『晩秋』
空はあくまで高く
大気は澄み渡り、
爽風が肌を撫でていく。
木々の実は熟し、葉は紅葉し
まもなく訪れる冬をたゆたゆと待つ。
上の方は薄い絹のような[絹雲]
真ん中にポカリと浮いた[綿雲]
その横に飛行機雲があった、
どこ行ったんかな~
十月の別名には、
神無月、神去月かみさりつき)、鎮祭月
陽月、大月、初霜月などがある。
神無月は、この月に諸国の神々が出雲に集まるため、
(この話は前に詳しくしたからお終い。)
初霜月は、文字通り初霜が降りるころやから
名づけられたとか。
山々が紅葉し、赤や黄色や橙に染まる頃
シベリヤから群れをなして飛来する鶫。
田畑や山林で容易にみえるその姿は愛らしく
両足を揃えて数歩ピョンピョンと歩いては立ち止まり、
胸をそらしては立ち止まり「ん?ん?」と首をかしげる
地面を跳ねるようにエサを採る格好から、
昔は鳥馬と呼ばれていたこともあるのだとか、
「どんな鳥なん?」
「そやな~ 体色は背中・頭・尾は茶色で、
眉の部分と喉・お腹は白くて、
胸から脇腹にかけては黒い鱗模様
雑種の猫と同じでこれには個体差があってな
色んな模様をしている子がおるんやで♪
嘴は黄色で先端が黒くて、
背中の黒い模様が濃ければオスや、」
「へぇ~、詳しいねぇ~(笑)」
「暇な店やからな………。」
「かわいい声で鳴くんや、」
「ふぅ~ん、聴いてみたいな~」
「俺も聞いてみたいな、」
というと、不意に
男は女を後ろから抱き寄せて言った。
「お前はどんな声で哭くんやろな、」
ツグミのさえずりを日本で聞くことはほとんどありません
「ジジッジジッ」といった地鳴きをすることがあるくらいです。
春夏の渡りの時期の直前には
「キュッキュッー/キュイキュイ」と、美しくさえずります。
ツグミという名前は、
日本国内ではほとんど鳴く様子を見られない生態から、
口をつぐむの意味で
「ツグミ」と呼ばれるようになったといわれています。