第6話 二人はモテモテ
教室に着き、席に着いた。
「やっぱ真衣ってモテるんだな…」
「そ、そうですかね…?あの人が偶然告白してきただけですよ…」
「ふふふ…まったく、氷結を狙うなんてまるでセンスがないね〜!」
「失礼ですね。貴女よりかはモテる自信はありますよ?」
「ほぉ〜言うね〜じゃあ壮馬に聞いてみよっか!壮馬!ウチと氷結どっちがモテると思う〜?」
「え〜そんなん急に言われてもな…俺的にはどっちもモテそうだしな…由紀はいつも明るくて皆から人気あるから、明るい女王に見える…真衣はいつも大人しく静かでまるで、冷たい女王に見える…どっちも良さがあるんだよ」
「あ、ありがと…」
「あ、ありがとう…ございます…」
由紀と真衣は褒められて照れたのか顔を真っ赤にしながらも、笑顔でいた。
そんな顔されたらこっちまで照れそう…
「よし!こうなったら勝負だ!!」
「勝負…ですか?」
「勝負?」
「そう!ウチと氷結、どっちの方がモテるかの勝負!」
「また意味を分からないことを…」
「じゃあ氷結は負けを認めるんだね〜」
「うっ…わ、わかりました!その勝負受けて立ちましょう。ルールを教えてください!」
あぁ…また面倒くさいことになりそうだ…まぁ、今回は俺に関係ないから安心安心…
「ルールは!昼休みに中庭で待機して多く声を掛けられた方の勝ち!人数を数えるのは壮馬よろしく〜」
「分かりました!受けて立ちましょう!!」
いやいや!受けて立ちましょう!!じゃねぇよ!結局俺も巻き込まれるのかよ!?勘弁してくれぇぇぇ!!
こうして由紀と真衣の謎の勝負が開始された。
時は流れ昼休み。由紀と真衣は弁当を食べ終わり、中庭に待機している。その様子を俺は弁当を食べながら見ている。
なんで俺がこんなことやってんだ…
(今考えたらこれ恥ずかしいですね…いわば公開処刑みたいなもんじゃないですか…)
(私は日頃からモテるから絶対声掛けられるもんね!)
……とか思ってるんだろうな、あいつらは。
そうして勝負開始から数分が経ち、まずは真衣の方に人が来た。
「あ、あの朝日さん…ちょっと話があるんだけど…」
「はい、なんでしょうか?」
「ずっと前から好きでした!付き合ってください!」
「すみません、お付き合いすることはできません」
「そ、そうですね…」
男子生徒は回答は分かりきっていたようで肩を落として帰って行った。
ははは…無駄なことを…真衣と付き合うなんて夢のまた夢だぞ?まぁ…俺ならいけるかもだけど…
「あ、あの白上さん!」
そんなことを考えていると由紀の方にも人が来た。
「どうしたの〜?」
「ずっと…いえ、入学式のときから一目惚れしました!僕と付き合ってください!」
「気持ちは嬉しいけど、ごめんね。私好きな人いるからさ」
「じゃ、じゃあその好きな人って?」
「ふふふ…それはひ・み・つ!」
さすがにここからじゃ、何を話してるかまでは分からないな…だけど、今のところは二人共一ポイントだな。
その後も勝負は続き、二人共十ポイントまできた。
いや、昼休みで十人ずつって、どんだけモテるんだよ
昼休みは残り十分…どっちが勝つのかは分からない。が…何故か二人の様子を窓から見ている連中は何十人もいる。おそらく告白しても無理なのは分かってるからせめて見たいのだろう。
「あ、あの…」
「「えっ?」」
「朝日さんと白上さん!どっちか僕と付き合ってください!」
「「は?」」
二人同時に告白…?馬鹿なことを…あの二人は恋愛には超が付くほど真剣…つまりは…
「貴方は馬鹿なのですか?」
「えっ?」
「そうよ。アンタ馬鹿?」
「えっ…?」
「貴方には少し恋愛について教えましょう。陽光」
「そうだね。これはウチも同意。来てね」
「えっ…」
男子生徒は由紀に首根っこを掴まれ、校舎裏に連れて行かれた。
はぁ…ホント馬鹿なことしたな……あいつ、やっちまったな。
二人は何故か恋愛に対しては一致団結するほど真剣なのである。小学生の頃も同級生に恋バナを相談された時は周りが引くほどに真剣に相談を聞いていた。
つまり、あの男子生徒はいわば爆弾を踏んだのと同じなのだ。
その後、男子生徒はげっそりした顔で裏校舎から出て来たが、由紀と真衣はまだ怒っている様子。
昼休みが終わりそうな時間だったので由紀と真衣は教室に戻ってきた。
「壮馬〜!結局どっち勝ったの?」
「当然私です」
「い〜や!ウチだね!」
「勝負の行方は…同点」
「ど、同点…?」
「絶対壮馬数え間違えてるって!ウチが氷結とおっしょの訳ないでしょ!」
「いや、同点だ。最後二人がアイツを説教しに行かなかったら勝負は分からなかったかもな」
「い、いやあれは仕方ないじゃん…」
「そ、そうです…あれは仕方ないです…」
「昔から思ってたけど、その恋愛に対する真剣度はなんなんだよ…」
俺がそう言うと二人は驚いたような顔をした後、頬を膨らめながらぷいと横を向いてしまった。
「なんでって…この鈍感…」
「同意します」
「なんて言った?悪い聞き取れなかった」
「も、もう良いよ!」
俺が聞き返すと由紀は顔を真っ赤にしながら怒り、席に着いた。
その様子を見ていた真衣は小さなため息をして、首を横に振りながら席に着いた。
「は〜い。授業始めるぞ〜今日は班で発表してもらうぞ〜三人までな!」
先生がそう言うと周りからは「え〜」などの声が飛び交った。
「え〜って言わない。その代わりに好きに班決めて良いぞ?」
先生がそう言った瞬間、クラス中からは歓喜の声が上がった。
それほど嬉しいことなのか?
俺がそう思っているとクラス中の目線が由紀と真衣に向けられた。
あ〜なるほどね…皆由紀と真衣を狙ってると…
「じゃあ今日は班決めで授業終わらすか〜じゃあ始め!」
いやサボり過ぎだろ…まぁ楽だから良いか…
そう思ってるとクラス中が由紀と真衣の周りに集まり、「私と…」「俺と…」などの声が飛び交った。だが、二人の発言にクラス中は静まった。
「私、なりたい人が居るので…」「ウチ、」
それを言った瞬間、二人は俺の席に集まり手を置いた。
「「この人」」
「「「「「「「「「「えっ…?」」」」」」」」」」
ざわついていた教室が、嘘みたいに止まった。クラス中の視線が俺に突き刺さる。
おそらくクラス中はこう思っているだろう。
――なんでコイツなんだ?
はぁ……なんでこうなるんだよ。 俺、何かしたか? ……帰りたい。今すぐ帰りたい。
あぁ、もう無理だ…
読んでくださりありがとうございます!由紀と真衣はグイグイ攻めていくようになりました。まぁ壮馬には迷惑のようですが…




