第111話「VS クロノストリガー幹部 戸軽その一」
やっと時間が出来たぜよ!
今回は前回遭遇した幹部戸軽との戦闘になります。
祭の焔華扇が戸軽の喉元に突き刺さる直前、異形の怪物が割って入り祭の槍をはねのける。
「チッ!」
「惜しい惜しい♪」
「うぜぇ」
「祭」
「分かってる」
軽く冷静さを欠いている祭に叢雲が声をかけ、そのまま隣に立ち、木乃嵐を構える。
「一人で…戦っても…意味、ない。私も一緒に…行く」
「叢雲…ありがとう。二人でなら…あのクソ野郎に一発入れれる。あの傍にいる怪物の気を引いてくれるか?」
「任せて」
「見た感じあの男の傍にいる怪物が一番強いのでしょう。他の怪物たちはこちらで引き受けます」
「…頼めるか?」
「任せてください、行きますよ冬夜兄ちゃん」
「分かった」
「作戦会議は終わったか?」
「ああ、待たせて悪いな」
「気にする必要はない。だって、貴様らが何をしようがこいつらを倒すことはできないのだからな」
「はっ、その余裕を完膚なきまで叩き潰してやるよ」
「やってみるがいい、行け! 我が愛しの実験体達よ。奴らを殺せ!」
戸軽の命令により、今まで身動ぎ一つしなかった異形の怪物…キメラ達が祭達に襲い掛かってくる。
キメラ達の攻撃が先頭を走る祭と叢雲に迫るが後ろから追い越した冬夜と雪香によって防がれ蹴散らされる。
「二人の邪魔はさせません!」
「さあ、道を開けろ、怪物ども!」
雪香の二つの手斧が怪物達を一ヶ所にまとめ、それを冬夜の槍が一直線に貫き、怪物達の血が辺り一面を染め上げる。
「せめて安らかに眠れ」
「苦しませないように殺してあげるからね…」
二人はそのまま武器を振るい怪物達を一撃のもとに倒していく。
祭と叢雲は二人が作ってくれた戸軽への道を真っ直ぐに走り抜ける。
怪物達の血が祭と叢雲にかかるが二人は気にせず、戸軽とその傍に控える異形の怪物に接近する。
二人の接近に伴い、怪物は動きだして祭と叢雲にその大きな拳を振るう。
祭は拳を回避してそのまま怪物の隣を駆け抜ける。
それを追いかけようとした怪物を反対の拳を受け止めていた叢雲の木乃嵐が足に打撃を与えることで阻止する。
「行かせ…ない!」
「UGUAAAAAAA――!!」
「来い…!」
執拗に脚を狙って攻撃を仕掛けてくる叢雲に痺れを切らし、異形の怪物は祭を追いかけることを諦め、叢雲を見据え、拳を構え、振るった。
叢雲もその拳に自身の木乃嵐をぶつける事で相殺した。
その様子を眺めていた戸軽は…。
「チッ。計算式が悪かったか? まさかその程度の挑発行動で自身の与えられた命令を無視するとは…」
「これでお前を護る奴はいなくなったなぁ! その命、貰い受ける!」
「ふっ、甘いわぁ!」
「!?」
祭の焔華扇が戸軽の心臓めがけて刺し込まれるが、何処からともなく取り出された二振りの短刀によって防がれ、返す形で祭を斬りつける。
「―ッ!」
祭は即座に顔をずらし、避けようとするが間に合わず、切っ先が頬をかすめる。
そして、祭はすぐさま後ろに飛び下がり、距離を取った。
「滑稽だな。そんなに驚いた顔をしているのは、それともそんなに意外か? これでも戦いにはそれなりの心得があるのだよ」
「それなり? 今の速度で斬りつけてきておいてか?」
「そう、それなり…さ。私は研究の方が重要なのだが、それだといざというとき困るだろうと五月蠅い奴らが勝手に時間作って私に稽古をつけてきたからな」
「厄介な事を」
「まぁ今となっては無駄な事では無かったな。さて、お前に私を殺せるかな?」
そう戸軽が挑発すると祭は無言で槍を構え、再度戸軽に向かっていくのだった。
次回は叢雲と異形の怪物の戦闘の様子を書いていきます。
祭はその後!
冬夜と雪香の戦いはすぐに終わるから書きません。




