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最初に迎えた死者が思いっきり俺の身内なんだが

今回は洋平の死者を迎える仕事初体験の話です

今までは異世界に行ってばかりでしたが、今回は初の死者を迎える仕事です。洋平の身内とは……

では、どうぞ

 俺が神子の部屋にやって来てからどれくらいの時が経っただろうか?一週間?一か月?いや、一年か?この部屋にいると時間の感覚が狂う。神様の部屋だから当たり前と言ったら当たり前なんだけど。さて、どうして俺がこんな話をしているのかというとだな、俺は最近、とある悩みがあるからだ


「なぁ、神子」

「ん?どうしたの?洋平」


 俺達はテーブルを囲み、向かい合う形で座り、茶を啜る。これはいつもと同じ光景だ。しかし、今回はただ茶を啜るわけじゃない。これまで俺はいろんな世界に行き、転生者や異世界人に物を届けたり、悩みを聞きに行ったりした。だけど、そんな俺にだって悩みや疑問がある


「俺ってこの部屋に来てからどれくらい経つんだ?」

「あっ!あー、どれくらいだろ?考えた事なかった」

「え?マジで?」

「うん、マジで。そもそも、私達神は時間の概念がないし、洋平以外でここに居座りたいって人いないから深く考えてなかった」


 Oh、ナンテコッタイ。いや、自分でも異世界転生拒否した変な奴だって自覚はあるんだよ?でもなぁ……さすがに時間の感覚がないとお使いをする方としては困るんだけど……


「神子や死安さんは神だからいいとして、俺は元々、普通の人間だったんだ。時間の感覚が狂うのは勘弁してほしいんだけど?」


 俺はこの部屋に来るまでは普通の人間だった。この部屋に来て神子の力を得た時から普通の人間じゃなくなったけどな


「う~ん、そう言われてもなぁ……時間だけは私の力を持ってしてもどうしようもないんだよなぁ……」


 神の力を持ってしても時間の流れとかはどうにもできない。そんなの考えるまでもないじゃないか


「それを言われると俺は何も言えないけど、せめて時間間隔が狂わない方法とか知らないか?」


 時を巻き戻せとは言わないけど、時間の感覚が狂うのだけは防ぎたい


「そう言われても時間の感覚を狂わせない方法なんて知らないからいいアドバイスができないよ」


 いくら神様と言えど人の感覚に鑑賞できるほど絶対的な力はないって事ね。はぁ、神様がお手上げなんだから死神様も同じだろう。この際、感覚が狂うのは諦めよう


「神子がそう言うって事は死安さんも同じだろうから時間間隔の事は諦める。神様ができない事を無理にどうこう言っても仕方ないしな」


 最近の若者はすぐに物事を諦め気味だ。ニュースとかでこういう話題の特集がある。俺もすぐに諦めた。やってもいないのに。が、考えてほしい。全知全能と言われた神でさえできない事があるんだ。普通の人間だった俺に時間を遡ったりできると思うか?答えは否だ


「ご、ごめんね?力になれなくて」

「別にいいさ。神子にだってできない事くらいあるだろうし、仮にできたとしても掟か何かで人間には教えられないって事だってあるだろ?それを俺が無理に聞くのは野暮ってものだ」


 人間に法律がるように神子達にも掟がある。掟によって俺に言えない事だってあるだろうから無理に聞き出すような真似はしない。俺はそういった部分に関しては割り切る男だ


「洋平、気を使ってくれるのはありがたいけど、掟とか関係なしに時間に関しては何もできないんだよ」

「そうなの?」

「うん。だって、時間を自由に遡る事をしたら世界の歴史が変わっちゃうでしょ?」

「そりゃそうだな。未来を知っている奴が過去に干渉したら歴史が変わるだなんて事は小学生でも解る」

「神だからって言って時間関係の力は持ってないんだよ。歴史を変えたりしない為にね」


 俺は前に一度死安さんに連れられて転生者を殺しに行った事がある。その時にも言ってたような気がするけど、世界の歴史を変えるのはご法度って言われた。俺の記憶が正しければ


「そうだったのか。悪かったな。無理な事言って」

「ううん、いいよ。普通の人間だった洋平が変だと思うのは当たり前だし」

「そう言ってもらえると幾分か楽になる」


 俺は何だかんだで神子に救われた部分が多い。死んだと聞かされた時はふざけんなと思ったし、それで異世界に届け物をしろって言われた時は態度がデカい女だとも思った。けど、何だかんだで神子と一緒にいるのは楽しい


「そっか。ところで洋平」

「ん?何だ?」


 まさか、このタイミングで異世界に行けとか言わないよな?前回の特撮ヒーローの世界に行ってから異世界には行きたくないんだけど?


「今回は死者の人が来るんだけど、洋平も一緒に会う?」

「ああ。いつもは異世界に行くばかりだけど、死者に会うのも悪くない。会わせてくれ」


 いつもは異世界に行くばかりだった。しかし、たまには異世界に行かずに死者に会うのも悪くないと思った俺は神子の提案を受け入れた。決して毎回毎回、異世界に行くのが面倒だから今回は死者との対面でよかったとか思ってないぞ?


