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死神の仕事が意外と早く終わったんだが

今回は死神の仕事が早く終わる話です

小物臭のする転生者はどんな結末を迎えるのか

では、どうぞ

「この家にいる転生者ってどんな人なんですか?」


 俺は今まで関わってきた転生者と異世界人の事を思い出しながら死安さんに尋ねた。大剣を届けた勇者はイケメンっていう程のイケメンじゃなかった。どちらかと言えばイケメンの部類に入る方だった。二人目の転生者はパッと見は普通の少年だけど、その世界で関わった女性には惹かれるものがあったのだろう。転生者じゃないけど、三人目は誰にでも優しい少年。その少年を好いてる幼馴染と義姉二人はその優しさが好きだと言っていた


「見た目は超イケメンだけど、性格は男女差別が激しい。ま、見た目だけよくて中身は最悪。黙っていたらモテる人って言ったところかな」

「うわぁ……一番質が悪いタイプじゃないですか」


 見た目も性格もいいのなら女性が放っておかないだろうけど、見た目に惹かれた挙句、性格が悪いんじゃどうしようもない


「うん。しかも、その転生者が勇者パーティーが苦労して封印したドラゴンの封印を解こうとしている」

「ん?今、封印って言いました?」

「うん」


 俺が最初に聞いた話ではドラゴンは『倒された』って言ってたけど、どうして今になって『封印された』って言ったんだろう?


「『倒された』と『封印された』じゃ状況が大きく異なると思うんですけど?」


『倒された』のであれば復活でもしない限り脅威にはならない。しかし、『封印された』のであれば何かのはずみで封印が解けるか、誰かが意図的に封印を解くんじゃないかという不安要素があるからぶっちゃけ脅威しかない。まぁ、ドラゴンの封印だから簡単に解けるものじゃないと思うけど


「洋平君の言う通りだし、最初に説明しなきゃいけなかったんだけど、ドラゴンは二体いて片方を倒す事に成功したんだけど、もう片方は勇者パーティーにドラゴンを倒す力が残っていないという事で仕方なく封印する事にしたんだよ」


 なるほど、最初の説明では倒された方のドラゴンの事しか説明されてなかったから俺はドラゴンが『倒された』と思っていた。しかし、実はドラゴンは二体いて片方が倒され、片方が封印された。そういう事らしいけど、死安さん、そうことは早く言ってほしかったよ……


「そうですか。死安さんの説明不足は後で問いただすとして、その転生者はどうやって封印されたドラゴンの事を知ったんですか?」


 RPGゲームだと村人とかから情報を得るんだけど、この家にいる転生者はどこで情報を入手したんだ?


「飲み屋だよ。この家にいる転生者は二十歳だから飲み屋に行っても何の問題もない。彼はそこで偶然出会った人に封印されたドラゴンの話を聞いた。そして、その後で勇者パーティーの女の子に告白してフラれた」

「あー、そういう事ですか……つまり、フラれた後でドラゴンが封印されていた話を思い出し、フラれた腹いせにドラゴンの封印を解いて世界を破滅させるって事でいいんでしょうか?」

「うん!大正解!」


 こんな事で正解しても全く嬉しくない。だけど、世界を滅ぼそうとする理由があまりにもアホらし過ぎる


「はぁ……こういう時って死神の仕事とは解っていても止めなきゃいけないんですよね?」

「あー、バトル漫画とかだとそうなるねぇ……」

「はぁ……早く帰りたいんでさっさと終わらせましょう」


 フラれた腹いせに世界を滅ぼそうとする奴に同情の余地なし。


「洋平君、面倒になったでしょ?」

「はい。フラれた腹いせに世界を滅ぼそうとするような奴の事を詳しく聞くだけ時間の無駄ですから」


 復讐という動機なら篠崎の方が幾分かマシに見える。少なくとも女にフラれた腹いせに世界を滅ぼそうだなんてバカな真似しなかっただろうし


「そうだね。僕もフラれた腹いせに世界を滅ぼそうとする奴の話を僕もこれ以上したくない」


 俺と死安さんの意見は見事に一致した。さて、問題はこのドアを普通に開けてもらうか、それとも、ブチ破るか


「問題はドアを普通に開けてもらうか、ブチ破るか……」

「そんなのブチ破るに決まってるじゃないか」

「ですよねー」


 死安さんの雰囲気は死神のイメージを払拭させるほど爽やかだ。だけど、ここに来て死安さんは実は過激な人じゃないかって疑惑が生まれた


「せーのっっっっっっっ!!」


 死安さんのパンチ一発でドアは大きな音と共に破壊された。人っていうか、神だけど、見かけによらないなと思う。


「はぁ……神様ってこんなのばかりかよ……」


 酔っ払った神子を見た事ないけど、酔っ払って俺の世界に酒瓶を投げるくらいだ。きっと酔った神子は恐ろしいに違いない。で、死安さんは面倒になったら口より先に手が出るタイプ。俺は神様に恵まれてないのかと思う


「開いたよ。洋平君」


 ドアをパンチ一発でブチ破った人と同一人物とは思えないほど輝かしい爽やかな笑顔。


「そうっすね」


 ドアをブチ破られても出てこない転生者。寝てるのか?それとも出かけてるのか?


