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恋愛神に絡まれたんだが

今回は恋愛神に絡まれた話です

恋愛神は意外な格好と性格です

では、どうぞ

「………………………」


 俺は今、自分の置かれている状況に対し、戸惑いを隠せずにいる。話は少しずれるが、恋愛神とはどんなイメージだろう?巨乳で大人のお姉さん?それとも、清楚系の知的美人?果ては大きな心で何でも受け止めてくれそうなお婆さん?まぁ、人それぞれいろんなイメージがあっていいと思う。が、目の前のこの人を恋愛神と言うのはちょっと……


「何?アタイが恋愛神だと文句あるわけ?」

「…………………」


 文句はないけど恋愛神が女ヤンキーでガン飛ばしてくるってどうなんだ?


「っていうか、神、さっきからアタイを見つめてるこの冴えない男誰?」


 恋愛神の癖に言うに事欠いて人を指さして冴えない男とか言わないでほしいんだけど?


「わ、私の彼氏の白石洋平だけど?」

「ふ~ん。こんな冴えない男が神様の彼氏ねぇ~」


 彼氏って紹介してくれたのは素直に嬉しいけど、せめて冴えない男ってのは否定してほしかったぞ……


「よ、洋平は冴えなくないもん!そ、そりゃ、男なのに怪我したくないとか言うから頼りないとは思うけど!」

「冴えないんじゃなくて男のクセして怪我するのが嫌なビビりか」


 この神二人は異世界で怪我したらシャレにならん場合もあるって知ってるのか?それこそ本当だったらマジで死ぬかもしれないレベルの攻撃を狂人と化した転生者から食らったんだけど?その辺どうなのかな?ん?


「洋平、女の子に言われっぱなしでお前は男として悔しくないのか!?父は悲しいぞ!!」


 俺が何も言い返さない事を嘆く親父。そりゃ言われっぱなしじゃ悔しい。しかし、俺が何かを言い返すと神子も恋愛神も傷つくと思って言い返さないだけで言い返そうと思ったらいくらでも言い返せる


「勝手に親父は悲しんでいろよ。別に百歳を優に超えるババアに何か言われたところで痛くもかゆくもないしな」


 女性に年齢の事を言うのはタブーだ。そんな事は俺だって知っている。しかし、いくら神でも初対面で冴えないとかビビりだとか言われる筋合いはないのだ


「あ?ビビり洋平、今何つった?」

「聞こえなかったのならもう一度言いますよ。百歳を超えた今でもヤンキーの物真似をしている痛々しいババアに冴えないとかビビりとか言われても痛くもかゆくもないって言ったんですよ?耳遠いんですか?」

「あ?喧嘩売ってんのか?」

「先に人の事を冴えないとか言ってきたのはそっちでしょ?ババア」

「「…………」」


 一触即発とは正にこの事で俺と恋愛神は互いにガンのくれ合いをした状態だった


「二人とも落ち着きなさい?喧嘩なんてみっともないわよ?」


 お袋が間に止めに入ろうとするも俺は引くつもりはない。それは恋愛神も同じのようで、お袋の言葉に耳を貸そうとはしない


「止めるなお袋。この痛々しいババアは叩きのめさないと気が済まないんだよ」

「へぇ、気が合うね!アタイも同じことを考えていたよ。アンタは全力で叩きのめす!」

「上等!やれるモンならやってください!」

「面白い!やってやろうじゃないか!」


 俺は女性と掴み合う趣味はない。しかし、目の前にいる恋愛神は別だ。コイツは女じゃない!


