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第2話 昼休みがややこしい

 午前の授業が終わり、昼休みとなった。クラスが一斉にお弁当を取り出し始める。だが、俺が食べる場所は教室ではなく真衣に誘われた中庭に向かう。

 ん?そこの君、俺が便所飯だと思っただろ?失礼だぞ。


「壮馬くん。行こ」

「急がなくても中庭は逃げないぞ?」

「そ、そうですね…中庭は逃げないのでゆっくり行きましょう…」


 真衣はまた頬を赤く染めながら俺の袖を掴み、中庭に向かう。

 正直、由紀よりも真衣といる方が落ち着く、由紀は明るく真衣は静かめだから俺にとっては真衣の方が話しやすい。


「壮馬くん。あそこのベンチ良いですか?一番日当たりが良くて暖かそうなので」

「うん、良いよ。そこにしよっか」

「そうですね」


 俺達はベンチに座りお弁当を開けた。

「真衣って自分でお弁当作ってるんだっけ?」

「あっう、うん…良かったら食べる?今日の卵焼きちょっと自信作だから…」

「良いの?じゃあ、貰おうかな」


 俺は箸で真衣の卵焼きを掴み、口に含む。口に含むと甘みが口に広がった。

 なんだこれ……美味すぎる。

 本当にほっぺ落ちそう。


「真衣。一回店でも出したらどうだ?この卵焼き美味すぎるぞ?」

「そ、そう?ありがとう…」


 真衣は照れたのか俺から顔を逸らしお弁当を食べている。見ててこっちも照れてくる。


「俺食べたし俺のも食べる?一応自作だから」

「良いの!?ありがとう。じゃあ遠慮なく貰うね」


 真衣は俺のお弁当から卵焼きを一つ箸で掴み、口に含んだ。


「美味しい…壮馬くんってちょっと辛いのが好き?」

「そうだな。辛いのが好きで卵焼きの味も調整してるんだ」

「壮馬くんがこの味好きなら良いけど、私的にはもうちょっと胡椒を加えても良いかも」

「ありがとう。明日してみるよ」

「ん?あれは…壮馬くん。ここから離れましょう」

「ん?急にどうした?」

「うるさい人がおそらく来ます」

「うるさい人…?」


 真衣は校舎の窓を見上げて、諦めたような目をしながら移動をしようと提案してくる。


「ちょ〜と!!!二人共何してるのさ!壮馬は私とお弁当食べる予定だったのに!!なんでお前は先に抜け駆けするんだ!」

「うるさいですね。今は食事中なんです。お静かにお願いします。静かになったら教室にお帰りください」

「氷結はシャラップ!!壮馬は元々私と食べる予定だったんだから!」

「壮馬くんは貴女の人間ではないんです。壮馬くんの意見を尊重するのが一番かと」

「くっ…」


 由紀は真衣の言葉が正論すぎて、何も言い返せないようだ。

 由紀は何度も何か言おうと口は開けては閉じてを繰り返し、しばらく経つと諦めたようだ。


「論破されてる…」

「ろ、論破なんてされてない!壮馬は変なこと言わないで!私はまだ返してないだけだから!」

「いえ、完全に論破しました。言い訳なんて見苦しいですよ?陽光さん?」


 真衣は由紀を煽るように言い放ち、ニヤリと笑った。

 その言葉を聞いた由紀の拳は震えている。完全にキレているのだろう。だが、しばらくすると震えが止まった。

 あれ?怒らないのか?いつもなら殴る勢いで怒るのに…


「まぁウチは大人だからね。ここは落ち着いて対応しますよ。壮馬お隣座るね〜?」

「あ、あぁ…」

「なんで貴女が…」

「何か言ったかな〜?氷結女王?私に文句言いたいのかな?子供みたいに」

「ま、まぁ由紀そこら辺で」


 俺の背後で真衣が拳の関節のボキボキの音が聞こえる。

 いや、真衣ってそんなキャラだったか?

「へぇ~氷結女王もそういうことするんだ〜」

「今は先生にも誰にも見られてないので良いかと」

「ふ、二人共落ち着いて!」

「壮馬は黙っててこれは私達の問題だよ」

「これには陽光女王に同意です。今は壮馬くんは関係ありません」


 あぁ!もうどうすれば良いんだ!


「じゃ、じゃあ腕相撲にしよう!腕相撲なら問題にもならないし、一応力だから」

「……は?」

「えっ…?」


 二人は完全に困惑した顔で俺の方を向いた。

 いやだってそっちの方が圧倒的に喧嘩よりマシだろ!!


「腕相撲…壮馬が言うんなら良いかな」

「それは良い提案ですね」

「じゃ、じゃあ二人共準備して…」


 俺の掛け声で二人は袖を捲り、肘を着く。両者共顔が本気だ。


「レディ…ファイ!」

 勝負は一瞬だった。いや、まぁ言うまでもなかったろう。由紀の圧勝だ。真衣も本気で力を入れていただろうが由紀がいとも簡単に腕を倒した。


「よっしゃ!!」

「くぅ…」

「いや、これする必要あった?」

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