第118話「紫電&紫杏VS眷属化水蓮」
謎の黒いオーラを纏い、トンファーを構える水蓮。
それに対峙している紫電と紫杏。
「皆は手を出さないでくれるか? 見ていた感じみんなで戦わなければいけないほどの強さじゃないからな」
「ええ、皆は周囲の警戒をお願いします。何があるかは分かりませんから」
「紫杏お姉さん…」
「蓮君はゆっくり休んでて…。後は私達が何とかするから」
「はい…お願いします」
「………」
「覚悟しな魔神、未来の人間までも弄び、私達の時代を混沌に陥れるお前の非道! 今ここで断ち切る!」
「奴は本体じゃないから断ち切れはしないよ紫電?」
「分かってるから言わないで! カッコ良く決めたかったのさ、空気読んでくれるかなネル!」
「そんなこと言ってないでくるわ!」
「………!」
トンファーを構え、尋常じゃない速度で突っ込んできた水蓮が紫電に連続で攻撃してくる。
「せりゃー!」
水蓮の連続攻撃を白雪で完璧に防いでいる紫電、甲高い金属同士がぶつかり合う音が響き続ける。
途切れることの無い水蓮の攻撃に対して紫電は笑いかける。
「俺に集中してくれてるのはいいけれど、お前何か忘れてないか? 俺は一人じゃないんだぞ?」
「その通り!」
「………!?」
紫電にばかり攻撃していたので背後がガラ空きであり、そこに紫杏が刀を納刀した状態で水蓮の背後に立っており、即座に抜刀する。
水蓮の背中に綺麗に抜刀斬りが入る。
しかしその直後、傷口から濃い濃度の魔素があふれ出し、形をもって紫杏に襲い掛かってきた。
「何それ!」
「気持ちわる!」
紫電にも襲い掛かってきた為、二人は攻撃を受け流して後ろに下がる。
水蓮は背中に大きなダメージを受けたにもかかわらず、気にしている様子はなく、虚ろな目をしながら立っている。
「これはどうするべきか? このままだと…」
「魔神の干渉から解放しないと水蓮さんが死んでしまう。紫電さん時間稼げますか?」
「多分、あれをどうにかできるすべがあるのか?」
「ええ、祓う方法を教わっているの。だから時間を稼いで下さい」
「了解した」
紫杏は目を閉じ、刀の刃を下に向け切っ先を地面に軽く当てる。
すると紫杏の周囲に魔法陣が出現して輝き始める。
「わぉ、神秘的だねぇ…」
「言ってる場合じゃないでしょ紫電。相手は紫杏を狙い始めたわよ」
ネルの言う通り、水蓮の虚ろな目は紫杏を写しており、トンファーを構えて、走り始める。
紫電は白雪を構え、突撃してくる水蓮の前に立ち、妨害する。
「そんなに慌てないで、大人しくしてもらおうか!」
攻撃を仕掛けてくる水蓮を隙を縫って蹴り飛ばし、追撃でもう一発飛び蹴りをかます…武器使えよ。
「これ以上傷つけるわけにはいかないだろ」
なら二発目は顔面にかます必要ないだろ、と言うか作者の声に反応するなめんどくさくなるから。
「準備完了です。退いてください!」
紫杏の声に即座に反応して紫電はその場を離れる。
「祓いたまゑ、清めたまゑ! 全てを祓うこの一投! 乾坤一擲、吹っ飛べ――!!」
紫杏の全てを祓う紫杏特有の魔力が刀に宿り、その刀を全力で相手に投げつける。
水蓮は避けることが出来ず、刀は水蓮を貫通する。
だが、貫かれた水蓮に傷はなく、通り過ぎた刀の先に魔素の塊が付いていた。
そしてその塊は壁に叩きつけられて消滅するのだった。