「二人とも止めて!!それ以上やるならお仕置きするよ!」


 神子の怒鳴り声が部屋全体に響く。冷静になって考えてみればこの部屋の主は神子だ。俺達が喧嘩して誰が一番被害を被るかと言えば神子だ。神子のお仕置きなんて怖くもなんともないが、迷惑を掛けるわけにはいかないか……


「はいはい、神子がそう言うなら止めるよ。ったく……」


 自慢じゃないが、俺はどんなに攻撃されてもすぐに再生するから殴られようが斬られようが別にいい。神子のお仕置きなんて屁でもない。しかし、恋愛神の方は……


「ヒッ……!ご、ごめんなさい……!」


 尋常じゃない程怯えていた。マジで何されたらこんな風になるんだよってレベルで怯えていた。


「わかればよろしい!」


 俺と恋愛神を見て満足気な顔をしている神子は傍から見れば出来の悪い弟と妹の喧嘩の仲裁をしたお姉ちゃんに見える。しかし、恋愛神はともかく、俺は全く悪いとは思っていない。元はと言えば恋愛神の方から吹っ掛けてきた喧嘩だしな。そもそもの始まりは恋愛神がここに来た時だった




「何?いきなり呼び出したりして」


 不機嫌オーラ全開で現れた女性。この人も神様何だろうか?神子もそうだったけど、初見じゃ何の神様かなんて見破れるはずがない。神子はエプロン姿だったし、目の前の人は暴走族のような恰好してるし。事前に聞かされている情報じゃ恋愛神を呼ぶって事くらいだが……まさかね?


「いきなり呼び出して申し訳ないんだけど、恋愛神、この人達と一緒に住んでくれないかな?」


 そう言って神子が指さしたのは俺の両親。俺は神子の部屋に住んでいるし、茉央と美緒は死安さんの部屋に行く事が決定している


「別にいいけど」


 初対面でしかも、自己紹介もしてない段階で冴えないと言われるのは心外だ。が、こちらは両親を住まわせてもらう方なので失礼のないようにしないとな


「え!?いいの!?」

「うん。部屋余ってるし」

「ありがとう~!さっすが!恋愛神!」


 俺は自分の耳を疑ったね。目の前の、どう見たって恋愛の『れ』の字すら感じさせないヤンキーとか暴走族の方が表現的に正しい見た目をしている女性が恋愛神だって?そんなん信じられるわけないだろ。




 で、自分の耳を疑った俺はつい恋愛神を凝視してしまい、冒頭に戻る。そして、恋愛神と一触即発寸前のところを神子に止められ、今に至る。


「「……………」」


 それで、一触即発寸前だったところを神子に止められた俺達は喧嘩をする事なく現在、二人揃って無言で茶を啜っているわけなのだが……


「何か気まずくない?気のせい?」

「茉央ちゃん、それは気のせいじゃないよ」

「ごめんね~、茉央に美緒ちゃん。恋愛神ちゃんは初めて会うからどんな子かはわからないけど、洋平が大人げないなくて」

「全くだ。初対面の女の子に冴えないと言われただけでムキになるなんて情けないぞ!洋平!」


 俺が黙っているのをいいことに言いたい放題言っている俺の家族と幼馴染。コイツ等……殺してやろうか?


「ぷっ!アンタ、家族にボロクソ言われてんじゃん!」


 恋愛神にまで笑われてしまったが、ここで反応すると喧嘩になるのは目に見えている。それに、恋愛神含め、めんどくさい奴は無視に限る。っていうか、最初から無視していれば喧嘩になる事もなかったわ


