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ある人外さんのお話  作者: 狐月鏡
第2章 女の子と水色ドラゴンとのお話
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第16話

ただいまストーリーが迷走中です。

話の流れはルイたちに任せてるからね、仕方ないね(言い訳)

「なんだこれ...」


カリーナについてきたルイとメリーは、ソフィアたちが襲われた場所、乗り捨てられた馬車のあるところについていた。


「馬車の中は荒らされてないみたいですね」


馬車を調べていたメリーが、中から顔を出しながら報告する。


「うーん。ソフィアたちがどこに行ったかぐらいわかればいいんだけどな」


腕を組み、唸っていると頭の上に何かが乗ってきた。


「キュー!」

「どうしたの?カリーナ」

「キューキューー!」


羽で川の下流の方を指しながら、鳴くカリーナ。


「あ、そっか。おれたちを見つけられたんだからソフィアたちを見つけるのも簡単か」


それを見たルイは、カリーナが指す方向へ走り始める。


「あ、ちょ、待ってくださーい!!」


馬車の中を引き続き調べていたメリーは、ルイがいなくなってしまったのに気づき、慌ててルイを追いかけて駆け出した。




川沿いに走りながらあたりを探していく。

カリーナによるとソフィアの匂いはまだずっと先にあるようだ。しかし、執事さんの匂いが川を流れているようだから、それも見落とさずに走らないといけない。


目の前に見えてきたのは、崩壊した橋だった。下で川が合流しているためか、流れが早い。これだと向こう側に泳げもしないだろう。

そう考えたあと、そのまままた下流に下ろうと走り出すが、カリーナがその場で地面に降りてしまった。


「どうしたの?」

「キューキュー!」


鳴きながらそのまま川岸まで降りていく。


「なにかあったみたいですね」

「とりあえず追いかけてみるか」


カリーナを追いかけしたに降りていくと、カリーナがしきりに橋の残骸に引っかかっている黒い物体を叩いていた。


「これは…人!?」


それは執事服をきたおじいさんだった。どうやら気を失っているようで、叩いてみても返事がない。

とりあえず川岸から引き上げ、様子を見てみることにした。


「メリー。おじいさんのことはよろしく。おれとカリーナはソフィアを探してくるから」

「え、まじですか。日がくれるまでには帰ってきてくださいよ?」

「多分ね。まあ戻ってこれるとは思うけど。こいつの鼻があれば見つけられるでしょ」


頭の上に乗っているカリーナの頭をポンポンと叩くと、「キュー!」と元気に鳴いた。自信があるようだ。


「じゃあね。おじいさんのことはよろしくー」

「了解です。……はぁ」


ため息をついているメリーを見て、苦笑を浮かべるルイだったが、川の下流の方を向き直った時のその顔はソフィアを見つけだすという決意に溢れていた。



「もう、私はいっつもおいてけぼりですよほんとに…」


周りから薪を集め、道から少し外れたところで火を焚いたメリーはまたため息をついた。


「カリーナさんっていう龍がきた時からずっとソフィアさんソフィアさんって…まあ友達を大切にするのはいいことだと思いますけど、だからって私のことおいてけぼりのします?ふつう。今日だって何回も勝手に出発して追いかける形になったんですよ?はぁ…」


独り言をグチグチいいながら焚き火のそばに座る。


「っていうかいま考えたらカリーナさんにもなんかひどい扱いされてませんでしたっけ?会ったときに首根っこつかまれた気が…...いつから私ってこんなキャラになりましたっけ...なんか考えてたら悲しくなって来ました…...」

