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俺、死んでなくない?

前作詰まったからってまた新しいの始めてしまった……今度こそは詰まらず毎日更新を目指すっ!

「ここは、何処だ?」


 先程まで眠っていた意識が覚醒し、目を覚ました俺はいつの間にか不思議な空間にいた。辺りを見渡しても見えるのは暗闇のみ、だけど明るい。そんな部屋に俺はいた。


「目が覚めたようですね、雨宮(あまみや)終夜(しゅうや)


 そして俺の目の前には一人の女性が豪華な椅子に座っていた。背中に羽を生やした若い女性と俺以外周りには何もない。現状、俺の脳が受け入れることができたのはこれだけだった。


「残念ながら、あなたの人生は終わりを迎えてしまったのです」


 俺の脳は、というより俺は目の前の女性が言っている意味が理解できなかった。



──────────────────────



 まず、俺が覚えている最後の記憶を整理してみよう。俺はとある住宅街で一人暮らしをしていた。

 大学受験に落ち、浪人生活を嫌がってアルバイトをして一人暮らしをすることを決断したのが三ヶ月前、そして今は六月であり、梅雨に入ったばかりだった。

 今日から二日ほど休みということで家に籠るために二日分の食材を買いに出かけていたことまでは覚えている。結構強い雨が降っていて、ビニール傘で雨を凌ぎながら商店街に向かっていたはずだ。

 しばらく歩いて黄色い信号が点滅してるだけの十字路に差し掛かった時に────


「音もなく出てきたトラックに轢かれて死んだ……と?」

「理解いただけたようでなによりです、終夜さん」


 うん、そこまでは理解した。いくら雨が強かったからってトラックの音が聞こえなかったことやあんな狭い道をあれだけの速さでトラックが突っ込んできたことなど、疑問を抱いた点がいくつかあるが一番重要な疑問が俺にはあった。


「一つ聞きたいんですけど、いいですかね?」

「何でしょう? お答えできる範囲でなら何でもお答えしますよ」

「ではお言葉に甘えて……俺の記憶ではトラックが突っ込んできたとこまでは覚えてるんだけど……俺、轢かれてなくね?」

「はい?」


 そう、俺が一番疑問に思ったところ。それは俺の記憶の最後がトラックを避けたところで途切れているということなのだ。

 これでも部活は陸上部、暇があれば格ゲーや音ゲーをやっていたので運動神経にも反射神経にも少し自信があった。

 そして記憶の最後、俺は突っ込んできたトラックをバックステップで回避したところで何故か記憶が途切れているのだ。

 後ろに下がった拍子に後ろからもトラックが来て轢かれた? いやいや、それはあり得ない。何故なら俺は近道をするために家と家の間を通って来たため後ろにあるのは何処かの家の車庫のみ。

 入り口は閉まっていたから何かが後ろからぶつかったとかは有り得ない。

 なら後ろから犯罪者にでも刺された? でもそれなら刺された記憶が最後になるはずだ。


「どう考えても俺は死んでいなかったはずなんです。例えトラックを避けて足が滑って転んだとしても、命を落とすようなことにはならないはずなんです。俺はなんで死んだんですか?」

「なんでも何も、あなたは突っ込んで来たトラックに轢かれて死んだんですよ?」

「いや、だから俺の記憶ではあのトラックは避けたんだって。少なくともあれで死んだってのは有り得ない」

「いやいや、いくら私が適当に設定したとはいえ時速150キロだよ? しかも空気に干渉して音まで遮断したのに、避けれるわけないじゃん」

「だから避けたところまでは覚え──今なんて言った?」

「あ……」


 き、聞き間違えかな? 今私が設定したとか音を遮断したとかまるで俺が死ぬように現場を整えたみたいなセリフが聞こえたような気がしたんだけど。


「さ、さて! 君も落ち着いたようだし次の内容に入ろうか!」

「ちょっと待って! あんたか!? 雨の音が強いからって目の前に迫るまで音が聞こえなかったのとか疑問に思ってたけどあんたか!? 俺を殺そうとしたのは!」

「な、何を言っているか私にはわからないなー! そんなことより本題に入ろうじゃないか!」

「おま、ふざけんなよ!? なんで死んでもないのにこんな死後の世界みたいなところにいるんだよ俺は! おかしいじゃん! 俺生きてるはずじゃん!? ……はぁ、おかしいけど話進まなそうだから一旦黙ってやる。でも後で問い詰めるからな絶対……」


 今の段階じゃ何が何だかわからん。そもそもここは何処なのかとかあなたは死んだのですなんてふざけたこと抜かしたこいつが誰なのかとか知るためにも要件を先に聞こうじゃないか。その後だその後、落ち着け俺……


「えーとですね。あ、あなたは不幸な事故で死んでしまいました」

「いやだから死んでねえからな?っていうかあんただよね? 殺そうとしたの」

「しかし! しかし私は若くして死んでしまったあなたが素晴らしい心を持っていることを知っていました、なので不幸な事故で死んでしまったあなたに何かチャンスを与えたいと思ったのです!」

「ごめん、想像力に関しては生物1の実力がある人類の小説で似たようなパターンいくつもあるから展開が何となく読めた」

「あなたに今の記憶を持ったままもう一度新しい人生を歩めるようチャンスを与えましょう!」

「転生させたいんだよね? 俺の何を見て判断したか知らないけど使えると思って殺そうとしたんだよね?」

「……」


 万歳しながら上を向いてずっと視線をこちらに向けなかった女性──多分女神だの神さまだのそういう存在の人(?)──は固まってしまった。図星らしい。


「そ……」

「そ?」

「そうよ! 自分で起こした不始末が手に負えなくなったから利用できそうな人を殺して使おうとしたの! 悪い!?」

「いやそりゃ悪いよ」


 極悪人じゃねえか、こいつ。


「ぐっ……! でもね、元はと言えば若い日本人の考えが甘いのがいけないのよ! よって連帯責任とする!」

「いや、状況が読み込めない俺に向かって連帯責任だなんだって言われても訳わかんないからな? いい加減状況を説明して欲しいんだけど」

「その妙に落ち着いたところがムカつくっ! 選んだの私だけどっ!」


 結局、この人が落ち着くまで30分近く俺は叫ばれ続けることになった。

転生まで持って行けなかった( ̄▽ ̄;)

次回転生します

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