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死神が現れたんだが

今回は死神登場です

洋平の前に現れた死神はどんな感じなのでしょうか?

では、どうぞ

「暇だなぁ~」

「暇だねぇ~」


 篠崎の暴走を止め、無事に帰ってきた俺、白石洋平と俺が死ぬ原因を作った張本人である神様こと神子は暇過ぎてゴロ寝をしていた。異世界に行けと言われたら行くけど、できればアイテムを届けたり、人間関係に悩んでいる奴の背中を押す程度にしてほしい。篠崎の時みたいに人間関係が拗れた状態で介入すると調べなきゃいけない事が出て来たりするので何かと面倒な事になる


「神子ぉ~、ラーメン食いたいんだけど~?」


 死んで別の世界に転生し、冒険するって言うのは俺の性格にはあってない。何より学校の勉強が面倒だと思うのにチートを得たとしても勉強はしたくない。ま、神子の部屋で異世界の様子を見て何かあったらその世界に行くくらいがちょうどいい


「じゃあ、今から作る?」

「作るってラーメンを?」

「うん。インスタントラーメンならあるよ?」


 神様の部屋って何でもあるのな。インスタントとはいえ、ラーメンがあるだなんて


「神様の部屋って何でもあるのか?」

「う~ん、何でもあるわけじゃないんだけど……貰い物をする事が多くてね」


 意外だ……神様でも貰い物するのな。まぁ、お供え物があるくらいだから貰い物くらいあっても当たり前だと思うけど


「ふーん。貰い物って誰から?」


 俺がいた世界じゃあるまいし、神様にご近所付き合いがあるとは思えない


「誰って死神とか?」


 へぇ~、死神って神様と仲良いんだ……って、死神?死神ってあの死神?


「死神ってあの人の命や魂を刈り取るっていうあの?」

「うん、その死神」


 神子の酒癖が悪い事で死んでしまい、最初は元の世界に帰せと神子を怒鳴ってしまった事もあったけど、神様と死神様が仲が良かったという事実を知る事ができたり、いろんな世界に行けるってところを考慮すると案外悪くないと思う俺もいる


