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死安さんを見捨てたら怒られて親父達を異世界に連れて行かないと言ったらごねたんだが

今回は洋平が怒られごねられる話です

人を見捨てて一人だけ彼女とイチャついてたら怒られるのは当たり前か……

では、どうぞ

「よ~う~へ~い~く~ん」


 俺は現在、死安さんからのジトっとした視線を受けながら煎餅を食べている。どうしてこんな事になったかを簡潔に説明すると、俺と神子は寝室でイチャイチャしていたけど、客が来ているのに放ったらかしていいのかと思い、俺と神子は寝室を出てリビングに戻った。しかし、戻った俺達を待っていたのはニヤニヤしている両親とゲッソリした様子の死安さんとその両隣りを確保している茉央と美緒だった。そして、今に至る


「ご、ごめんなさい……」

「ごめんじゃないよ!僕は女の人が苦手とは言わないけど、得意じゃないんだよ!?」


 死安さん、それは威張って言える事なんですか?


「そこを威張られても困るんですけど……とりあえず、茉央と美緒に離れるように言いましょうか?」


 死安さんにピッタリくっ付いたままの茉央と美緒。逆に言うなら茉央と美緒がくっ付いたままでよく会話できたな。死安さん。女の人は苦手ってのは嘘か?ちなみに右側に茉央で左側に美緒だ


「うん、お願い」


 そう言う死安さんからは生気が感じられない。


「茉央、美緒、一旦死安さんから離れてくれないか?」

「「嫌!!」」

「あ、あはは……」


 お前らは子供か?真ん中で死安さんが乾いた笑みを浮かべているじゃないか。


「じゃあ、離れなくていいや」

「「やった!」」

「よ、洋平君!?」


 俺の言葉に嬉しそうにする茉央と美緒。それに対して驚く死安さん。二人の反応は正反対だ。


「別に離れなくても俺は一向に構わないんだけどな、死安さんに嫌われても俺には全く!全然!関係ないからな。嫌われたいならそのままでいるといい」

「「嫌われたくないから離れる……」」

「ホッ……」


 俺の『嫌われる』という言葉に反応し、死安さんから離れる茉央と美緒。そして、ホッとした様子の死安さん。これまた対照的な反応を示す両者は見ていて面白い


「さて、茉央と美緒が離れたところで死安さんは俺に頼みごとがあったんですよね?」

「あ、うん。ちょっと超能力メインの世界に行ってきてほしいんだけど、いいかい?」


 茉央と美緒が離れ、ようやく頼みごとの内容に入れる……しかし、超能力メインの世界で俺に何をさせるつもりなんだ?


「別に異世界に行くのは構いませんが、超能力メインの世界に行って俺は何をすればいいんですか?」

「あー、うん……ちょっと仕事を……ね?」


 神子と俺だけならストレートに言うところだけど、ここには俺の両親と妹、幼馴染がいるせいなのか、具体的な内容には触れない。いや、触れられないのか


「はあ、仕事ですか……まぁ、それくらいならいいですけど」


 死安さんは死神だ。仕事の内容なんて言われなくても大体は解る。


「本当かい!?」


 目を輝かせて俺を見る死安さん。生憎だけど、俺には男に見つめられて喜ぶ趣味はないんだ


「届け物を届けたりしない分だけ死安さんから頼まれる仕事はいろいろと楽ですから」


 神子から頼まれる仕事が面倒だとは言わない。しかし、死安さんから頼まれる仕事は転生者の抹殺だ。届け物をするより遥かに楽だ


「そう言ってくれると助かるよ!」


 さっきまでは目を輝かせて見つめるだけだったけど、仕事を引き受けたと知った途端に俺の両手を握ってくる。死安さん、俺は男に両手を握られて喜ぶ趣味はないんだけど?


