三日目 謎の美少女現る
「まだ売ってて良かった。売り切れてないか心配だったんだよね。」
沙紀がご機嫌な表情でいった。
その一方、明は
「あんな熊一つに4000円もするのかよ…この間おばあちゃんからもらったお小遣い1000円しか残ってねえよ。」
という感じに少しへこんでいた。
「あっくんありがとう。これ、大切にするね。」
「お前、今あっくんって言っただろ。その呼び方は恥ずかしいから小学生までにしてくれって言っただろ。」
「まだ他の人の前で言わなくなっただけいいじゃん。」
そういってまた沙紀はご機嫌な様子でテディベアに視線を戻した。
それ以上二人が会話することなくそうこうしている間に明の家の前まで着いた。
「今日はどうする?夕飯食べていくか?」
「今日はいいや。これだけで十分。」
そう言ってさっき買ったテディベアを見せてきた。
「そうか、じゃあまた明日。」
「うん、また明日。」
そう言うと沙紀は明の家の隣の家に入っていった。
沙紀と別れた明はその後夕飯を食べ、風呂に入りその後布団に潜り込んだ。
しかしなかなか眠れなかったので近くのコンビニに言って漫画を立ち読みすることにした。
「ジャンプも面白いけどサンデーもなかなかいいなぁ。」
そんなことをボソボソ言いながら立ち読みしていると店員の「いらっしゃいませ。」という声が聞こえた。
こんな時間にコンビニに来る人いるんだな。そんなことを思っていたらふと入ってきた客と目が合った。
「綺麗な人だな…」思わず声が漏れてしまった。
黒くて艶のある長めの髪、モデルと比べても勝るとも劣らないと思うほど整った顔立ち、全体的にスレンダーに見えるが確りと胸もあるように見える。
その少女はいつの間にか買い物を済ませ、明の方を見るとニコリと笑い真夜中の闇の中に消えていった。