渡したカードの名前が意外過ぎたんだが
今回は渡したカードの名前が意外だった話です
切り札がアレなので渡したカードの名前もネタに走ってみました
では、どうぞ
神子がデレデレになって俺に甘えてきたのはいいとして、俺が去った後、詩央君がどうなったかが気になっていた。俺は神子の力が宿ったカードをちゃんと見てないからそういった意味でも詩央君の様子はちゃんと見ておきたい
「神子……詩央君の様子を見たいんだけど」
「え~!私よりも詩央君の方が大事なの~?」
俺の腕に抱き着いている神子は何やら不満気な表情をしている。神子さん?男相手に嫉妬ですか?
「神子の方が大事だけど、俺が帰ってきた後で詩央君がどうしたかが気になるんだよ」
俺が去った後、一年は経過しているだろうから詩央君が戦っているところを見られないのが非常に残念だ。まぁ、神子の力が宿ったカードの名前が知れれば俺はそれでいいんだけど
「詩央君の世界は洋平と会った時から一年は経過していると思うけど、それでもいいの?」
「ああ、俺は詩央君がちゃんと試練を乗り越えられたか確認できればそれでいいからな。一年経過しているくらいが丁度いい」
「それならいいけど」
神子は腕に抱き着いたままリモコンでテレビの電源を入れ、詩央君の世界にチャンネルを合わせた。
『ようやく終わった……』
『詩央……』
俺が見た場面はおそらく詩央君が最後の戦いを終えた後らしい。って事はいろいろな苦難を乗り越えたらしい。じゃないと詩音さんと見つめ合ってるはずがない
「詩央君、苦難を乗り越えられたようでよかったね」
「そうだな」
俺と同じようにテレビを観ていた神子は笑顔だ。転生者が苦難を乗り越えて成長するのは神様的にも嬉しい事なんだな
『それにしても、神様の力が宿ったカードの名前を見た時はビックリしたな~』
『そうだね』
詩央君と詩音さんの会話はいつの間にか俺が渡したカードの話題になっていた。俺はカードの名前どころかどんなカードかすら知らなかったから興味深い
『まさか神様の力の宿ったカードの名前が『洋平への愛』だったなんてね~』
『うん、あのカードを引いた時にはビックリしたけど、コストはそんなに高くなかったし、名前こそフザケタものだけど、効果は相手の場にあるカードを全て破壊した後で相手のライフを三つ削りその後で自分のライフを五つ回復するだったからよかったよ』
詩音さんと詩央君の会話を聞いて俺は恥ずかしくなった。それと同時に神子に聞く事ができたみたいだ
「…………神子、どういう事か説明してもらおうか?」
「はい………」
俺の腕に抱き着いているのは変わらない。しかし、俺と目を合わせようとしない神子。別に俺は怒ってはいないし、説明を聞いて怒るつもりもない
「神子?」
「え~っと、詩央君は私の力が宿ったカードがあればいいって洋平は言ったよね?」
「ああ、言ったな」
「神様の力が宿ったカードは最悪の場合、詩央君を変えてしまいかねないから一戦終わったら消えるようにしろって洋平に言われたからそうなるようにした。だけど、名前をどうしろって言われてなかったし、詩央君の切り札が『音痴ゴリラ』だったから私の力が宿ったカードの名前も多少ネタに走ってもいいかなぁなんて思って……」
確かに、詩央君の切り札は『音痴ゴリラ』という切り札のカードらしからぬ名前だったし、俺は神子に神様の力が宿ったカードですぐに消える仕掛けをしろとは言ったけど、名前についての注文はしていない。俺が怒る事はお門違いだ
「名前についての注文をしてなかった俺も悪いし、『音痴ゴリラ』だなんてカードを切り札にしている人間のデッキに入れるカードだから多少ネタに走ってもいいとは思う。しかし……しかしなぁ~」
『音痴ゴリラ』だなんてカードが切り札ならデッキのカードはネタ的な名前のカードが多いと思う。そこにカッコいい名前のカードが入っていたら違和感しかないし、誰かから貰ったと怪しまれる。これでよかったとも思うけど、それでもなぁ……
「だ、ダメだった……?」
上目遣いで俺を見る神子。そんな泣きそうな目で見られたら強く言えないじゃないか……
「聞いた時は恥ずかしかったけど、詩央君のデッキの内容を考えたらカッコいい名前のカードよりはネタ的な名前のカードの方がよかったと思うから何も問題はない」
「洋平!!」
先程まで泣きそうな表情だったのに今度は急に笑顔になるだなんて神子は忙しいな
「詩央君が無事に困難を乗り越えたと解ったからテレビは消していいぞ」
「そうだね。これからの事は詩央君達の問題だもんね」
神子はテレビを消した。これからの事は詩央君達の物語だ。俺達が面倒を見る必要はないだろう
「今回はいろいろと面倒だったな」
テレビが消えて余計な雑音がなくなった部屋で今回の事を振り返る。今回の世界は人間関係でのイザコザはなかったけど、カードゲームメインの世界だった。ルールを調べたりするのは面倒だった
