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突然だが、俺は神子と結婚する事にしたんだが

今回は神子と結婚する話です

恋愛神と父親を追い出す事に成功した洋平はとあることをします

では、どうぞ

 親父を追い出した後、俺と神子はドッと疲れが出たせいか二人揃ってベッドへダイブ。そのまま寝てしまった。


「今何時だ……って、時間を気にする必要なんてないか」


 ぼんやりした頭で時刻を確認しようとした俺なのだが、ここは神の世界。正確には神の部屋なんだけど、ここには昼も夜もない。異世界で転生者がどうしもうもない状況だったらそこへ赴き必要なものを届けに行く。この部屋の時間が何時であろうとも俺には何の関係もないのだ


「時間に縛られないのは良い事だけど、うーん……何て言うか物足りない」


 時間に縛られない生活というのは人間誰しも憧れを抱くものだけど、逆に時間に縛られなさすぎるのはどこか物足りない


「はぁ……。起きたはいいがやる事がないってのは案外暇なんだな」


 生きていれば俺は高校生だ。課題が出ていれば課題をやるし、そうじゃなかったら帰りに友達と遊んだりと何だかんだやる事はあった。でも、今は違う。やる事といえば精々異世界の様子を見て転生者が困ってないかチェックする程度だ


「ダメだ……やる事がなさすぎる……」


 やる事がなさすぎるのもある意味では問題だな


「すぅ……すぅ……むにゃ……ようへい……」


 隣では神子が幸せそうな顔をして寝ている。普段は騒がしかったりドジだったりするけど、寝ていれば可愛いものだ。寝言で俺の名前を呼んでるんだからな


「ようへい……ダメだよ……?おんなのひとをナンパしちゃ……」


 前言撤回。コイツは俺を何だと思ってるんだ?


「寝顔が可愛いと思った俺がバカだった……コイツは俺にどんなイメージを抱いてるんだよ」


 今まで魔法の世界だったり、特撮ヒーローの世界だったりといろいろな世界に行ってきた。その中で女性との出会いもあった。あったけど、ナンパをした事など一度もない


「ようへいがみていいのはわたしだけなんだから……」


 神子がこの世界に行けって言うから俺はそれに従ってたのにナンパしていると思われるのは非常に心外だ


「俺は今までお前の指示に従って異世界に行ってたのにナンパしに行ってると思われてたんだな」


 神子がどんな夢を見ていても自由だ。それにだ。人の見ている夢にケチを付けても仕方ないからしないけど腹が立つのは事実だ。


「このまま言われっぱなしも腹が立つ。そうだ!」


 俺はベッドの脇に何故か置いてあったマジックを手に取った。そして、マジックのキャップを外し……


「悪く思うな。俺がナンパしている夢を見ているお前が悪い」


 神子の顔に落書きをした。え?マジックが何性かだって?もちろん油性だ。元の世界じゃ油性マジックで顔に落書きをするのは躊躇われたが、ここは元の世界じゃない。神子なら油性マジックも簡単に落としてくれる。俺はそう信じている


「っと、こんなもんだろ。それにしても………プッ!わ、我ながら……じょ、上出来じゃないか……ククッ……」


 自分でしたとはいえこれ以上神子の顔を見ていると大爆笑してしまい起こしてしまう可能性があったので俺はリビングへ移動する事にした。


「暇だ……」


 落書きをした神子の顔を直視したら爆笑してしまい起こしてしまうと思った俺はリビングに移動したのはいいが、如何せんやる事がない。


「たまには一人で異世界の様子を見るのもいいか」


 異世界の様子を見る。俺が来る前や俺がいない間は神子が一人でやっている事。普段神子がどんな気持ちでこれをしているかを知れるいい機会だ。そう思い俺はテレビを点けた。しかし……


「何も異変が見当たらない……まぁ、そう簡単に異変があっても困るんだけどな」


 テレビを点け、異世界で何か起きてないか見つけてやる!と意気込んだはいい。それはいいとして、こんな時に限って何も見つからない……俺が異世界に赴く事がないのはいい事なのだが、こうも暇だとちょっとな……