「さて、転生者はどこかな?」


 家の主が出てこないのにズカズカ奥に進んで行く死安さん。いくら死神とはいえ仮にも神様なんだから主が出てくるのを待つとかしないのかよ……


「寝てるか出かけてるんじゃないんですか?」


 ドアをブチ破るくらい大きな音だ。どんなに鈍感な奴でも大きな音がすれば起きる。だとすると出かけてるんだろう


「なら待たせてもらおうか」


 ドアをブチ破った挙句、そこで待ってるとは盗人猛々しいな


「待ってるって言ってもいつ起きてくるか、またはいつ帰ってくるかもわからないのに何時間もここにいるんですか?」


 寝てるとしても出かけてるとしても転生者に会える見通しが立たないのは確かだ。


「うん。いずれはここに戻ってくるだろうし。戻ってくるまで待ってるよ」


 戻ってくるまで待つと言った死安さん。死神なら人の気配くらい感知できる能力くらいあるだろうに……それに、玄関に長時間いたくないんだけど?


「死安さんは人の気配を感知する能力とかないんですか?」

「ん?あるにはあるよ?」

「あるならどうして使わないんですか?」


 人の気配を感知できる能力があるのならどうして使わないんだ?


「僕の力を使えば簡単に見つける事ができるけど、それだとつまらないでしょ?」

「は、はあ……」


 つまらないと言われましても俺は死神の仕事なんて今回初めてだから答えようがない


「殺す相手を追いつめて殺した方がより一層楽しさが増すし」


 うん、死安さんは見た目の爽やかさとは裏腹に結構残忍な性格みたいだ


「俺にはよくわかりません。死神の仕事は今回が初めてなので」

「だろうね。それに──────」


 死安さんが何かを言いかけて止めた。それに何だ?


「お、お前ら!!俺の家で何やってんだ!!家のドアを破壊して!!」


 後ろから聞こえる俺と死安さん以外の男の声がした。待つと決めてから俺達は玄関を一歩も動いていない。


「今回のターゲットがお帰りのようだ」


 俺と死安さんを怒鳴りつけたこの男が今回のターゲットなのか?


「え?あの人が今回のターゲットなんですか?」

「うん」


 どうやらこの男が今回のターゲットみたいだ。死安さんの話によるとこの男が神子から貰ったのは不老不死の能力。強力な魔法は覚えてないらしいけど……


「お前ら!!二人だけで話してないで俺の質問に答えろ!!どうして玄関のドアを破壊したんだ!!それに、ここで何をしている!!」


 この家の主である転生者の男は大層ご立腹だ。当たり前か。自分の家のドアを破壊され、挙句の果てには勝手に侵入されたんだし


「僕達は君を殺しに来たんだよ。玄関のドアを破壊したのはただの気まぐれ」


 自分達の目的と玄関のドアを破壊した理由を淡々と言う死安さん。今回俺の出番はなさそうだ


「俺を殺しに?俺が何をしたって言うんだ!?」


 突然殺しに来たって言われたらそうなる。自分に殺される覚えがないのなら尚更。だけど、この男には殺される動機がある


「三日前、君は勇者パーティーに所属する女の子に告白し、フラれたよね?」

「あ、ああ。それがどうした?あの女、せっかく俺様が告白したのにフリやがった!チッ、大人しく俺様と付き合っていればいいものを」


 転生者の男は吐き捨てるように言った。見た目はよくても中身が最悪だ


「別に君がフラれた事はどうでもいいんだよ。問題はその後だ。君は勇者達が封印したドラゴンの封印を解いて世界を滅ぼそうとしているってところだよ」

「それがどうした!!俺様の告白を受け入れない女がいる世界なんて滅べばいいだろ!!」


 この男は世界の平穏よりも自分のプライドの方が大事みたいだ。どうして神子はこんな奴を転生させたんだ?


「君のちっぽけなプライドで世界を滅ぼされちゃ困るんだよ」


 死安さんの言う通りだ。どんな世界であっても気に入らないからと言って滅ぼしていい理由にはならない


「な、何を言って───────」

「黙れ」


 死安さんは一瞬で転生者の元へ移動し、転生者の顔の前に掌をかざした瞬間、転生者の身体は力なく倒れた


「し、死安さん、その転生者は……?」

「死んだよ。正確には魂を跡形もなく消し去ったんだけどね」

「そ、そうですか……」


 魂を消す。なんか篠崎の能力と似ているな……


「うん。ところで僕の力は篠崎康祐の力と似ていると思わないかい?」

「は、はい。似ているとは思います。ですけど、篠崎が同じ事をした時にされた方は悲鳴を上げた後で倒れました。ですが、死安さんの場合は悲鳴を上げる事なく倒れたように見えましたけど?」


 篠崎の時は相手が悲鳴を上げた後で倒れた。しかし、死安さんの時は悲鳴を上げる事なく倒れた。どうなっているんだろう?


「うん。他にもあるけど、今使ったのはそう言う力だからね」

「そういう力?」


 どういう事だ?篠崎と死安さんの力の違いとは何だ?


「うん。簡単に説明すると僕の力は身体から魂を浮かせて消す。で、篠崎康祐の力は僕と違って魂が身体に繋がっている状態で燃やして消す。だから篠崎康祐に魂を消された人間は悲鳴を上げた。理解できたかな?」


 死安さんと篠崎の力は魂を一度身体から離すか離さないかの違いくらいしか理解できない


「細かい事は解りませんが、死安さんの力と篠崎の力は身体から魂を離すか離さないかの違いだって事は理解しました」

「うん。それでいいよ。じゃあ、帰ろうか?」

「はい」


 仕事を終えた俺と死安さんは神子の元へ帰った。今回は転生者の抹殺だったからいいけど、死安さんの仕事を手伝うって事は命や魂に関わっていかないといけなくなるって事か……


今回は死神の仕事が早く終わる話でした

小物臭のする転生者は言葉を発する事なく消えました。さて、これから洋平はどうなっていくのか?


感想等があれば気軽に感想欄へ書いていただけると嬉しいです!

感想を書くついでに評価して頂けると作者のモチベーション向上になるので宜しくお願いします


今回は最後まで読んで頂きありがとうございました!

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