「わかった。でも、その死者を見ても驚かないでね?」

「あ、ああ、わかった」


 死者に会う。言い方は変だけど、俺の世界に当てはめて考えれば人と会うだけだ。そこに驚く要素があるのか?まぁ、俺に片思いしている人と会うって聞かされてどんな人か想像してたら実は身近な人でしたとかなら驚くけど、死者が俺の身近な人だったなんて事はそうある事じゃないと思う


「本当に驚かないでね?」

「わかってるって」


 何を思ったのか、念押しする神子。しつこいな……今まで異世界に行っていろんな人と出会った俺が今更どんな人が現れても驚かない


「じゃあ、死者の人を呼ぶけど、いいよね?」

「ああ」

「あ、その前にテーブル退かさないとね」


 拍子抜けだ。死者が何人いるのかは知らないけど、狭い部屋じゃないんだから人を呼ぶくらいでテーブルを退かす必要があるとは思えない


「とりあえずテーブル退かしたぞ?」


 俺は神子の指示に従い、テーブルを部屋の端へと退かし、神子は俺がテーブルを退かしている間に死者を呼ぶ準備を整え終えていた


「ありがとう!じゃあ、早速呼ぶね?」

「おう」


 俺は平静を装いながらも内心ワクワクしていた。小説なんかだと目が覚めたら目の前に神様がいたって場面はよく見るけど、実際に死者が神様の元へ来る場面なんて簡単に見れるものじゃない


「死者よ我が元へ来たれ」


 神子の声と共に地面から死者の人達が現れた。俺の時は俺一人だけだったけど、今回は四人同時らしい。男一人に女三人。組み合わせとしては珍しいものでも何でもない。だけど、問題なのはその死者の顔だ。この顔は見た事がある。っていうか、これ、俺の家族と幼馴染なんだけど?どういう事?


「あの……神子さん?」

「ん?何?洋平?」

「この人達って……」


 俺は横たわる四人の男女について聞く。俺の記憶が間違ってなかったらこの人達は俺の家族と幼馴染だ


「うん、洋平の家族と幼馴染だよ?」

「やっぱり……」

「私、最初に言ったよね?驚かないでね?って」

「いや、言われたけど……はぁ~」


 神子から最初に驚くなとは言われてたけど、まさか、自分の家族と幼馴染だとは思いもよらない


「どうしたの?溜息なんて吐いて」

「初めての死者を案内する体験で家族や幼馴染と対面してどうしていいかわからないんだよ」


 これが全く知らない奴だったら俺は不謹慎かもしれないけど、多分、感激していた。しかし、それが家族となるとリアクションに困る。何?これ、笑うとこ?


「とりあえず平常心を保てばいいと思うよ?」


 いや、平常心って言われてもなぁ……まぁ、来たものは仕方ないからいいとして、俺の家族と幼馴染はまだ目が覚めないてない。これからどうするんだ?


「来たものはしょうがないとして、俺の家族と幼馴染は目が覚めてないようなんだけど、これからどうするんだ?無理矢理にでも起こすのか?」

「そんな事しないよ。目が覚めるまで待つ」

「そうか。それで、いつ目が覚めるんだ?」

「さぁ?そのうち目が覚めると思うよ?」

「あ、そう。で、目が覚めるのを待っている間どうするんだ?異世界の様子でも見るのか?」


 かつて俺も同じ迎え入れてもらう立場だった。しかし、今回は迎え入れる立場だ。目が覚めるのを待つのはいいとして、その間に何もしないというのは退屈な事この上ない


「死者がいる時は異世界の様子は見ないよ。待ってる間は好きな事をして過ごすの。洋平が初めてここに来た時はお料理してたし」


 言われてみればそうだ。俺が初めてこの部屋で目覚めた時に神子はキッチンの方からやって来た。しかも、エプロン姿で。つまり、死者が目覚める間は本当に好きな事をしていていいという事か


「そういえばそうだな。しかしだ、神子」

「何?」

「この部屋には暇を潰せる娯楽の類が全くない。そんな時はどうすればいいんだ?」

「え?私とイチャつく?」


 どうしたら娯楽がない代わりに神子とイチャつくって思考になるのか俺には全く持って理解できない


「いや、それマズくない?目が覚めたら男女がイチャつくところ見せられるって拷問じゃない?」

「いや……なの……?」


 神子とイチャつくのは嫌じゃない。しかし、それとこれとは話が別だ。目が覚めたら男女がイチャついてましたとか、誰得だよ?


「嫌じゃない。しかし、目が覚めたら男女がイチャついてたら見せられる方としては嫌じゃないか?」

「そ、それは……そうだけど……」


 俺とイチャつけないのがそんなに悲しいのか、ションボリしている神子。イチャつけない代わりに俺はとある疑問をぶつけようと思う。でも、ションボリしている自分の彼女を放ってはおけないので俺は神子を抱きしめる事にした


「神子、今は抱きしめるだけで我慢してくれ」

「うん……」

「それで、俺の身内が死者としてここへ来たわけだが、記憶とかはどうなっている?」


 俺はここへ来た当初、神子に身内から俺に関する記憶を消してくれと頼んだ。神子は俺の言った通りに記憶を消してくれた。それはいいとしてだ。こうして死者としてここへ来たらどうなっているか……


「あー、うん、記憶は戻っているよ?」


 いつもなら抱き合ったら必ずと言っていいほど見つめ合う形になるのだけど、今は神子が俺から目を反らし、心なしか冷や汗も掻いている。こりゃ何か後ろめたい事があるな。きっと


今回は洋平の死者を迎える仕事初体験の話でした

異世界に行く以外の仕事では初ですが、それが家族と幼馴染とは……


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今回は最後まで読んで頂きありがとうございました!

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