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俺はおばちゃんをナンパしに来たんじゃないんだが

今回はコンビニ前から事件が起きるまでです

ここに来てようやく洋平が訪問した先の人間に名前が付きました

では、どうぞ

篠崎康祐(しのざきこうすけ)、高校二年生の十七歳か……」


 マムシマートの前で神子から渡された資料に目を通す。今回俺が会いに行く奴の名前は篠崎康祐と言うらしい。写真では優しそうな顔をしていてとてもじゃないが力を手に入れて暴走する感じにも復讐を考える感じにも見えない


「家族構成は父と義母、義姉二人の五人家族か……」


 考えたくはないが、父親は仕事で家にいない事が多いから保留として、問題は義母と義姉二人だ。


「義母と義姉二人が篠崎に辛く当たっていて家にも居場所がなかった。そうなれば不登校になる事すらできなくなり、居場所は必然的に限られてくるよな……」


 断言はできないが、学校にも家にも居場所がないとなるととても面倒な事になる


「家族構成はいいとして、人間関係の方を見てみるか」


 家族の事は置いといて、人間関係の方も重要だ。家族と上手くいってなくても他人とは上手い事やっててくれよ……


「人間関係は……幼馴染の女の子が一人いるだけか」


 周囲との交流が幼馴染の女の子一人だけってのはいいか悪いかで言うと俺には判断できない。


「篠崎の学校に行って家族と幼馴染に会うしかないか……」


 資料に書いてあったのは本人の名前と家族構成と人間関係だけで父・義母・義姉二人の名前はもちろん、幼馴染の名前は書いてない


「とりあえず学校に行ってみるかな」


 学校に行けば何か手がかりが掴める。俺は篠崎が在籍している学校に向かう事にした。学校の名前と場所は資料に書いてあったし、ご丁寧に地図もあるから迷う事はないだろう


「テレビで見た時には篠崎はいなかったが、着いた時にはいてくれよ……」


 テレビで見たのはドラマでいうところのワンシーンで全てを見たわけじゃない。だから、あの後で篠崎が登校したのかもしれないし、欠席したのかもしれない。それは不明だ


「神子が言うには人知を超えた力を手に入れて暴走してるみたいだし、急ぐに越した事はない」


 俺は篠崎の通う学校へと急いだ。その道中でパトカーと消防車、救急車の数が多かった事、サイレンがうるさかった事を言っておこう


「な、なんだよ……これは?これが本当に学校なのか?」


 篠崎の通っている学校に着いたが、そこには大量の野次馬。その野次馬が入らないように見張っている警察官が数名。俺は視線を学校の方へ向けたが、それは俺が知っている学校の様子とは全く別物だった。


「嫌ねぇ……どうして学校が半壊したのかしら?」

「さあ?何でもいきなり大きな爆発があったらしいわよ」


 学校でいきなり大きな爆発が起こる事なんて理科室の薬品または家庭科室でガスが漏れていて何らかの原因で爆発。それにここは高校だ。規模にもよるが、とても食堂があるような高校には見えない。あって購買だろうけど、購買で爆発?爆弾でも仕掛けられてない限りはそんな事はあり得ないだろう。とにかく、あのおばちゃん二人に少し話を聞くか


「あの、ちょっといいですか?」

「何かしら?」

「私達に何か用?」


 おばちゃん達は俺を怪しむような目で見てきた。俺だって好き好んでアンタ等に話し掛けたわけじゃない


「さっきいきなり爆発したみたいな話をしてたので少し気になってお話をと思いまして声を掛けさせてもらったんですが……」

「あら?そうだったの?私はてっきりナンパかと思ったけど?」

「私もそうだと思ってたわ」


 誰が好き好んでおばちゃんをナンパするか!俺が知りたいのはどうして爆発が起きたかって事と学校のどこが爆発したかって事だけだ!自意識過剰も大概にしろ


「い、いえ、お二人とも美しいと思いますが、俺にはこんな美人な女性二人を相手にするのは荷が重すぎます」

「「あらぁ~お上手ねぇ~」」


 こんな時にクラスのチャラ男の口癖が役に立つとは……それよりも、爆発した原因と場所だ


「俺なんてまだまだですよ。それより、爆発した原因と場所はわかっているんですか?」


 警察でもない一般市民のおばちゃん達に爆発の原因と場所を聞くだけ時間の無駄だとは思うが、今は少しでも情報が欲しい


「詳しい原因はわかってないけど、場所は多分、二年二組だと思うわよ」


 小太りのおばちゃんの話が本当なら二年二組の教室にいた教師と生徒は無事ではないだろうし、その上の階の教室にも人がいたのならそこにいた人間も無事ではないだろう


「どうして二年二組の教室だってわかったんですか?」


 遠目から見て爆発の場所なんて簡単に特定できるわけがない。だが、小太りのおばちゃんは二年二組だと言った。合ってるかどうかは別として


「そりゃ、私達はPTAの役員会で何回か校内に入ってるからわかるわよ」


 痩せた方のおばちゃんと小太りのおばちゃんは二人とも役員だったのか……道理で遠目からでもどこが爆発したかが大筋でわかるはずだ


「そうだったんですか。じゃあ、篠崎康祐ってご存知ですか?」


 このおばちゃん達がどの学年にいる生徒の親なのかは知らないし、半分賭けみたいなものだが、聞いてみるだけ聞いてみる


「ああ~、あの誰にでも親切な子ね」


 小太りの方は知っていたか……問題は痩せ型の方だ。篠崎の事を知ってるかな?


