第107話「VSクロノストリガー幹部 琉人&金田その肆」
「ふむ、先程とは違い。向かってくるのか? 逃げずに今の私に近付いて来るのか」
「近づかなきゃ貴方を倒すことが出来ないからです」
「フ、本来なら紫杏の方から倒したいところだが、貴様の覚悟に免じて貴様からやってくれよう!」
レイアと琉人が互いに大剣と拳を構え、紫杏はレイアの後ろに下がり、策を講じる為の準備に入る。
琉人の怒涛の攻撃をレイアは的確に躱しているが風圧ですら身体に傷を刻む暴風と化している為、躱しながらも着々と体力を削られてしまっている。
レイアもお返しとばかりに隙を伺いながらも大剣を振るい、攻撃を仕掛けるが琉人の身体に傷をつけるには至っていない。
「なんて硬さ…いくら何でも刃すら通さないなんて…」
「さぁ、どうする? こちらは当たれば一撃、避けても傷はつく。あまり持久戦は望ましくはないだろう?」
「そうですね。ですが、どれだけ貴方が硬かろうがどれだけ私が傷つこうが最終的に勝てればいいのですよ」
「それがたとえ自分自身の死に繋がるとしてもか?」
「死ぬつもりは一切ありませんけどね。自分の死によって守れるものがあるのなら私は…私の命なんていつだって捨てて見せてます!」
「良いぞ! 良い覚悟だ! 紫杏以外にもこんなにも気持ちを高ぶらせてくれる者がいるとはな!」
「勝手に高ぶらないでくださいませんか? こっちは戦いを楽しむ余裕すらないんですよ」
「気持ちは高ぶっているがこちらも戦いを楽しんでいるわけではない。この戦い勝とうが負けようが我らは死ぬのだから」
「それほどまでの薬を何故?」
「言ったであろう? 我らはボスの為ならば命を捧げる覚悟でクロノストリガーに所属しているのだ。例外はいるがな」
「………」
「そんな顔をするな。もう時間は十分に稼げたのだろう?」
「ええ、その通りよ」
琉人が傷だらけのレイアから視線を移すとその先にいる紫杏が答える。
紫杏は持っている刀を鞘に納め、抜刀の構えをしていた。
(アレが奥の手の一つ?)
(レイア、あの刀に凄い魔力が宿ってる。時間をかけて魔力を安定させて刀に宿したみたいね)
(ミニアそれってつまり…)
(あの一撃を受けたら今の私達女神もひとたまりもないって事なのは確かね)
「前はその攻撃にやられたが今回はそうもいかないぞ」
「前と同じ威力だとは思わないでね。今回のこれは私が放てる最大の威力。これ以上魔力を込めるとこの子が折れちゃうから」
「ほう。最高威力だと? なれば我もまた今の状態で出せる最高の一撃をもって答えよう」
紫杏は踏み込む足をもっと深くするために姿勢をさらに低くして、琉人も足を踏み上げ地面にたたき下ろして拳を構えると紫杏から視線を外さないように真剣に見つめる。
静かな時間が流れていく。
その時、紫電と金田がぶつかり合う音が響き渡った。
それが合図となり、二人は互いに一気に距離を詰める。
「「はああぁぁあ!!」」
『神域絶刀 鬼夜叉崩し』
『炎命滅殺 紅葉墜とし』
お互いの必殺技が中心でぶつかり合い、周囲一帯を吹き飛ばす。
互いに位置が入れ替わり、最初に膝をついたのは紫杏の方だった。
刀を振り抜いた姿で膝をついたがそのまま倒れることは無かった。
何故なら琉人がそのまま拳を振り切った格好のまま倒れたからだ。
琉人の一撃は風圧のみ紫杏に当たり、紫杏の刀は綺麗に琉人を捉えたからである。
紫杏は刀を杖にしながら立ち上がり、その後刀を鞘に納めながら…。
「今回も私の勝ちね」
と満足そうに、しかし何処か寂しそうに言うのだった。
最後に放った二人の技はどんな感じかは皆さんの判断に任せます。
考えるのがめんどくさいとかじゃないですからね!?




