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死安さんの部屋に初めて行ったんだが

今回は死安の部屋に初めて行く話です

死安の部屋はどんな感じなのでしょうか?

では、どうぞ

 神子からのいきなり過ぎる告白。一目惚れなんて言葉があるくらいだから俺にとってはいきなりかもしれないけど、神子にとっては前から俺の事を好きだったのかもしれない。けど、当事者からしてみれば展開が急過ぎてついて行けない。長々と喋ったけど、結論、どうしてこうなった?


「あの~?神子さん?」

「ん~?何?洋平?」


 いや、何じゃなくて、どうして神子は俺に猫よろしく俺に擦りついてるの?さっきまでそんなんじゃなかったよね?


「どうして俺に擦りついてるのかな?」

「彼女が彼氏に擦り寄ったら悪い?」

「……………………………………いや、悪くないです」


 俺は神子の尻に敷かれる運命にある。それを今、実感した。だけど、俺は神子がどうして自分を好きだって言えるのか、その理由を知りたいんだけど


「今の間が気になるけど、それは聞かないであげる。私って優しいから」


 本当に優しい奴は自分で優しいだなんて言わないんだけど……それはまぁいいや


「そうだね、神子は優しいね」

「むぅ~、投げやりだなぁ~」

「悪かったな、俺は元々こういう性格なんだよ」


 俺は昔から愛想がいい方じゃない。親戚の集まりでもワイワイする方じゃなく、どちらかと言うと一人で読書しているタイプだし、友達だって多い方じゃなかった。まぁ、そんな俺に話し掛けてきたのは幼い頃に爺ちゃん家に遊びに行って俺が一人で遊んでいた時に出会った当時、高校生くらいのお姉さんだけだった


「むぅ~、でも、そこも好きになったんだけどね」

「そうかい、ありがとう」


 神子が俺を好きになった理由もそうだけど、死安さんが言っていた俺の過去についても気になる。人間の過去を見る方法って何かないかな?


「どうしたの?さっきから難しい顔してるけど?」


 考え事をしている俺の顔を横から覗き込む神子


「あ、いや、人間の過去を見る方法ってないかな?って思ってな」


 いくら神様といえど人の過去を見る力なんて持ってるはずないか……


「私には人の過去を見る力や術はないけど、死安なら持ってるよ?」

「そ、そうなのか……でも、その死安さんの部屋に行く方法がわからないからどうしようもない」


 死安さんからはいつでも来ていいみたいな事を言われたけど、実際問題、死安さんの部屋に行く方法がわからないし、呼び出そうと思ってもどうしていいかわからない


「死安に用があるなら私、死安に連絡取るよ?」


 意外にも神子が死安さんに連絡を取ってくれると言い出した。


「え?じゃあ、頼んでもいいか?」

「うん!連絡してくるからちょっと待ってて!」

「わかった」


 神子はキッチンに向かって行った。その間、俺は神子の事について考える


「神子か……俺の彼女にしちゃ出来過ぎる女だよなぁ……ある一点を除いて」


 神子は俺の彼女にしちゃ出来過ぎている。ある一点、部屋の片づけができないところを除けば。だけど、見た目と性格はいいから付き合う分には申し分ない


「彼女かぁ……」


 俺は生まれてから死ぬまで彼女なんていた事がない。初恋がいつだったかすら覚えてない


「女の子と付き合った事のない俺は神子と上手く付き合って行けるのかな?」


 “彼女”なんて言ってるけど、実感がない。相手は俺を酔っ払った勢いで殺した女で神様だ。そんな女がどこにでもいる平凡な俺を好きになり、俺と付き合う意味がどこにある?


