俺はどうやらモルモットか何かにされそうなんだが
今回は洋平がどんな存在なのか見せる話です
「攻撃されても再生します」って事を証明するための方法とは?
では、どうぞ
「「「「異世界に連れて行け!!」」」」
と、俺の家族が子供のようなワガママを言い出し
「洋平君のご両親はお医者さんだったから人の中身なんて嫌と言うほど見てるから平気だと思うけど?」
なんて余計な事を言い出した死安さん
「例え生前が医者だったとしても異世界に行って何かあった時に抵抗できる力がないと連れて行けませんよ」
異世界で万が一の事があった時に抵抗できる力がないのなら連れて行かないと言う俺。今の状況を簡潔に説明するのにピッタリなのは『休日に遊びに連れて行ってもらえない子供達とそんな父親を説得する母親』といったところだ。
「「「え~!!異世界に行きたい!!」」」
「お袋、茉央、美緒……」
俺の意見に不満がある様子を見せたのは意外にも親父を除く三人。お袋、茉央、美緒だった。親父が大人しいだなんて何か悪いものでも食ったのか?
「だってぇ~異世界に行きたいんだもん!しばらく家族旅行なんてしてなかったし~」
お袋……異世界に行くのを家族旅行と一緒にしてもらっちゃ困るんだけど?
「俺は今から異世界に遊びにくんじゃないんだよ!次!」
お袋の意見を却下し、次の意見へと移る
「お兄ちゃんと旅行がしたいです!」
茉央、それじゃお袋と同じなんだけど?
「お袋と同じじゃねーか!次!」
茉央の意見はお袋と同じだったので特に言う事はない。次の意見だ
「洋平は修学旅行前に死んだし、修学旅行で異世界に行く機会がないから異世界に行きたい!」
美緒、家族旅行じゃないだけマシだし、修学旅行前に死んだのは事実だから何も言えない。しかし、異世界に行くのは単なる旅行じゃない。特に魔法等の人知を超えた力が存在する世界は危険なんです!
「家族旅行じゃないだけマシだし、修学旅行前に死んだのは事実だから言い返せないけど、魔法とかの人知を超えた力がある世界は大変危険なだよ!それこそ、俺達のいた世界には存在しない生物がいる事だってあるんだ。その辺も考えたうえで抵抗できる力がないと危険だから連れてけないって言ってるんだよ!」
別にお袋達が嫌いだから連れてかないと言ってるわけじゃない。危ないから連れてけないって言ってるんだよ
「「「ぶー!ぶー!」」」
「ぶー垂れてもダメなものはダメだ!」
本当にお袋も茉央も美緒も子供みたいな事すんなよ……。そういえば親父はさっきから黙ったままだけど、どうしたんだ?異世界に行くって言うと真っ先に騒ぎ出しそうなものなんだけど……
「洋平、一つ聞いていいか?」
さっきまで黙っていた親父が重い口を開いた。聞きたい事?何だろう?
「ああ、俺に答えられる範囲で答える」
「じゃあ、聞くが、洋平は俺達が異世界で戦う力がないから俺達の異世界行きを反対してるんだよな?」
「ああ、俺が初めて行った異世界じゃいきなり魔王からの攻撃が飛んできた。まぁ、神子から貰った力のおかげでケガはしなかったけどな」
「それはいいとしてだ、要するに俺達も洋平と同じ力か異世界で自分の身を守れる力を手に入れたら異世界に連れて行ってくれるんだよな?」
「まぁ……。それなら……」
異世界で自分の身を守れる力さえあれば連れて行く。本音を言うならば一人くらいなら守れるんだけど、四人となると俺一人で守り切れる自信がない。
「おし、俺ちょっと神子ちゃんに力くれるように頼んでくる!!」
親父は張り切った様子でリビングへと戻ろうとした。その時だった
「力なら僕があげますよ」
さっきまで黙っていた死安さんが力を与えると言った。死安さんも死神とはいえ神の一人だから力をやる分には問題ないだろうとは思う。問題は与えられた力を使った時の代償だけだ。よくファンタジー系のマンガとかだと死神に与えられた力を使うと何等かの代償があるって言うし
「「「「本当ですか!?」」」」
死安さんの案に親父だけじゃなく、お袋や茉央、美緒まで食いついてくるとは……そんなに異世界に行きたかったのか?
「ええ。僕も神の一人ですから、神子ちゃんと同じ事ができますし、それに、お望みなら洋平君と同じ力をあげる事もできますよ?」
死安さんも神の一人だから神子と同じく力を授ける事はできるだろうけど、その力を使って性格が変わったりとかもう一つの人格ができたりとか、そんな事ないよね?大丈夫だよね?
「洋平と同じ力?そういえば俺達はまだ洋平がどんな力を持っているか知らないんですけど?」
「「「うんうん」」」
親父の言葉に同意するかのように頷くお袋達を見て俺は力を持っているとは言ったけど、それが具体的にどんな力なのか説明してなかった。親父達が来た時には異世界に行くだんなんて話はしてなかった。しかーし!それは俺のせいではない!親父とお袋は俺に彼女ができた事で騒ぎ立て、茉央と美緒は途中までは親父達と同じ事をしていたけど、突如現れた死安さんに夢中になった。これじゃ話すチャンスなんてない!俺は悪くない!!
「洋平君は水を司る力……端的に言えば、水を自在に操る事ができる力です。それこそ、自分の身体を水に変化させる事だってできます」
「「「「ほへぇ~」」」」
死安さんの説明に呆けた顔を見せる親父達。そりゃいきなり水を自在に操れますだなんて水芸師のキャッチコピーみたいな事を言われてもピンと来ないだろうよ
「言葉で説明するより実物を見てもらった方が早いですね。少々お待ちを」
親父達に待つように指示した死安さんはちょうど靴を履き終えた俺の元へとやってきた。え?何する気?