「それは…大変ですね」

「そうなんですよ!まあ友達思いっていう点ではルイの長所なんだとは思いますけど……って、いつから起きてたんですか!?どこから聞いちゃいました!?」

「えっと…ソフィア様の扱いの差の話のところから少々」

「それってはじめからじゃないですか!?」


おじいさんは既に起きていたようで、メリーは真っ赤になって丸くなってしまった。


「申し訳ございません。このことは一切他言しないと約束いたしましょう」

「…絶対ですよ?絶対にほかの人にばらさないでくださいね…?」


おじいさんの了承を受け、しぶしぶ許したメリーはおじいさんの方へ改めて向かい合った。


「それでは、これからの方針を決めましょう。まず自己紹介ですね。私の名前はメリーです。あなたは?」

「私は…執事です。それ以外の何者でもありません」

「いや名前を聞いt「執事です」…じゃあ執事さんで。執事さんはどうして川に流されてたんですか?」

「…!ソフィア様!!」


執事は急に立ち上がると、ソフィアの名前を叫び、あたりを見回した。


「ソフィアさんを知っているんですか!?」

「はい。私達はソフィア様を王都までお連れする途中で黒ローブの3人組に襲われたのです。その時私は胸を刺され川に投げ込まれたのですが……おかしいですね。胸に傷跡がありません。」

「本当ですね。なんででしょうか……まあソフィアさんの件は、いまルイさたちが探しているところなので問題ないと思います。」

「ルイ様が…それは心強い。」

「ルイさんも知っているんですか?」

「ええ、ソフィア様がルイ様のことをよくお話されていたので」

「なるほど。まあ私達がいまでかけても、出来ることはないので、ルイさんたちが帰ってくるの待ちましょうか」

「…そうですね。うかつに行動するのも危険というわけですか」


2人は焚き火の前で雑談しながらルイたちの帰りを待つことにした。

ソフィアの無事を祈りながら…



―――――――――



「ここら辺かな?」

「キュ!」


ルイたちは川の河口付近まで来ていた。

ソフィアの匂いを探っていると、ここまで来てしまったのだ。


「ソフィアがどこにいるか正確にわかる?」

「キュー…」

「まあそう落ち込まない。ソフィアだって一応戦えるんでしょ?」


見るからに落ち込んでしまっているカリーナを宥めながら、あたりを見渡す。

河口付近なだけあって、木はあまり生えておらず見晴らしがいい。こんなところにソフィアを連れ込むところなんて無いように思えるが、カリーナの感覚は信じるに値するだろう。


そこで、海岸に近づいてみることにした。

何故かはわからない。とりあえず行動しなければ始まらないと思ったからだ。海に面しているところは岩場になっており、波の水しぶきが高くまで上がっている。


「…あれ?」


一部のところで水しぶきが上がっていないところが見えた。近づいて見ると岩が少し加工されているようにも見える。


「少し潜ってみるか。カリーナ。ちょっとそこで待ってて」

「キュイ」


カリーナが頭の上にから離れるのを確認すると、一気に海の中に飛び込んだ。

ルイが着ている服はルイ自身の鱗のようなものを加工して作ったものなので防水はバッチリだ。



「…洞窟かな?」


違和感のある岩のしたには人が1人やっと入れるような小さな穴があった。あたりを警戒しながらおそるおそる中に入っていく。

しばらくその水没洞窟をゆっくり泳いでいくと、水がなくなりやたらと大きな、それこそすぐ上が地上ではないかのような空間が広がっていた。


「すぐ上って地上だったよね…なんでこんなに天井が高いんだ?」


しかしただ広いだけであたりには何も無いので、とりあえず先に進んでみることにした。



くす………くすくす……………



唐突に、あたりに響くように小さな声が聞こえた。


「!?誰かいるの?」


返事はない。そこでルイは、この声が聞こえたと思われる方向に駆け出していった。




「はぁ…はぁ...」


(…ほんとに何なんだここは。いくら走っても何も無い。最初に出てきたところはもう見えなくなっちゃったし…)


かれこれ数分間、休まず走っているが目に映るものは暗闇。はっきり見えるものといえば地面しかない。その地面も、水があったところから来たには違和感のある乾いた土だ。途中、またあの声が聞こえた。相変わらずどこから聞こえるかわからない不思議な声だ。



くす……あはは……


ほら。これで三度目。

少し大きくなっている気がする。そう自分に言い聞かせ、進み続けた。

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