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かごめ

作者: 都香紗

♪かごめかごめ

かごの中の鳥は

いついつ出会う

夜明けの晩に鶴と亀がすべった

後ろの正面だ〜れ?♪


懐かしい歌が聞こえてきた

小さい頃よくやった遊びだ


いまは夜

もう子供たちは寝静まる頃だ

なのに何故この歌が…

まさか大人がやってるとは思えない。

それに

この声は明らかに子供の声だ。


(こんな時間まで遊んでるなんて…。親はなにをしてるのだろう?)

そんなことを思いながら家路を急ぐ。


そろそろ家が見えてくるちょうどその時


ヒヤッとした死人みたいに冷たい手が私の手に触れた。

「きゃっ!!」

突然のことで悲鳴をあげその手を振りほどく。


その手の正体を見ようと恐る恐る後ろを向くと…




そこには

今にも泣き出しそうな

お人形さんみたいに真っ白な肌をした

小さな女の子がいました。


私はその小さな女の子の手を振りほどいてしまったことに罪悪感を抱き

女の子の前でしゃがみこみ

「ごめんね。急に手を握られたから驚いちゃって、本当ごめんね」

慌てて謝る。

女の子はコクンと頷き

また私の手をギュッと握った。


(ここらへんでは見たことない子だなぁ。こんな可愛い子いたら忘れるわけないし…。引っ越してきたばかりかな?)

などと考えながら女の子に話しかける。

「こんな時間にどうしたの?迷子になっちゃったの?」

女の子はなにも言わず下を向いたまま。

私は「困ったなぁ」とボソッとつぶやき考え込んでいると女の子が私の手を引っ張ってきた。

「どうしたの?」と聞くと「こっち…。」と小さな声で言い私の手を引っ張っり歩いていく。

(お家思い出したのかな?)と考えながらついていく。




どれくらい歩いたのだろう?

かなり歩いた気がする。

「どこまでいくの?」と声をかけようとした時

また聞き慣れた歌が聞こえてきた。



♪かごめかごめ

かごの中の鳥は

いついつ出会う

夜明けの晩に

鶴と亀がすべった

後ろの正面だ〜れ?♪



(またこの歌…。今日はよく聞くな。)と思ってると

女の子が急に止まる。

私は周りを見渡してみる。

そこは真っ暗でぽつんと小さな神社があるだけ。

「こんなところに神社が…。」

女の子は一人神社への階段をのぼる。

「あっ!待って!」

女の子を追いかけ階段をのぼる。

するとまたあの歌が…。

どんどん声がはっきりと聞こえてくる。


そしてのぼりきろうとしたとこでゾクッとした嫌な寒気がしピタッと止まる。

これ以上行ったら帰れない気がする…。

しかし帰ろうにも後ろには一歩も動けない。

前にしか進めない。

(帰りたい!!)



ギュッとまた冷たい手が私の手を握る。

私は怯えた目で女の子をみる。

女の子はニコッと微笑み

「お姉ちゃん。一緒にあそぼ♪」



♪かごめかごめ

かごの中の鳥は

いついつ出会う

夜明けの晩に

鶴と亀がすべった

後ろの正面だ〜れ?♪




その後

女の人の変死体が神社で見つかった。

ただ顔はぐちゃぐちゃ

身元がわかるようなものはない。

誰だかわかってもらえず葬られた。



その女の人の変死体が見つかったその日の夜になると

聞こえてくるらしい。

あの歌が…。

そしてあの女の子の不気味な笑い声が…。


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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。 日下部と申します。 子供の遊び歌には、えてして、怖~い裏話があるものです。 そんな曰くを現代風に表現したところはタイムリーだし、話の組み立ても無難な構成です。 なんとな…
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