「ひ、暇過ぎる……」


 異世界で異変らしき異変が見当たらなかったので俺はテレビを点けっぱにし、その場に寝転んだ。



 その場に寝転んでからどれくらいの時間が経過しただんだ?三分か?三十分か?それとも、一時間か?とにかく暇だ……いい加減神子も起きてきてくれないかな……。なんて思った時だった


「ふあぁ~あ、洋平~、おはよ~」


 寝ぼけた目を擦りながら神子が寝室から出てきた。出てきたのだが……


「ぶほぉっ!お、おはよう、み、神子……」


 神子の顔を見た瞬間、俺は噴き出してしまった。決して神子の素の顔が面白いって言ってるわけじゃない。ただ、今回の顔が面白いって言ってるだけで


「うん、おはよう。洋平。ところで何で今噴き出したの?」


 神子は起きてから一度も鏡を見てないのか心底不思議だといった様子で俺を見つめてきた


「な、なんでも……な、ない、そ、それより、い、今見つめられるとこ、困る……」


 俺は神子の顔を見て爆笑しないように脇腹を抓り必死に笑いを堪えた。


「そうなの?まぁ、いいや。私顔洗ってくるね」

「お、おう、行ってこい」


 神子は寝ぼけ目を擦りながら洗面所へ。その間俺はどうしよう……この部屋には神子と二人で暮らしているわけだから落書きをした犯人は当然俺って事になる。実際に落書きをしたのは俺なんだけど、落書きが見つかったらどうなる事やら……


「戻ってくる前に逃げるか」


 神子が戻ってきたら怒られるのは必須だったと判断した俺は逃げる事に。しかし────────────


『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!な、何これぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』


 時既に遅し。逃げる前に洗面所から神子の悲鳴が聞こえてきた


「遅かったか……」


 神子の悲鳴が聞こえ、俺は遅かったと悟った。そして……


「ちょっと!!洋平!!」


 ドタドタと足音を立てながら神子が洗面所から戻ってきた


「な、何でしょ──────ぶふぉ!!」


 寝顔でさえ破壊力バツグンの落書き顔。怒った時は寝ている時の倍は破壊力が増していた


「何じゃないでしょ!!何この顔!!」


 そんな落書き塗れの顔をした神子だけど、怒っているのは明らかだ。ただ、落書きのせいで恐怖より面白さの方が勝っているけどな!


「あー、いつも可愛い俺の彼女の顔じゃないか。それがどうかしたのか?」

「か、可愛い……え、えへへぇ~って!そうじゃない!何この落書き塗れの顔!洋平!!」


 途中まで上手く誤魔化せたと思ったけど、最終的にはダメでした。それはさておき、そろそろ俺が神子の顔にどんな落書きをしたか気になっている頃だろうから言うが、額には神、両頬は渦巻、そして、口回りには昔のアニメに出てくる泥棒の髭。これで笑うなという方が無理だ。自分でしといてなんだが、女性の……それも自分の彼女の顔によくもまぁ、こんな事したもんだと思う


「いや、落書き塗れだけど可愛いって!ホントだって!」


 怒られるのを恐れた俺はとりあえず可愛いと言いまくる事に


「可愛いわけないでしょ!!こんな落書き塗れの顔が!それに、私は洋平の妻なのにどうして落書きしたの!!」


 俺と神子が男女の関係にあるのは否定しないが、妻は言い過ぎなんじゃないんですかね?


