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第7話 胸の秘密

 クラス中の視線が、まだ俺に突き刺さっている。


 さっきの「この人」発言の余韻が、教室から消えていない。

 俺は居心地が悪くなったので席を立った。だが、俺の肩に二つの手が置かれた。


「一緒にやろ?」

「一緒にやりませんか…?」

「は、はい…」


 こんなの断れねぇよ!?あんな期待の目をされたらさ…

 俺が承諾すると、二人の顔は効果音が付くようにぱぁと明るくなった。


「じゃあ、やろう!」

「そうですね。今すぐ調べ物をしましょう」

「いやいやまだ先生から何発表するかも聞いてないし…」

「確かにそうですね…先生、発表する物ってなんでしょうか?」

「んあ?そうだな…まぁなんか歴史のやつで」


 ……雑。絶対授業したくないから発表にして、今日班決めにしただろ。

 俺は駄目教師に呆れつつも班は俺、由紀、真衣に決まったようだ。


「歴史的なものって言ってたけど、歴史は多すぎるだろ…」

「まぁしょうがないよ。あの先生適当だから」

「もうちょっと授業をちゃんとしてほしいものです」


 由紀と真衣はお互いをちらと見た。


(やった…壮馬くんと一緒の班になれた…けど、やはり陽光が邪魔ですね)

(壮馬と一緒の班…ここまでは良い。だが、氷結をどう排除するか…)


「壮馬〜江戸時代とかどう?結構長いし発表するのも多そうだよ〜?」

「そうだな…江戸時代なら歴史も深いし、良さそう…」

「私的にはいっそ縄文時代も良いかと…」

「そう…だな…縄文時代も深そう…」

「どしたの?壮馬」

「どうしました?」

「い、いや…なんとも…」


 …近い。

 右に由紀。左に真衣。二人が俺の腕に触れる度、柔らかい感触が伝わってくる。

 どちらも大き過ぎず、小さ過ぎず――ちょうどいい。

 ……って何考えてんだ俺。

 中学生の時は二人がサイズを勝負をしていた記憶も…いや、駄目だ。考えるな!今考えたら絶対ヤバい…

 俺はそんな幸せハーレムに耐えながら調べ物を続ける。


(む〜壮馬ってこれでもだめなの?)

(この程度では、反応はしない…壮馬くんのガードは硬いですね)


「ねぇねぇ壮馬?」

「ど、どうした?」

「私と氷結…どっちが良い?」

「な、何が…?」

「陽光…集中してください」

「うるさいなぁ。アンタもしてるじゃん」

「いえ、していません」

「壮馬?正直に言って?」


 そう言いながら由紀は強く胸を押し付けてくる。その様子を見た真衣は負けじと強く押し付けてくる。

 うぅ…この状況どうすれば…普通にこのままじゃ俺の理性が持ちそうにないし、調べ物も進まない…


「わ、悪い…このままじゃ調べ物進まないから普通にしてくれないか…?」

「え〜そう?」

「壮馬くん。本当はどっちが…?」

「真衣は予想外だ…」


 その後も俺は幸せのような地獄のような状況を乗り切り、昼休みとなった。午前の授業はずっと迫られて気持ちが休まらなかった。


「はぁ…疲れた…ここが一番休まる…」


 由紀は分かる。だけど、なんで真衣まで…?そんな性格じゃないだろ…


「あ〜いたいた。探したよ〜こんな所でお弁当食べてたの?私も入れて〜」

「私も入ってもよろしいでしょうか?」

「い、良いけど…」


 なんでここが分かった?ここは校舎裏だぞ?俺の体のどっかにGPSでも付いてるのか?


「いや〜壮馬のお弁当美味しそうだね〜?何か一個くれない?」

「あ、あぁ良いぞ」


 由紀は俺のお弁当から唐揚げを一つ箸で掴み、口に頬張った。

 その様子を見ていた真衣が、少しもじもじしながら弁当を差し出してきた。


「壮馬くん、よかったら私の卵焼き食べますか?壮馬くんの好みに寄せてるので食べやすいと思います」

「そういえばこの前言ったような…覚えててくれたのか…」

「うん、壮馬くんが喜ぶかなって…」

「ありがと、一個もらうぞ」

「うん」

「美味しそう…ウチも貰うね!」

「貴女は駄目です」

「なんで!?」


 二人が喧嘩している間に俺は真衣の卵焼きを口に含んだ。

 …うま。ちょっと辛いけど、その中にも甘さがちゃんと活かされてる…将来の夫は幸せだろうな。


「ふふふ…」

「何笑ってるの?壮馬」

「いや、ただの妄想だよ」

「ふ〜ん、じゃあ今日の調べ物の時どっちの方が良かった?」

「いや〜それはどっちも柔らかくてすご…」


 しまった…

 俺は咄嗟に口を抑えたがもう遅かった。

 二人は俺の発言に驚愕し、その後二人はすぐに顔が真っ赤になり、俺の背中をポコスカ殴ってくる。

 ダメージなし…あまり痛くない…


「壮馬の馬鹿…」

「壮馬くんの馬鹿…」

「ご、ごめん…」

「そんな正直に………」

「馬鹿……馬鹿…」


 二人は恥ずかしくて語彙力がなくなっている。真衣に関しては馬鹿しか言えなくなるほど語彙力がなくなっている。

 油断してたな…変な妄想してたせいで途中に由紀の言葉に反応しちゃった…

 もう余計なことは言わないようにしよ。もう遅いけど…


「むぅぅ…」

「悪かったって由紀…」

「ぅぅぅぅ…」

「真衣も…」


 その後、昼休みが終わるまで二人の機嫌は治らなかった。

 五時間目の授業中

「ここはこうして…」


(うぅぅ…まだ恥ずかしい…)

(ホントに壮馬の馬鹿!!)

(で、でも言えることは)

((絶対))

(私の方が大きい!)(ウチ)


「壮馬…」

「ど、どうした?」

「放課後、校舎裏ね?」

「な、なんで…」

「良いから」


 校舎裏…?なんで、わざわざ?

 俺はそんなことを考えてるうちにいつの間にか放課後になっていた。

 校舎裏だよな?


「ここだよな…」

「よく来たね壮馬!」

「よく来たねも何も由紀が呼んだんじゃん」

「まぁまぁそんなことは良いからさ!ほら氷結も恥ずかしがってないで来なよ!」

「うぅぅ…は、はい…」

「え、えっと…これは何が始まるんだ…?」

「ふふふ…それはね…どっちのか当てるゲーム!!」

「どっちのか当てろゲーム…?」

「そう!今から壮馬には目隠しをしてもらってウチと氷結のを触ってもらいます!それでどっちが大きいか決着を着ける!!」

「い、いや待て…真衣は承諾したのか!?」

「ふふふ…後ろを見てみなさ〜い!」


 俺は言葉通りに後ろを見ると、真衣は顔を見たことない程に顔を真っ赤にしながらゆっくり顔を縦に振っている。

 こ、これ大丈夫?誰かに見られたら俺の人生終わるんだが…いや、終わる…


「い、いや待て!由紀は分かるがなんで真衣が…?」

「そ、それは…そ、その…壮馬くんが喜ぶかなって…」


 (これに嘘も偽りもない…)


 ……いや、無理だろ。


 無理なはずなんだけど。


あんな顔されたら、断れるわけないだろ…

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