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オフィス街にリサイクルショップがあったんだが

今回はパワーアップアイテムを買いに行く話です

トレーディングカードゲームの世界同様、今回もどうでもいい知識が入っております

では、どうぞ

「本当に女になった……」

「いや、それ神子ちゃんだし」


 俺は死安さんに言われた通り、女になりたいと念じ、女になった。最初は自分が女になったなんて実感なかったけど、自分の下半身に男性特有のものがない事と、ぺったんこな胸に膨らみがある事によって俺は女になったんだと実感した。だけど、神子だって言われるのは何でだろう?


「そんなバカな……」

「嘘じゃないよ。ホラ」


 死安さんは懐から鏡を取り出し俺に見せてきた。


「本当だ……神子になってる……」

「洋平君、言いたくはないけど、どんだけ神子ちゃん好きなの?」


 そんな事言われても俺は神子になりたいと思って念じたわけじゃないしなぁ……ただ、女になりたいと思っただけなんだけど……無意識のうちに俺は女=神子という構図を思い浮かべていたのかもしれない


「神子の事は好きですが、俺は神子になりたいと思ったわけじゃないですよ?」

「う、うん、多分、洋平君に最も近い女性が神子ちゃんだったってだけだよね?大丈夫だよ。お兄さんは全部理解してるから」


 全部理解しているのなら生暖かい視線を向けないでもらえませんか?


「死安さん、言葉と目つきが合ってませんよ?」

「そ、それより、早く目的のものを買いに行こうか!」


 図星だったのか、俺の問いを無視して歩き出す死安さん。そして、追いかける形で後を追う俺。


「行くのはいいんですけど、死安さんは何を買えばいいのか知ってるんですか?」


 俺は転生者が特撮ドラマの世界に行った事は知っている。だけど、その特撮ドラマの題名を知らないし、パワーアップアイテムがどんなものなのかを知らないのは当たり前の事だった


「知ってるよ。だから安心してついて来てよ!」

「知ってるならいいんですけど……」


 死安さんが知っているのなら安心だ。俺はついて行くだけだし。それに、俺は元の世界の金は持っていない。死安さんと一緒に行った世界もそうだけど、俺は基本的に異世界の金は持たずに異世界に放り出される。まぁ、必要な物を届けるだけだから異世界で金を稼ぐ必要なんてないからいいけどな


「どう?久々に元の世界に戻って来た気分は?」


 俺は久々に元の世界に戻ってきたけど、なぜか特にこれと言った感想がない。いろんな世界に行ったからか、それとも、俺自身、元の世界に対しての執着が薄れてきているのか?それにしてもどうして高層ビルが多いオフィス街に来るようにしたんだろう?


「特にこれと言った感想はないですね。いろんな世界に行ったからなのか、それとも、この世界に対しての執着が薄れてきているのかは知りませんが」

「それならいいけど、それじゃ、行こうか?」

「はい。ところで、どうして高層ビルが多いオフィス街に来るようにしたんですか?買うのってオモチャですよね?」


 特撮ドラマのパワーアップアイテム。この世界では単なる子供のオモチャに過ぎない。つまり、高層ビルが立ち並ぶオフィス街にいても意味はない。


「そうだけど、このオフィス街からそのアイテムが売ってる場所が近いんだよ」


 オフィス街から近い場所にオモチャ屋があるだなんて話はあまり聞いた事がない。そりゃ、洋服店くらいならあると思うけど


「オフィス街から近い場所にオモチャ屋があるだなんて話をあまり聞いた事がないんですけど……」

「ん?洋平君は勘違いしているみたいだけど、僕達がこれから行くのはオモチャ屋じゃないよ?」

「え?だってオモチャを買いに行くんですよね?だったらオモチャ屋じゃないんですか?」

「違うよ。僕達がこれから行くのはリサイクルショップだよ」

「はい?」


 どうしてリサイクルショップなのかが理解できない。リサイクルショップにもオモチャは売っている。しかし、どうしてオモチャ屋じゃなく、リサイクルショップなんだろう?


