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コンビニにトラックが来る

作者: WAIai
掲載日:2026/07/20

「こんにちは。いら…」


俺は入口を確認すると、彼女が来ていた。


「お前!また来てれたのか?」

「うん。喉が乾いて、お腹も空いたしね」

「そうか。俺のオススメは…」


すると、また入口が鳴った。


誰だと見ていると、いつも食品を届けてくれるトラック運転手だった。


「お疲れ様です」


彼女にここにいろと指で指示すると、俺は男性の元に行く。


青色コンテナの中に商品を入れており、並べるのが俺の仕事だった。


「おう。相変わらずだな」


腕を叩かれ、俺は表情を緩める。


昭和の香りがするような、兄貴分タイブで、情報を教えてくれたり、商品の何が売れているのか知りたがったりと、互いに情報交換をしていた。


俺は上機嫌に遊ぶライオンみたいに、男性に言う。


「この間、計ったら、また伸びました」

「そうか。若いうちはいっぱい食べて、いっぱい動け。いいな」

「分かりました」


俺が素直に答えると、男性はちらりと彼女を見てくる。


「お前の彼女か?」 

「そうです」


三つ編みして、妖精みたいなふわりとした、ワンピース姿。


俺は取られてはならないと、密かにガードする。


しかし男性に読まれたらしく、苦笑する。


「取らないよ。俺、奥さんと子どもがいるし」

「そうですか」

「お前、まだ若いな。彼女を助けようとするのもいいけど、ほどほどにな」


俺の頭を小突くと、男性は振り向く。

「まだ、あるんだ。よろしく頼む」

「はい!!」


サーカスの座長に懐いたライオンみたいに、俺は荷物を取りに行く。


彼女はコンビニの中におり、ちらりと見たが、商品を見ているらしかった。


「お前、これ運べ」

と言われ、荷物を受け取る。


俺は自然に受け取りつつ、聞いてみる。


「トラックでどこから来たんですか?」

「それはな…。こそこそ」


寄れと手で誘われ、男性に近づくと、小さな声で教えてくれる。


「そんなに遠くから来ているんですか?」


驚いて男性を見れば、ぷっと笑い出す。


「お前な、俺達が毎日、何km走っていると思う? トラック運転手をなめるのよ」

「なめてません」


俺は尊敬の眼差しを向けると、

「早く中に運べ。悪くなるぞ」

「は、はい」


俺は素早く移動すると、店内いた彼女が、カゴを持って近づいて来た。


「何、買うんだ?」

「あのね、サラダスパゲッティと、サイダーとミルクティーと、ベイクドチーズケーキかな」

「そうか。もう会計を済ませたのか?」

「まだ。あなたにやってもらおうと思って」


彼女が白い肌を赤く染めると、目を伏せる。


俺も優しげな顔になると、男性に言われる。


「若いな。俺もそんな時期があったっけ」

「何、言っているんですか? まだ若いじゃないですか」

「それはそうだ。負ける気がしない」


ははっと男性は笑うと、俺の彼女を見て、1000円渡してする。


「これで何か買え。成長期なんだから、遠慮するな」

「でも…」

「いいから。…あ、新しくお客さんが来たぞ。早く商品を並べろ」


そう言うと、男性は振り返り、行こうとする。


「もう行くんですか?」

「ああ。トラック運転手は時間厳守だからな」

「厳しいんですね」

「まあな。俺はいいから、彼女と何か買え」


そう言うと、手を上げ、行ってしまった。


彼女は恐る俺に聞いてくる。


「目つきの鋭い人だね。うちのライオンさんに負けていないや」

「そうか? それなら嬉しい。俺の憧れの人だから」


駐車場を見れば、トラックがバックして出て行くところだった。


俺は手を振ると、彼女に1000円札を見せる。


「どうする? 何か買うか?」

「うーん、、どうしよう。アイスでも買おうか?」

「おう」


俺は答えると、彼女にアイスを選ばせる。


「どれがいいか、考えとけ」


その間に、荷物を並べたり、バックヤードに持って行ったりする。


「お会計、お願いします」


彼女の鈴のような柔らかい声。


俺はすぐさまレジに向かうと、彼女の買う商品のバーコードを通していく。


会計金額が出ると、彼女はICカードで支払うのだった。


「ありがとうございました」


俺は丁寧に頭を下げた後、彼女に聞く。


「トラック運転手、かっこよかっただろう?」

「うん。何でもこなしそうな、賢そうな人だったね」


2人でふふと笑うと、俺は彼女に言う。


「気をつけて帰れよ。分かったか?」

「うん。ありがとうね」


1人だけオーラの違う彼女。

白いだけ不安だが、俺はまだ仕事があるので、彼女を見送るだけにとどめた。





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