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少年

絵の得意な律子は佐紀子に持ってきて貰った絵手紙セットの中から筆を取り、慣れた手つきで絵を描きはじめた。

小高い丘に描かれた大きな桜の木だった。


描き終わると小皿の水に浮かせ、大切に置いておいた 昨日の桜の花びらを優しくタオルで水気を切り、描いた絵の上にそっと乗せた。


薄い白い紙を上に重ね、ナースセンターから借りた分厚い電話帳の間にそれを入れた。


ひとひらの桜の押し花を作り 栞にしようとしていた。

一作業終えた律子はゆっくりとベッドから降りると点滴を付けたまま、一階下の売店へと向かった。



フリカケ、飴、そしていつもの本コーナーへと回った。


そこで一冊の音楽雑誌の前で止まった。


その前には少し背の高い高校生くらいの爽やかな少年がその雑誌を手に取って見ていた。


昼過ぎだからか続々と売店に人がやってきた。


アイスや雑誌を買う若者やお菓子を選びに来る親子連れ。



不自由に松葉杖をつきながら 若い派手めな女性がその雑誌に手を伸ばした。次の瞬間すんなりと会計に持って行ってしまった。



律子は「あら、先に買われちゃった」


思わず口に出してしまった。


その声に少年は細い茶色の綺麗な髪をなびかせスッと振り返った。



「あの、この本買われます?」


「おかしいでしょ?おばあさんがこんな本って思うでしょ。でも

残念だわ。今月はRicken backer特集だったから。」


「おばあさん、あ おばさん…」


「いいのよ!だっておばあさんだもの。あなた学生さんでしょ?私にもあなたと同じくらいの孫がいるもの。おばあさんでいいわよ」



「いや、でも、、

そんな事より 詳しいですね!おばあさんみたいな年の人が、、、、、、あっごめんなさい 。


あの俺、今月使いすぎちゃって雑誌買うお金足りなくて、立ち読みしてただけです えへ」


少年は照れながらそう言った。












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