「でも俺は一回もあった事ないんだけど?」


 俺が異世界に行ってる間にこの部屋に来て俺が帰ってくる頃に自分の部屋に帰っているからなのか、俺は一度も会った事がない


「あー、そういえばそうだったねぇ~。ちょうど今から来るけど、会いたい?」

「そ、そりゃ、できる事なら会いたいけど……」

「けど?けど何?」

「い、いや、怖い人だったらどうしようと思って」


 死神と聞けば多くの人が髑髏のマスクに大きな鎌を持っているイメージが強い。それ以外のイメージだと……あれだ、黒い着物を来て髪の色が明るいくらいしか思い浮かばない


「大丈夫だよ~、いい人だし」


 死神に偏見を持っているわけじゃない。だけど、俺のイメージでは怖いっていうのが強いだけで


「そ、そうなんだ……でも、そんな都合よく死神の方が現れるわけが────────」

「ただいま~、神子ちゃん、今帰ったよ~」


 俺の言葉を遮るようにドアが開き、そこから現れたのは見た感じ爽やかな男性。神子もそうだけど、見た目だけなら二十代前半で通じそうだ。


「あ、死神さん、お帰りなさい!」


 どうやらこの人が死神のようだ。俺のイメージだと髑髏の面に大きな鎌を持っているイメージなんだけど、この人の恰好はまるでホストのような恰好だ


 死神は神子少し会話をしてから俺の向かいに座った。なんて言うか、この人が俺の世界にいたら確実にモテるんだろうなぁ……


「君が白石洋平君だね。初めまして、俺は死神だよ」

「は、はぁ、白石洋平です」

「うん。よろしくね、洋平君」

「はい」


 死神は笑顔で俺に手を握手を求めてきたので俺もその手を握った。てっきり死神ってのは陰キャだと思ってたけど、意外と爽やかなんだな


「ところで洋平君だよね?神様に神子って名前を付けたの」


 いきなりだなオイ。神様に神子って名前を付けたのは確かに俺だけどさ


「そうですけど、いきなり何ですか?」


 いくらなんでもいきなり過ぎる。


「いや、僕にも名前を付けてほしいなと思ってね」

「え?」

「だから、僕にも名前を付けてほしいって言ってるんだけど?」


 聞こえなかったわけじゃない。どうして俺が死神に名前を付けなきゃいけないんだよ……


「聞こえなかったわけじゃありません。ただ、どうして俺が名前を付けなきゃいけないのかって思っただけです。別に嫌とかじゃなく、純粋に」

「神子ちゃんから聞いてると思うけど、僕達神には名前がない。それは知ってるね?」

「はい、神子から聞きました。ですが、神子以外に神様が存在するだなんて話は聞いてませんよ」


 俺は神子から他の神様がいるだなんて話は聞いていない。まぁ、俺のいた世界じゃ恋愛の神様とか、商売繁盛の神様とか、それこそ死神の話は聞いた事があるから概念自体は存在するんだろうなくらいには思ってたけど


「神子ちゃん……」


 神子が話してない事に対して死神は頭を抱えているみたいだ。俺も神子の部屋を片付けた時に同じことを思った。ちゃんとしろとね


「死神さんが何を考えてるかは想像できますが、神子のだらしなさは今更じゃないですか?」


 この部屋を片付けた時にも五百年の間放置されていた羊羹を見つけたし


「確かに神子ちゃんのだらしなさは今更だからいいとして、洋平君だっていつまでも僕の事を死神さんじゃ呼びづらいだろ?」


 これから関わる機会が多いか少ないかは置いといて、合う度に死神さんって呼ぶわけにもいかないか……


「それもそうですね」

「だろ?じゃあ、僕にも名前を付けてくれるね?」

「センスの全くない俺でよければ」

「うん。よろしく頼むよ」


 死神なのに笑顔が眩しい……この人が死神を名乗るなんて間違ってるんじゃないのか?


「名前か……神子の名前は神だって事が解るようにしたけど……死神さんは自分が死神だって事がそれとなくわかった方がいいですか?」

「うん。僕は異世界に行く事が多いからね。だから、できれば名前に『死』って文字が入っていればいいんだけど……どうかな?」


 なかなか難しいな……


死安(しあん)なんてどうですか?」


 安直な名前だけど、今の俺に思いつく名前は死朗とか、狂死朗とかそんなものばかりだ。しかし、この人にはそんな安直な名前を付けたらいけない気がする。俺のない知恵を絞ってようやく思い浮かんだ名前だ


「しあん?それってどういう字を書くの?」

「死安の『し』は死神の『死』です。そして、死安の『あん』の字は安心の『安』です」


 神子の時は神の子って事で神子と名前を付け、説明するのは楽だったけど、今回は簡単にいきそうになさそうだな


「神子ー、書くものないかー」


 俺はキッチンにいるであろう神子に書くものがないか聞いてみる。この部屋でメモをする必要がある事があるのかは知らないけど


「ちょっと待っててー」

「あいよー」


 神子は紙のようなものを持ってキッチンから出てきた。まさか、キッチンペーパーか?アレ


「お待たせ。はいこれ」

「おう、さんきゅ」


 隣りに座った神子から受け取った紙はキッチンペーパーじゃなく、普通の紙だった。


「紙なんて何に使うの?」

「死神さんの名前を決めたんだけど、神子の時とは違って口頭での説明が難しいから紙に書く事にしたんだよ」

「そっか。じゃあ、これは無駄にならなかったね」


 神子はエプロンのポケットから一本のボールペンを取り出した。俺は紙を頼んだけど、書くものを頼むのを忘れていた。が、それを見越してなのか神子はペンを持ってきてくれていたみたいだ


