The Self‐Defense Forces 7
駐屯地の幹部にプレゼンした結果だけ言えば、全く芳しく無かった。サバゲーの延長線上の様な代物を持って来られても、使う側からすれば困惑するもの分かる。しかしながら相手はテロリストであり人間である事を想定すれば、殺人を犯す事は無くなる。ロの字に囲まれた机と椅子に腰かける全員は表情が堅いままだった。
「これを、どうしろと言うんですかね。上からの命令ですから拝見を致しましたが、任務にこんな玩具を使用して部下を失えと?」
九条駐屯地を取り仕切る三島雄三はそう質問する。
「上も一体何を考えているんだか」
「俺達に死ねって事かい?」
「ありえんな」
この席に出ている者はほぼ同じ感想を抱いていた。
「死んでも、人の命を奪った経験はしなくても済みますよ」
「自衛官は、そういった覚悟をしている人種です」
「本当ですか?貴方。人一人を殺して、家族に胸張れますか」
「張れますね、少なくとも私は国家の為に引き金を引けます」
「そういった訓練をしておりますからねぇ。命令に従って引き金を引くそれだけの訓練だけなら我が国の自衛官は超一流でしょう」
嫌味の様に、そう告げた。
「実戦に行った事も無い奴が、偉そうに言うなと?」
「そこまでは言っておりませんがね。今回九条駐屯地に任された任務の為に、選択肢は増やしておくべきとのそれこそ貴方の言う国家の判断故に私もここに来ているのです」
「見縊らないで頂きたい。こんな玩具を以て任務に当たる様な自衛官はこの九条駐屯地にはおりません」
「我が国は戦後未だに戦争知らずの平和ボケの真っただ中に居る国です。妖怪相手ならいざ知らず、テロリスト掃討作戦なんて殺人行為が出来るはずが無いでしょう」
席に座っていた遠藤貴志一等陸尉が手を掲げた。
「すみません、質問があるんですがいいですか?」
「どうぞ?」
「えーっと、射程や威力の確認したいんで試射とかさせて貰えるんですかね」
「勿論です。人を殺さず制圧出来る武器こそ自衛官の心情そのものであると使った瞬間にご理解頂けると思いますよ」
苦笑して遠藤は返した。
「その場で、使い物にならない判断を下せそうで良かったです。試射も出来ずに配備なんてされたら、そしてもし仮にそれが原因で死傷者が出たら確かに自衛官としては立ち直れそうにも無いですね」
どっとその場で笑いが漏れる。
しかし男も、何か確信があるのかその返答に付き合う事は無かった。