表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/22

じゅうはっち

運営様から警告を受けたので、自主規制版に差し替えました(´・ω・`)

完全版はハーメルン様でっ(*´ω`*)

https://syosetu.org/novel/146817/18.html

 お風呂場で気絶した氷雨ちゃんを運ぶことは、私にとって、とても高いハードルだった。

 まず、お互いの身体に付着している泡を洗い流して。

 次に、鼻血の止まらない氷雨ちゃんの鼻に、タオルを宛がって。

 担いで運ぼうとしたけれど、氷雨ちゃんの方が私より体格がいいから。

 結局、脱衣場で意識を取り戻した氷雨ちゃんが、自力で行動することになったのだけど。

 その行程には、凄く時間がかかってしまった。



 ――……そのせいで。



「ごめんね、氷雨ちゃん……」


 罪悪感で、胃がキリキリと痛む。


「ん、大丈夫だよ」


 ベッドに横たわったまま。

 真っ赤な顔で、氷雨ちゃんはそう答えてくれたけど。

 ピピピッ、と電子音が響き渡って。

 氷雨ちゃんの脇から取り出された体温計が示していた数値は『38.5度』。


「ごめんね!」


 重ねて謝罪し、頭を下げる。

 ははっ、て。

 困ったような、氷雨ちゃんの笑い声にも、力がなくて。

 

「近所の病院は、もう閉まっちゃってるし……」


 残念ながら、薬局は近くにはない。

 こんな状態の氷雨ちゃんを残して、遠出が出来る筈もないし。


「あっ、前に病院で貰った薬が残ってるかも!」


 藁にも縋る気持ちで、棚を漁った。





 結果。

 以前に私が病院で処方された薬がみつかったのだけど。



「ざ、『座薬』しか、ないなんて……」


 

 それは。

 色んな意味で抵抗があったので、使用しなかった薬で。

 でも、解熱作用のある薬には、違いなくて。


「氷雨ちゃん……」


 自然と、情けない声が、喉から漏れた。


「……」


 しばしの、沈黙の後。 

 くるっと身体を反転させてうつぶせになり、枕に頬を埋めた氷雨ちゃんは。

 肩で体を支えながら、腰を高く上げて。


「母さん……熱いよ」


 吐息と共にそう漏らすと、己のショートパンツに指を引っ掛けた。

 そして――……そのまま、ショーツとまとめて、ずりおろした。


「ッ!」


 息が、止まった。


「ひ、ひょうちゃ……っ」


 目の前で揺れる、氷雨ちゃんの『お尻』。

 あまりの衝撃に、目を逸らすことも出来ない。

 そんな私に、魅せつけるように。


「母さん、苦しい、よ……」



 氷雨ちゃんは。

 己の股の間から、手を伸ばして。

 お尻の谷間を、押し広げた。



「……ぁッ」



 --------------------------------


 ******自主規制******


 --------------------------------



「……ね、かあさん」


 ああ。


「おねがい」


 それならば。



「わたしを――……たすけて?」



 私は、ただの、虫けらだ。



 --------------------------------


 ******自主規制******


 --------------------------------



「……ッ!」


 ハンマーで、思い切り後頭部を殴りつけられたような、衝撃。


「ひ、ひょうちゃん……」


 舌が乾いて、上手くまわらない。

 私は、惚け切った意識のまま、氷雨ちゃんの膝に手をかけて――……。



「え?」



 赤い、いくらなんでも赤すぎる氷雨ちゃんの顔を見て、動きを止めた。


「氷雨ちゃん?」


 声を掛ける。

 すると、氷雨ちゃんは。



「ひ、氷雨ちゃぁああああんっ!!??」



 目を回して、後ろにブッ倒れて。

 ベッドの柵で、後頭部を強打し。

 気絶した。





 熱を測ってみたら、39度8分という高熱で。

 我が家の発熱記録の大幅な更新だった。





 翌朝。



「母さん」

「……」

「母さん」

「……なに」

「ありがとう」

「なんで」

「痛くなかったよ」


 氷雨ちゃんは。

 私の作ったおかゆを食べながら。

 真っ赤な顔で、幸せそうに笑って、言った。



「気持ちよかった」



 私は。

 冷えピタ越しの氷雨ちゃんのおでこに、デコピンをお見舞いして。

 小さな声で、悪態を吐いた。



「……氷雨ちゃんの、ばか」

次回からサブキャラにもスポットライトをあてていく予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