「そ、そうですか……とりあえず行ってきますね?」

「うん!よろしく頼むよ!あ、これ、資料ね」

「は、はい」


 何はともあれ俺は死安さんから資料を受け取り、リビングを出た。


「両親や茉央、美緒がいる前じゃ言えないよなぁ……」


 玄関で靴を履きながらふと考える。俺の両親や茉央と美緒が自分達の死をすんなり受け入れたとはいえ、死神の仕事内容はさすがに教えられない。両親からしてみれば自分の息子が。茉央からしてみれば自分の兄が、美緒からしてみれば自分の幼馴染が人を殺す仕事をしていると知れば絶対に止められる。こんな事は死安さんじゃなくても解る


「そうだなぁ~。死安さんからしてみれば父親である俺に対して息子さんに人殺しを頼みましただなんて言えないよなぁ~」

「そうなんだよ。死神の仕事とはいえ、人を殺さなきゃいけないからあんまり大声では言えないんだよ」

「だよなぁ……死安さん死神だし、死神の仕事の内容なんて言えないよなぁ」

「理解が早くて助かるぞ」


 あれ?さっきから俺は誰と話している?いや、それ以前に俺は一人でリビングから出てきたはずだ。それなのに誰かと会話するだなんてありえない。じゃあ、一体俺は誰と会話してるんだ?そう思った俺は声のする方向に顔を向けた


「親……父……?」

「洋平、とうとうボケたか?」


 顔を向けた先にはここにいて当たり前だと言わんばかりの顔をした親父がいた。俺からしてみればどうしてここにいるのかを聞きたいところなんだけど?


「ボケたとかそんな事はどうでもいい。どうして親父がここにいるんだよ?」

「どうしてって面白そうだからに決まってるだろ!当たり前の事を聞くな!」


 どうして俺が怒られてるんだよ。しかも、面白そうだからって理由で付いて来るなよな。俺はこれから人を殺しに行くんだからよ


「面白そうだからって理由で付いて来られても困るんだけど?仮にも俺はこれから人を殺しに行くんだからよ」

「そんな事は知ってる。死安さんは死神なんだろ?その死神から頼まれる仕事って言えば人を殺しに行くか、人を甦らせるかのどっちかって相場が決まってるんだよ」


 そんな相場の決め方を俺は未だかつて聞いた事がないぞ


「あ、そう。それで?まさかとは思うが、連れてけとか言わないよな?」


 勝手について来てお袋や茉央、美緒はどうした?なんて聞くだけ時間の無駄だ。どうせ黙って出てきた事は目に見えている。問題なのは親父が付いて来るのかどうかだ。俺は神子から力を貰っているからいいとして、親父は何の力も持たない。それこそ異世界で襲われたら抵抗する力なんてない


「連れてけ」


 俺の予想通りだ。案の定連れてけと言い出した。


「俺は神子から力を貰っているから異世界で襲われても抵抗できるけど、親父は何の力も持ってないだろ。ダメだ」

「え~!連れてけよ~!」

「ダメだ」

「連れてけ」

「ダメだ!」

「連れてけ連れてけ連れてけ連れてけー!!」


 子供みたいなワガママ言うなよ……それに、そんな大声出したら……


「「「何事!?」」」


 ほら、騒ぎを聞きつけてお袋や茉央と美緒まで出てきたじゃないか


「洋平が異世界に連れて行ってくれないんだ」


 親父、その言い方じゃまるで俺が悪いみたいじゃないか


「「「それは洋平が悪い!!」」」


 揃いも揃って俺を悪者扱いしてきやがった……


「俺が悪いみたいな感じで話が進んでいるみたいだけどよ、親父達は異世界で襲われた時に抵抗できる力なんて持ってないだろ?それに、俺はこれから危険人物に会いに行くんだ。遊びに行くんじゃないぞ」


