした歩幅で歩いている水色でそれでいて透けて反対側が見えている狼の姿。

 祭は凄く見覚えがあった、あれはスライムウルフだ。

 祭は見慣れているが、雪菜はその姿に少し怯えているようだ。


「な、何ですか。あの生き物…犬? けど、透けてるし」

「とりあえず下がって、くるよ!」


 こちらに気付いたスライムウルフはこちらに向かって走ってきていた。

 祭は雪菜を下がらせると自身の手に焔火扇を出現させ迎撃する。

 スライムウルフの爪を受け止め、上の方に弾くと透けて見えているコアを狙い、弾いた反動を使って、回転して斜めに槍を振るう。

 弾かれて宙に浮いているスライムウルフは避けられず、コアを砕かれ、倒れた。

 その様子を見ていた雪菜は驚いていて声が出ていないようだった。

 その様子の雪菜に祭は声をかける。


「ここはもう危ないから、避難して」

「え、い、いえ、私も行きます。神社の境内にこんなのがいるなんて我慢できません。参拝客が怪我でもしてしまったら大変ですから」

「そうか…なら気をつけてながらついて来て」

「わ、分かりました」


 祭は焔火扇を構え、周囲を警戒し進んでいく。

 その後ろの雪菜も警戒しながらついて行く。


「もうすぐ倉庫につきます」

「みたいだな。もうゲートが見えている」


 祭の視界の向こう。

 そこには、ゲートとモンスター達が何か結界のようなものに阻まれ、モンスター達が外に出れていない様子が見える。


「結界のようなものが見える。あそこに閉じ込めて何をするつもりだったんだ?」

(まず、あそこに結界を張った人物が何者なのか…ですわね。一般人ではあり得ませんわ)

(そうだな、だが、考えるのは後だ。ゲートを閉じるぞ)

(ええ、分かりましたわ)

「一体、なにがどうなっているの? あ、祭さん!?」


 一人何が起きているのかわからない雪菜は祭が走っていくのに驚いて見ていることしかできなかった。

次回、紫電の方に視点を戻してゲート攻略戦です。

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