第5章:刈り取り
廃倉庫内、儀式の執行。
アキラは倒れているユキオを見下ろす。
憎悪はない。
あるのは、ただ静かで冷徹な**「収穫」**の意思だ。
アキラ:
「――おまえの言葉は、おまえの選択だ。これで、俺の音楽は完成する」
彼はまずユキオの口を、そして四人全員の体を固定する。
彼の心臓は、地獄の門を叩くような、激しく不協和な破壊の打音を最高潮に刻んでいる。
アキラの目の前で、ユキオの魂が彼の罪の記録を再生し始める。
アラストルの力、**アレークトー(絶え間ない怒り)**の力が発動し、ユキオの顔が苦痛に歪む。
アキラ:
(汝自身を知れ。今、おまえは自分が何をしたか、知っているか?――いいや、知る必要はない。知るのは、アラストルだけで十分だ。)
アキラは、事前に用意していた道具を手に取る。
それは、彼らの罪を「解体」するためのものだ。
アキラはユキオの耳元で囁く。
「おまえは、瀝青の沼に沈むマグロだ。おまえの罪は、マーレボルジェで裁かれる」
ケンジ、サトシ、タカヒロも同様に処理されていく。
アキラにとって、この行為は恐怖ではなく、世界を蝕んでいたウイルスを根絶する外科手術だった。
アキラ:
(鎖が断たれた。俺を縛り付けていた透明な壁が崩壊した。俺は、もうあのゴミではない。――俺は、復讐者だ。)
彼の全身を、途方もない解放感が満たす。
四人の毒麦の命を刈り取り終えたとき、
廃倉庫は、彼一人のために奏でられる“死昂の四重奏”……。
地獄の化け物に食い殺され、排泄されては、また食い殺される極罪人が謳うオペラ劇場となった。