「確かに篠崎君は誰にでも親切だけど、ご家族とその幼馴染の子がちょっとねぇ~」


 痩せ型の方は小太りの方よりも詳しく知っているみたいだ。これは詳しい話を聞けそうだ


「篠崎君のご家族と幼馴染の子がどうかしたんですか?」

「ええ、篠崎君の家って篠崎君が小さい頃にお母さんが亡くなって、その数年後くらいにお父さんが今のお義母さんと結婚したんだけど、もう、お父さんがいない所でお義母さんとお義姉さん二人は好き放題やっているらしいのよ。幼馴染の子も彼氏がいるみたいだけど、その彼氏と一緒になって篠崎君をイジメてるって噂があるからも~大変!」

「なるほど……篠崎君は大変なんですね」

「らしいわよ~」


 痩せ型のおばちゃんの話によると篠崎の義母と義姉二人、幼馴染とその彼氏は碌でもない人間らしい。それこそ俺は『助けてくれ』って言われたら見捨てて無視するくらいに


「それに同調してクラス単位で篠崎君はイジメられてるらしいわよ」


 今度は小太りのおばちゃんが篠崎のクラスでの様子を語り始めた


「クラス単位でってどういう事ですか?」


 テレビでクラスの人間が篠崎の机や黒板に篠崎の悪口を書いていたのを放置している場面を見て篠崎がイジメられてるってのは理解していた。だが、もう少し詳しい話を聞く必要がある


「篠崎君の幼馴染の彼氏君はクラスの中心人物らしいんだけど、その彼が篠崎君をイジメ始めたら彼のグループの子達も篠崎君をイジメ始めた。あとは芋づる式に彼をイジメる子が増えたらしいのよ」


 クラスの中心人物が一人の生徒をイジメれば同調して周囲の生徒も同じ事をやる。こんな事はバカでも解るし想像できる


「そうだったんですか……でも、他のクラスの誰かが止めたりとか、教員が止めたりとかはしなかったんですか?」


 篠崎のクラス内で起こった事でも他のクラスの誰かや担任が止めてもいいようなものだが……


「それが、誰も止めなかったらしいのよ」


 篠崎に対するイジメはクラス内で起こった事だが、他のクラスの生徒や教師は見て見ぬフリってわけか


「そうですか。ありがとございます」


 俺はおばちゃん達に礼を言った後、路地裏に移動した。おばちゃんとの話でわかった事は篠崎の家庭環境がよくないって事と篠崎のイジメを止めるものがいなかったって事だ


「こりゃ、今回はすぐに帰れそうにないな」


 大剣を届けるとか、ハーレムの後押しをするのとは事情が違う。だからと言って篠崎の力を取り上げるってわけでもない


「はぁ……どこまで犠牲にしていいものか……」


 熱血系の主人公や警察官なら犠牲をできるだけ出さないようにするだろうが、今回ばかりは篠崎をイジメて楽しんでた奴らと義母、義姉二人の責任だ。その責任は果たしてもらおう


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 篠崎の関係者をどうするかを考えていると女性の悲鳴が聞こえた。


「何だ!?また学校が爆発したのか!?」


 俺は学校の様子を見に行くため、路地裏から駆け出した。


「な、何だ……?これは……?」


 校門前で野次馬や警察官が倒れている。倒れている人達は血を流してはいないが……単に気を失っているだけなのか?


「一人や二人ならまだしも、不特定多数の人間が気を失う事なんてあるのか?しかも、近くに工場があるわけでもなんでもない。ただの校門前で」


 この学校は近くに住宅はあっても何かの工場があるわけじゃない。工場がないからって安心はできないが、それでも人的被害の出るような有害物質が都合よく出るとは思えない


「それに、さっきの悲鳴は一体どこから……」


 倒れている人達も気になるが、それ以上に気になるのはさっきの悲鳴だ。


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 再び響く女性の悲鳴。悲鳴の主は一体どこから聞こえてくるんだ?


「ん?あそこは確か……二年二組の教室か?」


 おばちゃん達の話が正しければ二年二組の教室。そこにいるのは一人の女子ともう一人は……人の形を保ってはいるが、人とは形容しがたい何か


「あれは人なのか?辛うじて人の形を保ってはいるみたいだが……とにかく、行ってみよう!」


 俺は二年二組の教室へ向かう為に走り出した


「どうなっているんだ……?」


 学校に入ると当たり前だが生徒と教師が大勢いた。普通じゃないのは全員が倒れているって事くらいか……


「とにかく、二年二組の教室に行ってみるしかないか……」


 野次馬と警察官、この学校の生徒と教師が倒れている原因が二年二組にあると見て間違いはなさそうだ。


「それにしてもどうして一人だけ倒れていないんだ?」


 悲鳴がして、校門前に戻って倒れている野次馬や警察官を見つけた。そこで再び女性の悲鳴が聞こえ俺はこの学校に入った。そしたら案の定、生徒も教師も倒れていた。問題はここからだ。どうして悲鳴を上げた女性だけは無事なんだ?


「とにかく、その女性が篠崎の事を知っていたら聞いてみるとしよう」


 俺は悲鳴のあった場所に急ぐ事にした。そこに行けば何かがわかると信じて

今回はコンビニ前から事件が起きるまででした

今回の章はいろいろと複雑になりそうなので長くなるでしょう・・・・


感想等があれば気軽に感想欄へ書いていただけると嬉しいです!

感想を書くついでに評価して頂けると作者のモチベーション向上になるので宜しくお願いします


今回は最後まで読んで頂きありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] これ、どこのシンデレラボーイだよ(笑)
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