「暇だったから」

「よ~う~へ~い~!」


 この後俺は神子に正座させられ、説教をされた。水を司る力を得た……いや、もうこの説明面倒だ。端的に言うと水人間と化した俺にとって何時間正座させられようとどれだけビンタされようと痛くも痒くもない。それを理解していたのか説教は早めに済んだ


「悪かったって!何でも言う事聞くから許してくれよぉ……」


 早めに説教が済んだのはいい事だけど、その代わりに神子はすっかりヘソを曲げてしまった。こうなった原因は俺にあるから強くは言えない。そんな俺は神子のご機嫌を取り続けるしかないのだ


「ふんっ!妻の顔に落書きする洋平なんて知らない!」


 だから、妻は言い過ぎだって!ツッコんだら面倒な事になるから言わんけど。ちなみに、神子は説教が終わると洗面所に行かず自分の力で落書きをあっという間に落とした事を言っておく


「ごめんって!俺が悪かった!」

「ふんっ!知らない!」


 完全に神子を怒らせてしまった俺はお手上げだった。自業自得だから仕方ない事だけどな。でも、今までの神子とのやり取りで一つだけ得たものはあった。それは俺が神子を彼女だと言った事に対して神子は俺の妻だと言った。そこまではいい。が、俺は神子にプロポーズの言葉をまだ言ってない。


「そうか……まぁ、俺の自業自得だから仕方ないけどよ……」

「…………………」


 この一言を最後に神子は黙ってしまった。俺にとってはある意味で都合がいい事ではあるんだけど


「暇過ぎるとはいえ女性の顔に落書きをしたのは俺だし、怒られても仕方ない。だから、そのままでいいから聞いてくれ」

「…………………」


 男・白石洋平。今から神様にプロポーズします


「このタイミングで言うのもどうかと思うけど……神子、俺と結婚してくれ」


 彼氏彼女として付き合ってからどれくらいかは正直覚えていない。時間の感覚がないからな。どれくらい日にちが経ったとかなんて考えてなかった


「──────!?」


 そんな事を考えていたら神子は驚いた様子で俺の方に振り向いた。


「驚いたまま無言でいられても俺困るだけだからね?」


 プロポーズというのは突然なのが定石だ。少なくとも俺の中ではな


「だだだだだだだだだって、い、い、いきなりぷ、プロポーズとか……こ、心の準備が……」


 お互いに好き同士だったから付き合ったのにプロポーズした途端に動揺する神子を見るとコイツも女の子なんだと思うけど、実年齢は百を優に超える婆さんだ。神の世界じゃ年齢は関係ないとはいえ、婆さんが動揺してもなぁ……そんな奴にプロポーズする俺も俺だけどよ


「いや、お互いに好きで付き合ったんだし付き合っていればいつかはプロポーズされるって思ってなかったのかよ……」


 結婚前に別れるカップルもいるくらいだから一概に世のカップルが全て結婚するとは言えない。でも、俺はいずれ神子と結婚するものだと思っては……いなかったな!俺が死んだ時はまだ高校生だったし


「そ、それはそうだけど……あう……」


 顔を真っ赤にして俯いてしまった神子の頭からは煙が出ているように見える。


「だったらいいだろ?それより、早く返事を聞かせてくれ。俺だって結構恥ずかしいんだぞ?」


 神子にはサラッとプロポーズしたが、俺だって恥ずかしい。返事が遅れれば遅れるほどな


「よ、よろしくお願いします……」


 真っ赤になり俯く神子から返ってきたのはОKの返事。俯いてたから表情までは見えなかった。でも、これで俺と神子は晴れて夫婦となった。それはいいとして、問題は婚姻届って必要なのかってところだ


「よ、よろしく……ところで、俺達の結婚って婚姻届を出さなくていいのか?」


 人間世界じゃ結婚するにあたり婚姻届に夫婦となる人物達の名前と保証人の名前、それと、当事者達と保証人の印鑑が必要だと聞いた事がある


「それは大丈夫だよ!私が電話で他の神達に結婚の報告をすれば婚姻成立するから!」

「そ、そうなのか……」


 神が他の神に電話で結婚報告するだけで婚姻が成立するだなんてお手軽すぎだろ。この言葉が喉まで出かかった。しかし、そんなんでいいなら別にいいかとも思い、俺はその言葉を飲み込んだ。それにしても、いきなり死んだかと思ったら神様を彼女にし、その彼女と結婚。展開早すぎね?気のせい?

今回は神子と結婚する話でした

寝ている彼女の顔に落書きはちょっやりすぎだとは思いましたが、プロポーズまでの伏線って事で

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

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