「さて、神子の手伝いでもすっかな」


 俺は目の前にいる恋愛神やボロクソに言ってきた家族と幼馴染を全力スルーし、神子のいるキッチンへ


「あっ!ちょ、ちょっと!」


 後ろで恋愛神さん(笑)が何か言っているが、会話をすると喧嘩になるから無視だ無視。


「あれ?どうしたの洋平?」


 キッチンに入ると当たり前だが、神子がいた。


「居間にいると恋愛神と喧嘩になりそうだし、家族や幼馴染がうるさいから手伝いに来た」


 嘘は吐いてない。俺と恋愛神は根本的に馬が合わない。それもあるが、両親と幼馴染がこの上なくうっとおしい


「そっか。はぁ~、やっぱ恋愛神のアレは治さなきゃいけないか……」

「は?治す?どゆこと?」

「恋愛神は元々大人しい性格だったし、服装もあんなんじゃなかったんだよ。もちろん、髪形もね」


 開いた口が塞がらない。元の性格や恰好は知らないが、神子の口ぶりからして今の性格や恰好になったのには何等かの原因があるみたいだ


「待て待て、意味が解らない!」


 意味が解らない。恋愛神がヤンキー口調になったり、今の格好になる前があるような言い方をされても俺は困る


「そうだよね……何から話したものか……」


 何から話すか迷っている神子だが、それを話したところで俺に何かできるってわけじゃない


「長ったらしい話はいい。ああなった原因だけ話してくれ」


 異世界に行っても怪我しない程度の力を貰った結果、身体が水になった時点で俺はすでに人間の領域を逸脱しているから人間ではないにしろ、俺にとっては気の遠くなるような年月の話をされても困る


「うん、わかった。洋平が中学生くらいの時だったかな、その当時ツンデレがブームになった時期があったよね?」


 俺が中学生の時か……言われてみればツンデレがブームになった事があった気がするなぁ……


「あー、そんな時期もあったな。ツンデレ喫茶なんてものがあるって話を聞いた事があるし」

「それで、恋愛神がその頃に洋平のいた世界のアニメに興味を持ってたんだけど……」


 今の神子の言葉で何となく読めた。俺の予想でしかないが、きっと俺が中学生の頃、ツンデレがブームになり、そのブームに乗っかった作家やアニメ制作者がツンデレキャラをメインヒロインもしくは主人公にしたアニメを大量に作った。恋愛神がそのアニメのどれかか全てに興味を持ち、自分もツンデレキャラになろうとした。恋愛神のそれまでの性格は知らないが、今の性格になった原因はこんなところだろう


「そのアニメに感化された恋愛神が自分もツンデレキャラになろうとしたってか?」

「うん……性格に関してはそんな感じ。で、ヤンキーみたいな格好になった原因なんだけど、洋平は『ヤンデレ姉ちゃん』っていうラブコメアニメ知ってるかな?」


『ヤンデレ姉ちゃん』というアニメは聞いた事がある。確かストーリーはヤンデレ(ヤンキーデレ)の義姉とヤンキーとは全く無縁の義弟が不器用ながら恋に落ちていくってストーリーだったと思うけど……え?まさか、そのアニメの影響をモロに受けたとかじゃないよな?


「チラッとしか見た事がないけど、ヤンキーの義姉とヤンキーとは無縁の義弟の恋愛アニメだったって事くらいは記憶している」

「うん……そのアニメの影響をモロに受けてしまって……」


 嫌な予感は高確率で当たるものだ。俺はこの話を聞いてそれを強く実感した。違ってほしかったよ……


「はぁ……子供じゃあるまいし……」


 神子の話を聞いて恋愛神に対する見方が変わったよ……俺は


「あ、あはは……そうだよね……でも、恋愛神はああ見えてピュアだから」


 苦笑いなのか、それとも、この場の空気を少しでも和ませようとしているのか、どっちの意味で神子が笑ったのかはわからない。今の俺にわかるのは恋愛神の性格を元に戻すのは簡単だって事くらいだ


「はぁ、アニメの影響をモロに受けてしまう神様の行く末が心配になるが、それくらいピュアなら元に戻すくらい簡単だぞ」

「え!?本当!?」

「ああ。恋愛神が本当にピュアな性格ならな」

「ピュアだよ!で?どうやって元に戻すの!?」

「それはな──────」


 俺の思いついた方法を神子に説明する。しかし、やる方としては詐欺をするようで気が引けるが、あのまま突っかかってこられても困るのでやるしかないのは明確だ。やるならとことんやろう

今回は恋愛神に絡まれた話でした

初登場の恋愛神ですが、見た目は口調はヤンキー、恰好は暴走族みたいな恰好で登場しましたが、洋平は恋愛神を元の性格に戻せるのか?

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

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