「オフィス街に出てきたから洋平君は勘違いしていると思うけど、この世界は君が死んでから十年経ってるんだよ。転生者の人が観ていた特撮ドラマが放送していたのはこの世界では十年も昔の事なんだよ。そんな十年前に放送していた時に出たものがリアルタイムでオモチャ屋に売ってるわけないでしょ」


 前に神子から異世界と神子の部屋とは流れる時間の早さが違うなんて話を聞いた事がある。当然、俺がいたこの世界でもそれが通用しないわけがないって事をすっかり忘れていた


「そ、そうでした……忘れてました」

「違和感を感じないのも無理はないよ。田舎町とかならいざ知らず。オフィス街なんて早々変化するものじゃないしね」


 笑顔で俺のフォローをしてくれる死安さん。だけど、俺にはどうしても解らない事が一つだけある


「どうしてオフィス街に出たんですか?」


 そう、どうして死安さんがオフィス街に出てきたか?だ。オフィス街に出て来なければ俺はこの世界で十年の時が流れた事に気が付いたかもしれない


「洋平君のいた街でもよかったんだけど、それじゃ洋平君が家族と遭遇したときに思い出さなくてもいい事を思い出しちゃうでしょ?」


 俺が思い出さなくてもいい事。直接言われなくても容易に理解できる。それは家族の事だったり、学校の友人の事だ。


「そりゃそうですけど、あっちは俺の事なんて覚えてないでしょ?神子が記憶を消したんだから」


 俺は死んで異世界転生を拒否し、神子の部屋に居座ると決めた時に家族や友人達の記憶を消してもらうように頼んだ。そして、神子が俺と関わった人間の記憶を消したという事は当事者である俺が確認している。


「そうだね。確かに神子ちゃんは洋平君の言った通り記憶を消したけど、人の思いっていうのは時として神の力をも凌駕する事だってあるから不用意に洋平君を家族や友人に近づけるわけにはいかないんだよ。ごめんね?」


 人の思いは時として神の力をも凌駕するか……絶対にそんな事ないだなんて言いきれないから死安さんの言う事を一概には否定できない


「いえ、俺が死んだことを思い出さないようにしてくれた事、ありがとうございます」

「これも神を名乗る者の勤めだからね。それより、着いたよ」


 死安さんは一件の建物の前で立ち止まった。オフィス街にリサイクルショップがあるだなんて意外だけど、買うものを買って用事が早く済めばそれに越した事はない


「こ、ここですか……?」

「うん」


 店の前に来て俺は言葉が出ない。目の前の建物は高層ビルが多く建つオフィス街とは無縁とも言える外見。和風の建物。そして、看板には『隠れ壮』の文字。こういう建物ってオフィス街よりも商店街にあった方が違和感ないんじゃないのか?


「周りが高層ビルなのにここだけ和風なんですけど?」

「うん。でもここはリサイクルショップだよ?」

「いやいや……」


 看板には『隠れ壮』ってしか書いてない。ぶっちゃけ、リサイクルショップってよりも和菓子屋って言われた方がまだ納得がいく。名前はともかくとして


「信じられない気持ちは解るけど、リサイクルショップなんだよ」

「は、はあ……とりあえず入りましょう?」

「そうだね」


 店の前でこの店がリサイクルショップか否かなんて不毛な言い合いをしているよりも店の中に入ってみて合ってたら合ってたでいいし、違ったら違ったで別の店を探せばいい。とにかく、俺は店の中に早く入りたい


「ほ、本当にリサイクルショップだったんですね……」


 店の中に入って外見と名前はともかく、この店が本当にリサイクルショップだという事に驚きを隠せない。しかも、店の中を軽く見回してみると結構懐かしいオモチャが売ってたりする。