 俺は転生者を抹殺しに行くのであって遊びに行くんじゃない。そこのところを勘違いしないでほしいものだ


「その言い分だと俺達に異世界で襲われても抵抗できる力があれば連れて行ってくれるって言ってるように聞こえるぞ?」


 確かに今の言い方じゃそう捉えられても仕方ない。だけど、例え親父達が力を得ても俺は親父達を連れて行くつもりはない


「今の言い方じゃそう思われても無理はないと思うけど、俺は親父達を連れて行くつもりはないぞ?」


 連れてけと要求してきたのは親父一人だけだけど、親父含めて死神の仕事をしに行くのに俺の身内を同行させるつもりは微塵もない


「「「「連れてけ!!」」」」


 さっきまで連れてけって言ってたのが親父だけだったのに今度はお袋、茉央、美緒が参戦し、めんどくさいのが四人に増えた。勘弁してくれよ……


「ダメだ!」


 人を殺しに行くのに身内を連れて行くわけにはいかない。というか、仕事とはいえ人を殺す姿なんて見せられない


「洋平君、連れて行ってあげたら?」


 意外な事に死安さんが親父達の側に付いた。死安さん?ご自分の仕事がどんなのか十二分にご存じですよね?


「いや、死神の仕事をする場所に親父達を連れて行くわけには……」

「いいじゃないか。ご両親と茉央さん、美緒さんは異世界転生も天国に行く事も拒んだんだ。君と同じでね」

「そ、それはそうですけど……」

「どこで生活するかは未定として、同じ部屋で生活していたらいずれは知られる事だよ。隠しておくよりも早めに知られた方が楽だと思うけど?」


 同じ部屋で生活していたらいずれ知られる。そんな事は俺にだって解る。それに、隠し事は後でバレるよりも早めに知られた方がいいに決まっている。しかしだ。目の前で人が死ぬところを見せていいものだろうか?


「それはそうですけど、目の前で人が死ぬところを親父達に見せて耐えられるという保証がありません」


 目の前で人が死ぬところを見たいだなんて奴は歪んだ趣味の持ち主くらいだ。それに、親父は百歩譲って耐えられるとして、お袋や茉央と美緒が耐えられる保証はどこにもない


「そうかな?ところで洋平君はお父さんとお母さんの職業を知っているかな?」


 親父とお袋の職業?そう言えばちゃんと聞いた事はなかったな。ザックリとは聞いた事があってもちゃんと職業について聞いた事はなかった。別に秘密にされたとかじゃなく、純粋にちゃんと聞いた事がないのだ


「ザックリと聞いた事はあってもちゃんと聞いた事はありませんから知りません」


 親父達の仕事と死神の仕事に同行させる事と何の関係があるというんだ?


「洋平君……親の職業くらい把握しておこうよ……。それはいいとして、お父さんとお母さんの職業は外科のお医者さんだよ。それこそ手術で人の身体の中身なんて嫌と言う程見ているから平気だと思うけど?あ、ちなみに茉央ちゃんと美緒ちゃんの職業もお医者さんね」


 親父とお袋の職業が医者だとは知っていてもどこの科の医者かは具体的に聞いた事はなかった。それにしても、茉央と美緒はともかく、親父とお袋が同じ外科医だとは思わなかった。


「親父達が医者で同じ外科医で人の身体の中身を見慣れているのはいいとして、異世界に行くのには何等かの力が必要だと思うんですけど?」


 親父達が外科医だったという事と異世界に連れて行く事は全く持って別問題だ。俺には親父達と異世界に行って守りきれる自信がない。どうしても付いて来ると言うなら自分の身を守れる程度の力は身につけてきてからにしてほしい。上から目線になってしまうけど、最初に行った世界で俺は身に染みて理解している。異世界は平和な世界ばかりじゃないって事をな

今回は洋平が怒られてごねられる話でした

前半では怒られ、後半はごねられる。洋平にとって今回の話は踏んだり蹴ったりだったようです

感想等があれば気軽に感想欄へ書いていただけると嬉しいです!

感想を書くついでに評価して頂けると作者のモチベーション向上になるので宜しくお願いします


今回は最後まで読んで頂きありがとうございました!

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