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女神様と現代モンスター討伐戦線  作者: 式・シロノス
第2章「二つの神社とゲート攻略戦編」
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第16話「博雷神社に現れしゲート」

紫電の視点に戻すと言ったな、アレは嘘だ。

と言うわけではなく、紫電と秋乃の視点が混ざって分かれています。

そして今回のゲート攻略戦はレイアと叢雲にはお休みいただきます。

 神社の境内掃除を秋乃と共にしている紫電。

 ある程度の掃除を済ませ少し休憩していると神社の中から春香がやってくる。


「秋兄、紫電、お昼ご飯の準備ができたよ。早く食べよう?」

「もうそんな時間か、わかった春香。すぐに向かう」

「春香、久しぶり。今回は俺も一緒に作ったんだからな」

「志奈さんに聞いたよ〜。久しぶりに会った紫電の手料理。楽しみにしてるね」

「久しぶりに料理なんてしたから不安だけど、楽しみにしているといい」

「そんなこと言ってないで行くぞ。志奈さんを待たせるわけにはいかないからな」


 は〜いと返事をする二人と共に神社の居住スペースに向かう秋乃。

 不意になにかを感じ、何かを感じた方角を向く。

 だがそこには何の変化もない鳥居がある以外、変わったところはなかった。

 春香はそんな兄の様子を見て声をかける。


「秋兄? どうしたの?」

「いや、なんでもない。気のせいだったみたいだ」


 春香になんでもないことを告げた秋乃。

 その後、黙っている紫電の方を見ると、同じ様に鳥居の方を見て警戒している紫電の姿をある。

 しかし、すぐになんでもない様に元に戻った紫電を見て、秋乃も気にしない事にした。

 そんなことを考えていた秋乃、そして紫電は自分の中にいるネルと会話していた。


(ネル、今の気配はもしかして)

(間違いないわ。十中八九、魔神の気配ね。ゲートを開こうとしてやめたみたい)

(俺がいたからか?)

(いいえ、もう少し人のいなさそうな場所に出そうとするはずだから、近くにゲートが出るかも、警戒を怠らない様に)

(わかった。一応、すぐに動ける様にするよ)


 そんなことを知りもしない秋乃と春香について行き、母、志奈が待っている場所についた紫電達。

 その後食卓を囲み、四人でお昼ご飯を食べながら色んな事の話をしていた。

 その中でもう一つの神社、鳴神神社の話題が出てくる。


「鳴神神社って向かいの方に見える。あの神社?」

「ああ、なんかライバル視されている気がするんだ」

「神社の位置が近いからしょうがないと思ってて気にしてなかったけど、なんか違う気がしてならなくて」

「俺たちの親と何かあったのかなんなのか、今はもう確認することはできないし」

「それは大変ですね。私が向こうの方に行って確認してみましょうか?」

「いえいえ、志奈さんに行ってもらわなくても大丈夫です」

「私達にはなにもしてきませんしね。少ない参拝者が向こうに流れただけですし」

「でも、気をつけろよ。道は真っ直ぐにつながっていて、来ようと思えばすぐにこれるんだから」

「ああ、ありがとうな、紫電」

「ふふ、気をつけるね。紫電」


 そんなこんなで時間が過ぎていき、三時ごろ。

 誰も来ない神社の賽銭箱の前に座り境内を見ている紫電。

 そこに秋乃が缶コーヒーを持ってやってくる。


「ほら、コーヒーだ、というか賽銭箱の前に座ってんじゃない。失礼だろ」

「ありがと、誰も来ないからいいだろ別に」

「本当に失礼な、まあいい、鳥居が気になるのか」

「なんの話?」

「お昼前に感じたあの変な感覚。紫電も感じたんだろ?同じ方を見て警戒していたしな」

「見られてたんだ。すぐに表情を戻したのに」

「あの感覚は何なんだ?紫電」

「多分、もうすぐわかるよ。母さんと春香は?」

「えっ? ああ、今は二人で近くの服屋に行ったぞ」

「そっか、ならよかった。行ってくる」

「…? どこに行くんだ」

「ちょっと散歩」

「そうか、なら俺も行こう」

「どうして?」

「昔からの付き合いだ。何となくだがわかる。今のお前はなんか……いや、とにかく付いて行くからな」

「……そっか」


 紫電はそれ以上何も言わなかった。

 そうして紫電と秋乃は二人で付近に散歩に向かう。

 残っている缶コーヒーを飲みながら真っ直ぐに歩いて行く紫電。

 そしてすぐに缶コーヒーを近くに置くと秋乃に気をつける様に警告する。

 秋乃は何でと思ったがすぐに気をつけるように言った理由がわかった。

 紫電の視点の先には最近何かと話題になっているモンスターの姿があったからだ。

 どうしてここに、と秋乃が思っていると紫電から声がかかる。


「秋乃、ここから先の見た事は俺の家族に話さないでくれるか」

「何を言ってる? 警察に通報しないと」

「大丈夫、やっぱりゲートも出たばっかりみたいだしそこまでモンスターはいないみたいだ」

「紫電…?」


 何を…と秋乃の言葉が続く前に紫電の手のひらに白くとても美しいと感じる刀がいつのまにか握られていた。


「危ないから、秋乃は下がってて。すぐに終わらせるから」


 そう、紫電が言うと紫電は白い刀を持ちモンスター達に突っ込んでいく。

 秋乃はその姿を黙って見送る事しか出来なかった。

次回は祭と鳴神神社での出来事とゲート出現までを書いていきます。

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