「うん。じゃあ、僕は目的のものを買ってくるから洋平君は店の中を見て来ていいよ」

「は、はい……」


 店の中を見て来ていいと言われてもなぁ……俺は特別、トレーディングカードゲームをしていたわけでも特撮が好きなわけでもない。洋服に気を使っていたというわけでもない。店の中を見て来ていいって言われてもただ店を歩き回るくらいしかできない


「こういう時にこれと言った趣味がないのは痛いな」


 トレーディングカードゲームが趣味ならそのコーナーへ行くし、特撮なら昔の変身アイテムとかを見に行くんだけど、そのどちらにも特に興味はないからなぁ……


「死安さんが目的のものを買って来るまでブラブラしてますか」


 特に見たいものがない俺は店の中を適当に歩き回った。


「結構いろいろあるんだな」


 店の中を歩き回ってわかった事はオフィス街のリサイクルショップでもいろいろあるという事だけだった。


「お待たせ、洋平君」


 袋を持った死安さんが現れた。


「もう終わったんですか?」

「うん。オモチャ一つ買うだけだからね。それより、洋平君は何か目ぼしいものは見つかった?」

「いえ。俺はトレーディングカードゲームにもオモチャにも興味ありませんし、服とかにも特別気を使っていたわけじゃなかったので」

「そっか。じゃあ、出ようか?」

「はい」


 俺と死安さんは店から出た。死安さんは転生者が必要としているものが何かを解っているから買い物はすぐに終わった。あとは帰るだけだ


「特撮ドラマのオモチャって意外と高いんだね」


 オフィス街を歩いていると死安さんがいきなりこんな事を言いだした。


「そりゃ十年前のものでも普通のオモチャ屋には売ってないですし、多少状態が悪くてもそれなりの値打ちは付きますよ」

「そうなの?僕、こういうの疎くてよくわからないんだけど……」

「リアルタイムで放送している時には四千円~五千円だったとしても、放送終了後の作品のものは高いですよ。まぁ、状態にもよりますけど」


 オモチャもそうだけど、リサイクルショップで買ったものっていうのは誰かが一度使ったものだ。それを売った人がものを大事にする人ならば状態はいい。しかし、ものを大事にしない人だったら状態は悪い。


「そうなんだ。意外と詳しいんだね」

「友達の受け売りですよ。俺の友達に特撮マニアがいたんで」


 俺の知っている知識はほとんどが友達からの受け売りだ。だから、詳しく教えてくれと言われても困る。


「洋平君はいろんな友達がいたんだね。やっぱり神子ちゃんの目は確かだったみたいだ」

「何がでしょうか?」

「ううん、何でもないよ。それより、扉を開くよ?」

「はい、お願いします」


 神子の目が確かだったという言葉の真意はわからないし、それは今聞く事じゃないと思う。


「じゃあ、帰ろうか」

「はい」


 俺と死安さんは扉を潜り、神子の部屋へと帰った。死安さんが買ったオモチャが何かってのは気になりはするけど、それを確認するのは神子の部屋でもいい


「よし、もう元の姿に戻っても大丈夫だよ」


 ようやく女から男に戻れる……買い物を含めて元の世界にいた時間は短いものだろうけど、俺からしてみればえらく長く感じた。


「ようやく元に戻れる……」


 俺は元に戻りたいと念じ、元の姿に戻る事ができた。念のために下半身を確かめてみたけど、男の証であるものが付いていたし、胸も元通りになっていた。さて、後は神子の部屋に帰るだけだ

今回はパワーアップアイテムを買いに行く話でした

今回もトレーディングカードゲームの世界同様にどうでもいい知識を入れてみました。次回もその知識が入るかもしれません


感想等があれば気軽に感想欄へ書いていただけると嬉しいです!

感想を書くついでに評価して頂けると作者のモチベーション向上になるので宜しくお願いします


今回は最後まで読んで頂きありがとうございました!

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