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幕間編【はじめての】

幕間です。チェイスティ編の前に入れる予定のお話しです







  あたしは、はじめて盗賊団と組みこの森林地帯の中央に眠る伝説の聖杯を盗る事になった。



 

 アースキャニオン最南端に広がる広大な森林地帯


 森林地帯の入り口にある【ベネフィーク】の街にある盗賊団のアジト。酒場の二階。


「新人のエレナ=ミラージュ=クリスティーンです。よろしくお願いします」


 黒髭眼帯の盗賊団団長、【ケイオス=ジュリアーノ=ベルセレス】


の紹介のもと軽く頭を下げて挨拶をする。


 この盗賊団のメンバーは、スキンヘッドの


  【パドレス=ザルツブルク=ゲイガン】。


 ウェーブのかかった金髪の長い髪、猫目の巨乳

【ロージ=セレン=シルビー】


 の三人。


 盗賊団にしてはメンバーが少ないのは気のせいだろうか?

 

 ロージ以外の二人は男。


 茶色の板張りの床、入り口の近くにに巨大な酒樽がズンと置かれ、空になったカラフルな酒瓶がアチコチにいくつも雑多に散らかっていて、何が入ってるかわからない焦げ茶色の木箱が奥の壁際に沢山。


 あとは木製の丸テーブルがいくつかと椅子が数脚。天井には煌びやかなシャンデリアから灯りが溢れる。


 室内にあるたった一枚の窓ガラスからは光が全くない。


 草木も眠る丑三つ時。階下の酒場は既に店じまい。酒場の主もドコへやらと消えて、つまりはこの建物にはあたし達しかいない。




 あたしはテーブルの前にチョコンと座りながら周りを気にする。


 向かい側で、革製の軽装鎧に包まれたパドレスが天井から煌々と輝く頭を光らせながら、漆黒のボウガンの手入れをしている。


 酒樽が置かれたすぐ近く、ほぼ下着姿のワンピースのスリップ姿でだらしなく座り、酒瓶をままのまま、何度も口に運んでいる。


黒いテンガロンハットに黒革の足下まであるマントに、白い開襟のシャツに赤い蝶ネクタイ。マントと同色のパンツの黒い眼帯の団長が説明をはじめる。


 団長が腰に手を当てドラム缶を転がすような大きめな声。



「今回狙う獲物はこの森林地帯の中央にある廃村、


  【ネミラの村】


にあるエルフの涙と呼ばれるゴッつい宝石だ」



「エレナちゃんっていうの可愛いわね。お姉さん、可愛いい子大好き。味見してもいい?」


あたしの隣にフラフラとおぼつかない足取りで近寄り、ロージが小声で耳元にささやく


 甘く切ない声で瞳をウルウルさせているが、正直、その美貌が台無しだ。


「勘弁シテクダサイ」


全身にゾワゾワ走る寒気を感じながら鼻をつまんで答える。


「ツレナイわねぇ、お姉さん哀しいわ」


 このロージって女性、酒乱でおレズなのかしら? 鼻を衝くどぎつい香水の香りとお酒の匂いが混じって正直臭い。



「ロージ! ヤメロよ、それで何人目だ?」見た目に似合わない甲高い声。


 スキンヘッドのパドレスが笑いながらロージに歩み寄る。


「おまえら! 俺達に足りないのはなんだかわかるか?」


パドレスとロージが集まったところでケイオスが怒気混じりに問いかけてくる。


「そんなの決まってるじゃない。お酒よ、お さ け。」


 開口一番に気怠げに答える。



「火力じゃないっすか?このフラフラのロージはいつも何もできないですし、」


パドレスがケンカを売るように口を開く。


「なによ!撃つしかできないタコに言われたくないわ! 」


(ロージさん過激な発言!)


「 っんだとテメー! テメーはいつも酒クセーんだよ! 」


パドレスが真っ赤にななりながら金切り声をあげる。


「ほーら、タコさん。真っ赤に茹で上がったわ味見しようかしら? 」


 端から見てパドレスの頭が本当に真っ赤。ロージの指摘どおり、ゆでダコ状態。




「…………! 」



タコさん。


 違ったハゲさん。


  これも違う。パゲレスさんだっけ?


  全身をワナワナと震わせ、ついに


   パシュッ――


   ドガッ―

ボウガンの矢が向かいの壁に突き刺さる。


 今のモーション、パゲレスさん。確実にロージさんの脳天を狙ってた。


 しかも、それをあっさりかわして酒瓶をあおり続けるロージさん。肝が据わっているというか、速い! 



 団長の言いたい事がわかった。



「俺らに足りないのはチームワークだ! いつもなんとか獲物は捕れているが、このままじゃダメなのは、わかるよな! 」


  見ていてわかるかも知れない。この仲違いしてる二人のやりとり。実力はケタ外れだけど、すぐに熱くなる。


コレダメだ。


 正直、これからの捕り物の先行きが見えない。 

 

 

 

 

 



呼んで下さい本当にありがとうございます。

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