「そ、そうだね……私は詩央君に言われた通りのものを用意しただけだったけど、いざ、カードを作るとなるとルールをちゃんと覚えなきゃいけないって理解したよ」
今回の事で俺は全く手を付けていないジャンルの事は事前に調べなきゃならないという事を実感したし、神子は神子で用意はできるけど、実際にカードゲームのカードを作るとなるとルールを覚えなきゃいけないって事を学んだ
「まぁ、カードゲームに限定して言えばどんなカードにも弱点はある。詩央君みたいにカードゲームメインの世界に転生した人には是非ともそれを見つけてほしいものだ」
カードゲームのカードにはどんなものでも弱点となる穴がある。デッキでもそうだ。相性のいいデッキと相性の悪いデッキがある。カードゲームメインの世界に転生した人達には自分の力でそれを見つけてほしいと俺は思う
「そうだね……私はカードゲームは詳しくないけど」
俺のいた世界ではカードゲームは男子の遊びだ。稀に女性プレイヤーがいるし、女性のみの大会とかも開かれているらしい。それでも、男性プレイヤーに比べて女性プレイヤーの数はそんなに多くない。いたとしてもその女は彼氏持ちだったりする場合がある
「まぁ、俺自身カードゲームをする方じゃなかったし、神子は転生者を異世界に送る仕事でカードゲームなんてしている暇はなかっただろうから詳しくないのも無理はないさ」
「うん……ねえ、洋平?」
「何だ?」
「私はカードゲームを覚えた方がいいかな?」
「唐突だな」
「や、やっぱり?」
神子がどうしてカードゲームを覚えた方がいいか聞いてくるのかは知らない。だけど、トレーディングカードゲームという事であれば無理に覚える必要はない。種類も多いし
「ああ。唐突だ」
「で、どうなの?私はカードゲームを覚えた方がいいの?」
真っ直ぐ俺を見る神子
「トレーディングカードゲームという事なら無理に覚える必要はない。種類が多い分、覚えるのが大変だしな」
「そっか……」
「ああ」
何かを学ぶ事は悪い事じゃない。だけど、興味のない事を学ぶのは大変だ。
「それにしても、暇だね~」
「そうだな」
詩央君がいる世界の様子も確認し終えた。今回の世界についての話し合いも終えた。つまり、俺達は暇を持て余している。かと言ってこれから別の世界に行く気力なんてない
「洋平、これからどうしよっか?」
「どうしようと言われても特にしたい事もないし、別の世界に行く気力もない。強いて言うならこうして神子とのんびりしていたい」
体力がないわけじゃない。しかし、異世界に行くとなると下調べもしないといけない事態があるとなると面倒なだけで
「そっか……じゃあ、一緒に寝よっか?」
「え?」
「だから、一緒に寝ようって言ったの!」
聞こえなかったわけじゃない。聞こえてたからこそ聞き返したんだ。今の言葉は神様の口から出ていい言葉じゃないぞ?俺の彼女としての言葉なら嬉しくて飛び上がりそうになるけど
「聞こえなかったわけじゃない。ただ、神様的には異世界の様子を確認しなくていいのかと思っただけで」
専業主婦だって休みは必要だ。専業主婦は一年間、働いている。それこそ休みなしにだ。それは神子も同じだ。どこかの世界で死者が出てこの部屋にやって来た時にはその人間が望んでいるものを与え、異世界に転生させるし、異世界で何かないか監視しなきゃいけない。その仕事に休みはない。そんな神子の口から一緒に寝ようだなんて言葉が出るのは意外な事だ
「いいの!私だって休みたいし、仕事の事を忘れたい時だってあるんだよ!」
神子の言う事にも一理ある。神様だって休みたいと思うし、仕事の事を忘れたいと思う時だってある。それを咎める権利は俺にはない。
「神様にだって休息は必要だよな」
「うん!」
俺と神子は寝室へ移動した。今回は抱っこを要求される事はなく、普通に歩いて移動したけど、その分、ベッドに入ったらどんな要求をされるか……
「腕枕して」
ベッドに入った途端に腕枕を要求される俺。最初に会った時とはえらい違いだな……最初に会った時の神子はもうちょっと遠慮してたぞ?
「仰せのとおりに」
別に拒否する理由もないから了承する。しかし、こんな事を続けているといずれ俺の理性が崩壊しかねない
「えへへ~」
俺の腕枕を幸せそうに堪能している神子を見ると手を出す事に対して罪悪感が芽生えてしまう。
「幸せそうだな」
「うん!幸せだよ!」
俺なんかの腕枕で幸せか……絶対的な力を持つ神だからこそこんなちっぽけな事で幸せだと感じられるのか、それとも、今まで恋人の類がいなかったから故に感じられる幸せなのか……まぁ、どっちでもいいか。今がよければ
今回は渡したカードの名前が意外だった話でした
切り札のカード名がネタ要素満載だったので渡したカードの名前もネタに走ってみました!
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