「誰かを好きになり、付き合う事に理由なんて本当に必要なのか?」


 俺はふと考える。一目惚れで付き合って結婚する人までいるんだ。誰かを好きになり、付き合うのに理由なんて必要ない。大事なのは本人達の気持ちだけだ




 洋平から死安に連絡を取るように頼まれ、私は死安に電話を掛ける。洋平にとってはいきなりの告白かもしれないけど、私はずっと前から洋平の事を知っている。そこそ洋平が赤ちゃんの頃から


「洋平に告白するの早かったかな……?」


 私は洋平の事をよく知っているけど、洋平は私の事をよく知らない。当たり前だよね……まだこの部屋に来たばっかりだし


「はぁ~、こんな事なら告白するの待てばよかった」


 受話器を持ったまま考え込む。洋平は死安に何を聞くつもりかも知らない。それが私にとっていい事か悪い事なのかも


「クヨクヨしても仕方ない!洋平を待たせちゃ悪いし、死安に電話しなきゃ!」


 私は死安の部屋の電話番号を入力し、死安に電話を掛ける


『もしもし、神子ちゃん?どうしたの?』

「洋平が用があるみたいなんだけど、死安の部屋に行く方法も死安と連絡する手段もないから私が代わりに電話したの。悪いけど、私の部屋まで洋平を迎えに来てくれないかな?」

『洋平君が僕に?何の用だろ?』

「何か過去が見たいとか言ってたからそれ関係なんじゃない?」

『…………なるほど、わかった。すぐ迎えに行くよ』

「お願いね」


 私は用件を伝えたので死安との通話を切った。洋平が過去が見たいと言う事を伝えたら納得した感じだったけど、死安は洋平が誰の過去を見たいのか解ったのかな?


「死安に伝える事は伝えたし、洋平の元へ戻ろっと」


 私は死安に伝える用件を伝え、それを聞いた死安はすぐに来るって言ってた事をリビングで待つ洋平に伝えに戻った




 神子がキッチンに行ってからどれくらい時間が経ったかな?この部屋に時計らしきものがないからどれくらい時間が経過したのかがわからない


「早く戻ってこないかな……」


 暇だ……やる事がないととてつもなく暇だ


「お待たせ!洋平!」


 神子がキッチンから戻ってきたみたいだ


「いや、そんなに待ってない。死安さんはどうだった?」

「すぐ来るって言ってたよ」

「わかった」


 神子の話じゃ死安さんはすぐ来るって言ってたけど、どれくらいで来るんだ?五分後?それとも、十分後?ダメだ……全く見当が付かない……


「あ、死安が来たみたい!ちょっと出てくるね!」

「用があるのは俺なんだし俺が出るよ」


 インターホンが鳴り、訪問者が来たことを知らせていた。神子が出ると言ってくれたけど、死安さんを呼びつけたのは俺だ。ここは俺が出るのが筋だろ


「ううん。洋平はここで座ってて。私が出てくるから」

「で、でも……」

「いいから!」

「は、はい……」

「じゃあ、行ってくるね」


 神子は半ば強引に俺を座らせ、死安さんを出迎えに行った


「神子ってあんなに強引だったか?」


 俺は神子と出会ってまだ間もないけど、今までの神子はあんなに強引じゃなかった。いきなり告白してきたのもそうだけど、どうしたんだ?神子のヤツ


「お待たせ、洋平君」

「いえ、待ってません」


 彼女との待ち合わせみたいになってるけど、相手が男だからトキメク要素が微塵もない


「そう?じゃあ、早速だけど、僕の部屋に行こうか?」

「はい。神子、ちょっと死安さんの部屋まで行ってくる」

「うん、行ってらっしゃい」


 神子に送り出され、俺と死安さんは玄関へと移動した


「神子ちゃん、用事が済んだら洋平君はすぐに返すよ」

「うん、すぐに返して」


 死安さん?神子さん?俺はものじゃないんだけど?


「わかってるよ。じゃあ、洋平君、行こうか?」

「はい。神子、行ってくる」

「うん」


 俺と死安さんは神子の部屋を出た


「死安さん、今回は突然呼び出してしまって申し訳ありませんでした」


 死安さんの部屋に向かう途中、俺は今回死安さんを呼び出してしまった事を謝罪した。用事があるならこちらから出向くべきなのに呼び出してしまったからな


「いいよ。別に。元はと言えばいつでも来ていいとか言って僕の部屋に来る手段や連絡する手段を教えてなかったんだし」


 そう言われると幾分か気が楽になる。


「そう言って頂けると助かります」

「でも、毎回毎回呼び出すのも呼び出されるのも面倒だし、コレを渡しておくよ」


 死安さんが懐から取り出し、俺はそれを渡された。邪魔にならないから受け取っておくけど、神子もそうだけど、神様の間じゃアクセサリーを渡すの流行ってるのか?


