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あざとらしく挑発


当然だけど、ここの領主が宿舎にも帰らずに領主館にこもっているのであるならば、自宅にも全く帰っていない。


 と言うことになるんだけど、当然のごとくサラの情報によると、全く帰っていないらしいのだ。

スクルージ氏に娘さんがいるということは当然だけど奥さんがいるということになる。


 奥さんの名前は


【クラリーノ=スクルージ=ディスコニアン】


 クラリーノという名前。 このスクルージディスコニアンの端っこにあるガラサイド山脈の麓にある山村に住んでいるのだ。


  このスクルージディスコニアンとゼルダ王城への行き交いには昔は大きく迂回するか、山岳地帯を踏破するしかなかったのだが、時代の移り変わりというのは恐ろしい進歩を遂げ魔導機関車が行き交う事ができるためのトンネルが開通しているのだ。


 このゼルダ王城へ行き交うためのトンネルの整備と維持がものすごい労力がいるらしく、クラリーノ夫人は、その音頭を取るために残っている。というのが公式の発表らしい。



公式でこういう風に流しておけば、別居に関しては波風が立たないのであろうという狙いなのだと思う。


 こういった家庭内事情に関して、面白おかしくはやしたてる連中や、変な噂を嘯く人というのも、当時はかなりあったみたい。


 もちろん、一人娘のロゼッタちゃんが行方不明になった事に関しても、相当な騒動になったに違いない。


 だけど、そういった騒動を乗り越えてここまで来たのだし、自分の領地もここまで大きくしたのだ。 その精神力は並々ならぬものなのであろう。




――コンコン――


――!!――

ドアのノック音が響くと、一瞬だけギクッ! とする。

そう、ノック音。ノック音なのだ。


 あたしの中では、よほどノック音がトラウマになっているのかもしれない。


 だけど、あたしの今の格好とその記憶を辿れば、もう大丈夫であることを理解する。

バスローブから白のTバックに、同色の多次元ブラという、下着姿であたしは室内をうろつきながら、ルームサービスを頼んだのだ。


つまりは朝食の時間ね。

アースキャニオンでもっとも流通している金属である、ロキソニウム鉱石を加工して作られたロキソニウム合金製の食料を運ぶためのカートだ。

この、ロキソニウム合金というのが柔らかくて加工しやすく、それでいて頑丈だという特徴がある。ハッキリいって、この、ロキソニウム合金製のものが使われてない場所を捜す方が難しい。



 清潔でビシッと決めたベルボーイさんが顔を真っ赤にしながら身体をくの字にして朝のセットを、カートからテーブルへ移す。


 何だろう? とよく考えたらそれもそのはず。あたしってば下着姿なんだもん。



忘れてた。


 今更気づいて露出しているものを隠して羞恥に悶えるよりも、あたしはDON! と構えて動じないようにする。



 だってさ、顔を真っ赤にして前屈みでぎこちなく動いているんだもん。 みていて面白いじゃない。


 今朝の朝食は、パンと玉子それからポテトと、朝食の定番メニューだよね。 焼きたてのパンの香ばしさと玉子の香り。 それから、鼻孔を刺激する超濃生乳の香りは……。

 たったの一杯で終わりというワケではないみたいで、白磁の大きな陶器のポッドに沢山入ってるみたいで。気分が上がってくる。


 ロキソニウム合金製のカートから全ての食材が降りて、テーブルに並べられると、据え付けてある椅子に座る。


 目の前に並んでいる食材には、目も入らずに何故か空のままの白磁のカップが白磁のソーサーの上に逆さまの状態になって載っているのだ。






据え付けられた椅子の上に腰掛けて、あざとらしく、ブラの紐を直していると、ボーイさんが、本当にぎこちない動きでカップとソーサーを正しく置く。

時々突き刺さる視線が面白くて笑える。

何度もあざとらしく下着を直す。

 もちろん胸の位置も気になるのでカップの中に手をいれたりして直したりする。



ボーイさんがカップに温められた超濃生乳を注ぎ終わるのに、どれくらい時間がかかったのかわからないけれど、ビクンビクンしながらの作業でおなかがいっぱいになってしまった。









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