罪ありき者達に救いの手を
人生初の小説作成ですので拙いことが、たくさんあると思いますが、興味があったら是非読んでみてください!よろしくお願いします!
数日前のことだった。いつも通りの日常が流れる日々。高校生である俺は、いつも通りの時間に学校に出られたことに安堵しながら歩みを進める。夏の日差しは堪えるものだ。などと思いながら時計を一瞥し、周りの景色を見る。よし、この時間に、いつもの歩道橋を渡ることが出来ている。これなら急ぐこともないだろう。ーーーー?何だ、反対から人が来る?
通常、この歩道橋は朝は学生しか使わない。そのとめ、歩道橋で人とすれ違う、などということは滅多に無いと言える。
しかしながら、全く無いわけではない。俺がどうして疑問に思ったのか。それは、その人物が夏にもかかわらず黒いコートを着ていて、それをもって顔を隠していたからである。明らかに怪しい。こんなに暑いのに、そのような服装をする意味が分からない。分からないが、他人の服装などを、ずっと気に留めている、などという気はない。見なかったフリをして、学校に向かおう。
この選択が誤りだったんだ。この行動が、人生を変えてしまったのだ。この時、少しでも警戒を持ったまま歩いていれば、あるいは。
果たして、その怪しい人物は黒いコートを通りがかる俺の前で翻した。そうして、右のポケットに手をすばやく突っ込むと、刃渡りは、どのくらいか。とにかく大きなナイフを右手に握っていた。
突然のことに驚く暇を与えられず、俺は目をナイフで切り裂かれた。痛い、痛い!痛い!
後ろの方で女の人の叫び声が聞こえる。どうやら俺が倒れるところを、ナイフを持った、その人物を見てしまったのだろう。
ああ、目を開けて、その人物を、この目で捉えたい。
この痛みを与えた人物を。 でも、それは叶わなかった。なんせ、物理的に見えなかった。どうやら見えなくなってしまったようだ。俺の目が。ああ、考えたくもない。いつも通りの日常が、いつも通りの終わりを迎えることなく。嫌な特異性を運んできてしまった。そんなことを考えている内に、俺の意識は遠くなっていた。
ーーーーーこれが、数日前の記憶。俺は歩道橋で黒いコートを着た人物に襲われて。視力を失ったと思った。
今の俺は。視力は回復した。つい先日まで病院で痛みに喘いでいたが今は、それほどでもない。
それよりも、もっと辛い事実があった。一度失いかけた視力が元に戻った喜びすらも相殺する、最悪の現実を。
俺は、人の目を見ると『その人の罪』を視ることが出来るようになっていたんだ。これまで犯した罪。そして、これから行われる犯罪。それらを知覚してしまうのだ。犯行日時、場所、その罪状。この3点だ。
最初は喜びもした。正義のヒーローにだってなれるじゃあないかと。でもね、それは思い上がりだった。
いつも通りの日常に、いつもの場所。
そんな変わらない景色には、俺の思っていた以上の『罪』が溢れていたんだ。
これからも投稿がんばってみます!