「ああ。さんきゅ、紙を頼んだのに書くものを頼むのを忘れていたから助かった。で、死神さんの名前の『死安』って名前なんですけど─────────」


 俺は二人に見えるように紙に『死安』と書いて見せた。こういう時に説明が下手だと不便に感じる


「おおっ~!『死安』ってこう書くんだね!」

「なるほど、こう書くのか!」


 神子と死神の二人は納得した表情で手をポンと叩いた


「で、死神さんの名前は『死安』でいいでしょうか?」


 全くセンスのない俺が考え付いた唯一思いついた最高の名前だ


「うん!気に入ったよ!」

「それは何よりです」


 気に入ってもらえて何よりだけど、死神さん────いや、死安さんは何しに来たんだろう?


「名前を付けてもらったところで、洋平君は異世界転生を拒否したんだよね?」

「そうですけど……それがどうかしましたか?」


 俺は誰から聞いたかは聞かなかった。俺が異世界転生を拒否した事なんて当事者である俺はともかく、俺以外で知ってるのは神子しかいない


「いや、チート能力やハーレムをチラつかせれば他の人はすぐに飛びつくのに君はチート能力やハーレムに飛びつかず異世界に転生する事を拒否したから珍しくてね」


 俺って天然記念物並みに珍しいのか?


「チート能力にもハーレムにも興味はありませんから」


 俺はチート能力にもハーレムにも興味はない。努力せずに得た力に意味はないと思っているし、俺は多くの異性を同時に愛せるほど器用じゃない


「そう。まぁ、考え方は人それぞれだからいいとして、洋平君、今回は僕の仕事を手伝ってくれないか?」


 死神である死安の手伝い?今まで異世界に行って何かを届けたり、悩んでいる少年の背中を押したり、復讐に憑りつかれ人知を超えた力を得た奴の暴走を止めたりとした。だけど、今回は死神の仕事の手伝いってどんな事をさせられるんだ?


「よ、洋平、嫌なら止めてもいいんだよ?」


 神子が控えめな態度で止めてくる。珍しいな。神子が控えめな態度で止めてくるだなんて


「死神の仕事ってそんなにキツイのか?」


 止めてくる神子にどれくらい仕事がキツイのかを聞いてみる。神子が止めるって事はきっとキツイ仕事なんだろう


「いや、僕の仕事は肉体的にはキツクないけど、精神的にはキツイものがあるんだよ」


 精神的にキツイ仕事をどうして俺に手伝わせようとするんだよ?


「神子に言われるならまだしも、死安さんが自分の仕事を精神的にキツイだなんて言っていいんですか?」


 第三者が言うならいいが、仕事している本人が自分の仕事をキツイだなんて言っていいものだろうか?


「本当は自分の仕事をキツイだなんて言っちゃいけないんだけど、やった後で言わなかった事を怒られても困るしね。だからやる前に言っておくよ。僕の仕事はキツイ。その上で手伝ってほしい」


 俺はやる前から諦めるのは好きじゃない。それに、精神的にキツイかどうかは俺が決める


「キツイかどうかは俺が決めます。とりあえず死安さんの仕事を手伝わせてください」

「うん。わかった。神子ちゃん、悪いけど洋平君を借りていいかな?」


 俺の為を思って止めてくれた神子には悪いけど、何事も経験だ


「洋平がそれでいいなら私は止めないよ。それに、疲れて帰ってきた洋平を慰めるのは私の仕事だから」


 いつの間に俺を慰める仕事なんてできたのかは知らないけど、どんな結果になっても神子は俺の側から離れて行かないだろう


「そう。じゃあ、早速行こうか?」

「はい」


 死安さんがドアを開け、俺はその後について行く。って、俺はまだどこに行くか聞いてないんだけど?どこに行くつもりなんだろう?

今回は死神登場でした

洋平の前に現れた死神は意外と爽やか系でした。さて、次回は死神のお仕事です


感想等があれば気軽に感想欄へ書いていただけると嬉しいです!

感想を書くついでに評価して頂けると作者のモチベーション向上になるので宜しくお願いします


今回は最後まで読んで頂きありがとうございました!

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