プロローグ:鉄の味、そして啓示
深夜の自室、部屋には地獄の門を叩くような、
激しく不協和な破壊の打音のような、
重く、歪んだノイズが微かに流れている 。
誰かが言う。
「あの人は『善き人』だったから、神はお側に置かれるために、御許へ召されたのだ」だって?
そんなもん、嘘に決まってんだろうがバカヤロウ
金持った権力者が地上のディストピア危惧して、
隣の惑星に逃げ出すのと同じだよ 。
免罪符配りおじさんに清純ぶっておねだりしてみせたんだろ 。
善人? いや、違う。天の誰かさんに好かれたいと媚びた、バカが勝手にいる場所だ 。
――俺は、地獄に、マグロを卸してやっているんだ
アキラは机の上に広げたノートを見つめる。
そこには、ユキオたちの名前と、彼らが犯した罪のリストが、血のように赤いペンで書き連ねてある。
毒麦の例えに曰く、“バカとクソがわかりやすくなってきたタイミングを待て ”
どいつが刈り殺してもいいゴミ野郎なのかは、ゴミ自身が勝手に申告してきやがるからな
バカでもねぇし、クソでもねぇ、
ゴミ野郎の悪さを理解している聡い人間は
ちゃんと「自分を知ってる」んだよ 。
ユキオ。お前は、自分を知らない毒麦の王だ。
だから、お前は収穫される
アキラの左手の手の甲が、熱を帯びて微かに光る。
そこに、ユースティティアの印の片鱗が浮かび始める。
俺の目を見て、俺の中の**「ヤツ」**を見ろ 。
アラストルは決して許さない
復讐者の名を持つ**「神」**とされる存在 。
その力が、この鉄の味がする復讐の計画を、最高のメロディに変える。