「何ですか?このブレスレット」

「僕の部屋に自由に出入りする為のブレスレットだよ」

「そうですか。それじゃありがたく受け取っておきます」


 死安さんの部屋を訪れる機会があるのかはわからないけど、万が一って事もある。それに、せっかくくれたんだ。返すのも悪いから貰っておく


「さて、着いたよ」


 目の前にはドアがあった。どうやらここが死安さんの部屋みたいだけど、神様のいる場所って雲の上とか神秘的な場所を思い浮かべてたんだけど、目の前にあるのはマンションとかで見かけるドア。神秘的って言葉からはかけ離れている


「な、なんか普通ですね」


 目の前のドアを見て俺は率直な感想を言ってしまった。神子もそうだけど、神様って普通の暮らしに憧れていたとか?


「イメージと違ったからガッカリした?」

「はい、神様の部屋の入口って襖とか、大きな扉とかを思い浮かべてたんで拍子抜けしました」

「はは、神様だから神秘的な場所に住んでるとは限らないよ。そんなの神話とか小説の中だけだよ」

「そのようですね」

「とにかく入ろう。立ち話もなんだ」

「はい」


 俺と死安さんは部屋の中へ入る。入口で立ち話をしていても俺の目的は果たせない


「……………」


 リビングに案内された俺はある意味で言葉が出なかった。部屋のドアもそうだけど、部屋の中も俺のイメージとはかけ離れていたからだ


「ドアもそうだけど、部屋の中もイメージと違っていて驚いたかい?」


 二人分の飲み物を持ってキッチンから戻ってきた死安さんに声を掛けられた


「はい、死神の部屋ってもうちょっとこう禍々しいんだと思ってましたけど、実際はそうじゃなかったので」


 死安さんの部屋は髑髏の置物とかはなく、あるのはテレビとパソコン、ベッドと言った俺の世界で一人暮らししている人の部屋と大差ない。転生者の魂を抜き取った場面を見せられたから死神だとは思う。だけど、この部屋を見ると死神かどうかを疑いたくなる


「さっきも言ったけど神秘的な住まいだってのは人間が勝手に付けたイメージだよ。それより、洋平君は過去を見たいらしいけど、誰の過去を見たいんだい?」


 そうだった。俺は過去の映像を見に来たんだった


「俺の過去です」

「洋平君の?別に見れない事はないけど、どうして?」


 死安さんは真剣な表情で尋ねてくる。今までは笑顔を絶やさなかった死安さんが真剣な表情で尋ねてくるって事は俺の過去には何か重要な出来事があったのかな?


「神子に告白されました。ですが、俺は神子から好かれる覚えも好かれる事をした覚えもありません。神子の方だって俺が好きだって素振りを一度たりとも見せた事なんてありませんでした。知りたいんです!神子が俺を好きだっていう理由を」


 一目惚れしたって言われたらそれまでだけど、でも俺は知りたい!神子が俺を好きだっていう理由を!


「一目惚れって可能性は考えないのかい?」

「考えました。ですが、それだけじゃない気がするんです!」

「そっか……わかった」


 死安さんはテレビを点け、チャンネルを合わせ始めた。この部屋にあるテレビは人の過去を見る事ができるのかな?


「洋平君、何歳くらいの過去を見たいんだい?」

「五歳くらいのをお願いします」

「どうして?」

「女子高生くらいのお姉さんに会ったのが五歳くらいだったんです」

「了解」


 死安さんがチャンネルを合わせると俺が五歳の頃の映像が映り始めた。これで死安さんに聞かれた事と神子から告白されたわけを知る事ができる



今回は死安の部屋に初めて行く話でした

死安の部屋は思ったよりも普通でした。死神だからといって禍々しいとは限りません


感想等があれば気軽に感想欄へ書いていただけると嬉しいです!

感想を書くついでに評価して頂けると作者のモチベーション向上になるので宜しくお願いします


今回は最後まで読んで頂きありがとうございました!

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