「戻ってきた理由はあえて聞きませんが、死安さん、俺に何をする気ですか?」
「ん~?洋平君のご家族と美緒ちゃんに今の洋平君がどんな存在かを見せるんだよ~」
そう言ってものすごく危険なオーラを発しながら俺に近づいてくる死安さんの顔はまるでイタズラを思いついた悪ガキのようだ。だけど、俺がどんな存在かを見せるとは何だろう?
「は、はあ、そうですか……」
今の俺に物理攻撃なんてほぼ無意味。それこそ首をちょん切られようとも俺は生き残る自信がある。それは神子から力を貰った時にテーブルをぶつけられ、無傷だった事で証明されている
「うん。ま、洋平君にとっては二度目だろうけど、その辺は勘弁ね」
俺にとっては二度目という言葉で察した。死安さんは今から俺に物理攻撃をする気だ。って言うか、ちょっと考えたらすぐに結論は出る。
「別に構いませんよ。俺の力がどんなものかを証明するには手っ取り早いですから」
俺の力を証明するには何等かの攻撃を食らった方が手っ取り早い。誤解のないように言っておくけど俺はМじゃないから攻撃を加えられて喜ぶ趣味はない
「それじゃあ、これで攻撃しても構わないよねぇ?」
死安さんが出したのは死神の象徴とも言える鎌。え?ちょっと待って、死神が取り出した。いや、発生させたと言った方がいいか。とにかく!鎌って魂とか持ってかれるんじゃないの?
「ちょっと待ってください!死神の鎌って魂とか取られるやつですよね!?そんなんで攻撃されたら俺死んじゃいますって!」
「大丈夫だよ!死神の鎌は確かに魂を狩るものとして有名で実際そうだけど、それは死神である僕がその人の魂を狩るつもりで鎌を振ったらの話で洋平君の魂を狩ったら僕が神子ちゃんに殺される。そんな僕が洋平君の魂を狩るはずがないじゃないか!」
神子に殺されるという部分は置いといて、死安さんが俺の魂を狩らないのならそれでいい
「一応、信じますけど、俺に何かあったら許しませんよ?」
「それは約束するよ。さて、じゃあ、君のご家族と美緒ちゃんを呼んでくるよ」
一方的な約束をし、死安さんは一旦親父達の元へと戻る。まぁ、よくよく考えてみれば今、ここで俺の魂を狩ったら神子の使いとして異世界に行く奴がいなくなるし、死安さんの代わりに異世界に行く人間がいなくなる。神子にとっても死安さんにとっても俺がいなくなるのは痛手になる。そんな死安さんに俺の魂を狩るメリットなんてない。出した鎌のインパクトが強すぎて忘れていた
「洋平!どんな攻撃を受けても再生するって本当か!?」
死安さんと一緒に親父達が俺の元へと来た。来たのはいいけど、親父、開口一番が俺の命の心配よりも俺がどんな攻撃を受けても再生するかの確認とは……息子としてこんな親を持って悲しいぞ
「それを今から確認するんだろ?」
勇者に大剣を届けに行って以来、俺は力を使ってはいた。しかし、それは俺の世界で言うところの水芸かマジックレベル。手から水を出したりするなんて芸当ができるのはマジシャンか水芸師くらいのものだ
「そうだったな!」
「親父、死安さんの話を信じてなかったのかよ……」
いくら死神の言っている事とはいえ、話だけ聞いて信じろだなんてのに無理がある。俺が親父達と同じ立場だったら絶対に信じない
「話を聞いただけで信じられると思う?洋平、私達だってバカじゃないのよ?」
お袋の言う通りだ。話だけ聞いて信じるのはバカだ。
「そうだよ!お兄ちゃん!いくら私が惚れた男である死安さんの話とはいえ、実物を見ないとね!」
「うんうん!」
茉央、美緒、好きな男に好きと言える素直さは認める。だけどな、兄(幼馴染)が攻撃される事を意気揚々と受け入れるな
「は、ははは……洋平君、今回ばかりは同情するよ」
同情するくらいなら最初から攻撃する以外の方法で実演しようとは思わなかったんですか?死安さん……
「同情はいらないんで早く済ませてください」
「あ、うん、そうするよ」
死安さんは鎌を取り出し、いや、発生させたと言った方が────────もうこの件はいいか。死安さんが鎌を持ち、俺の顔面目掛けて大きく振りかぶった。その刹那、俺は見てしまった。親父達がワクワクしたような顔で俺を見つめていた。お前ら……再生したら覚えてろよ……
「おお~!本当に水になるもんだな~」
「本当にねぇ~」
「お兄ちゃん、スライムみたい」
「茉央ちゃんナイス!」
上から親父、お袋、茉央、美緒の順で各々感想を言ってるけど、そのどれもが俺の安否を心配するものじゃなく、珍しい動物を発見した時のリアクションに近いのはどうしてだ?
「このように洋平君は攻撃を受けてもすぐに再生します。皆さん、信じて頂けましたでしょうか?」
「「「「はい!」」」」
死安さん、胡散臭い通販番組の司会者に見えますよ。そんな事を俺は自分の身体が再生するのを待ちながら思わずにはいられなかった。それにしても、神子に攻撃さてた時には派手な水音が聞こえたのに対し、死安さんに攻撃された時は水音一つ聞こえなかったけど、物をぶつけられるような攻撃と切られる攻撃だといろいろ違ってくるものなのかな?後で聞いてみるか
今回は洋平がどんな存在なのか見せる話でした
洋平が攻撃を受けても再生するって証明するために攻撃を受けました。しかし、最初と違うのはどうして攻撃を受けた時に水音がしなかったのか?です。それはまた次回
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