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スクルージ氏のソックリさん登場! テヘッ――




 彼は自らをシュタイン=ソルボンヌと名乗りスクルージ氏の影武者である事を話した。


 この半月間、スクルージ氏に変わり政務を取り仕切っていたソルボンヌ氏はスクルージ氏と同様に目の下に真っ黒なクマをつくり、真っ赤に充血した目をしていた。


 あれから再び、領主館に赴いたあたしは、彼の存在に驚愕した。


 スクルージ氏を確かにこの手で、お仕置きしてアサルトドアの中に閉じ込めてきたハズなのに、目の前には、白髪で筋骨隆々の彼の為政者がいるのだから、本当にびっくりした。


 まさか、スクルージ氏がすぐに脱出したのか? と疑ったのだけれど、よくよく観察すれば、その違いは明らかな事に声が違うし、雰囲気もどことなく違う。そして、何よりもスクルージ氏と比較すると、弱い。



 あたしの鞭を容易く受け止めたスクルージ氏と比べると簡単に鞭が入ってしまい、戸惑いながらも、血まみれにしてしまった。


 瀕死の重傷を負わせ、死にかけのシュタイン氏に警戒しながら、拘束して話しを聞いたところ、スクルージ氏のソックリさんで影武者さんだったというオチ。


 初対面で、あたしはシュタイン氏を少し痛めつけてしまった。


 もちろん、キチンと回復魔法をかけたので、何一つ問題はない。


 問題はないわよね。


 テへッ♪

 …………。





 もし、仮にシュタイン氏に何か因縁をつけられてもあたしには切り札があるから問題なし。


    ■ ■


 今回の一件について、スクルージ氏は、シュタイン氏には全て伝えてあったそうだ。あたしという悪党をアサルトドアの邪本に誘っての処刑。


 多分、処刑が完了してスクルージ氏が帰ってくるはずだと思っていたシュタイン氏は、あたしという存在が帰ってきた事に怯えていた。



 シュタイン氏は怯えながらも、スクルージ氏が残していた事を吐いてくれた。


 我が身に何かあった時のための指針と遺言を残していたと言うのだ。あたしはシュタイン氏から、スクルージ氏からの遺言状を引ったくる。


 スクルージ氏からの遺言状は、謝罪の言葉から始まり今回のアサルトドアの世界へ行き自分が贖罪のために死ぬであろう予測をしていた。


 遺言状を読んでサッパリ意味がわからない。

だってそうでしょ?


 贖罪ってナニ?


 思い当たる節は沢山あるけれど、今は無視。


 


 自分が死ぬであろうという予測。うん、半分死んでいるけれどスクルージ氏は死んでなんかいない。


 あたしが現れた時点でシュタイン氏はスクルージ氏が死んでしまったと思ったみたいだけれどね。


 もちろんあたしはシュタイン氏に、ありのままを話したつもり。


    ■ ■




遺言状を読み終えるとスクルージ氏じゃなくてソルボンヌ氏から緑色のキューブクリスタルを渡された。


 このキューブクリスタルはは1人1人が小さな時から持たされている子供の握り拳より小さい身分証みたいなものだ。自分の健康状態だったりキャロルの管理等。


 当然あたしはすでに持っている。 真っ赤に染まったルビーカラーのキューブクリスタル。

何故キューブクリスタルを2つも持たなければならないのか?


ソルボンヌ氏からもう一通の書き置きを引ったくる。



[このキューブクリスタルの元の持ち主はまっさらな人間が持っていたものである。]


えぇ、えぇ、どうせあたしはまっさらじゃないですよ。こんな盗賊なんてやってれば当然汚いキューブクリスタルです!

半ばヤケになりながらも緑色のクリスタルスクエアを受け取る。


 緑色のキューブクリスタルを天井からの明かりにかざして手のひらに照射させると 【レナ=クラリシッド】の名前が照射される。これであたしは、【エレナ=ミラージュ】と【レナ=クラリシッド】の2つの名を持つ事になる。


 もしも、スクルージ氏の脱出が出来なくて、あたしだけが脱出してきたならば、このキューブクリスタルを渡すように。だって。



 気がついた時には遅かった。このキューブクリスタルを受け取るということはスクルージ氏からの依頼を受けるということになる。



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