第二話 チュートリアル
目の前が真っ暗になったと思ったら次の瞬間洋風の街の中にいた。後ろにはでかい噴水がある。ここは広場のようだ。サービス開始初日だからか人が多いがそれに遮られること無くあたりを見渡すことができる。その割には人が透けているといったことも無く本当に謎技術としかいえない。しばらくきょろきょろしていると目の前にウインドウが現れた。
【チュートリアル ステータスを開きましょう 「ステータス」と声に出すか頭の中で思い浮かべるとステータスウインドウを開けます 報酬:〈始まりの武器結晶〉】
どうやらチュートリアルのようだ。やってみよう。
「ステータス」
〔名前:イート
Lv:1
種族:人間
職業:料理人
スキル:メインスロット:『料理』『火魔法』『水魔法』『鑑定』『採取』『釣り』『狩り』『解体』『気配察知』『味覚上昇』
サブスロット:〕
白いウインドウが出てきた。ゲームと考えると当たり前だしキャラメイクのときもこんな感じだったが周りがあまりにもリアルな街なので現実でやっているようで感動する。すごい。それはそれとしてウインドウの内容だがすごくシンプルだ。分かりやすい。
【チュートリアル クリア 〈始まりの武器結晶〉を入手しました】
【チュートリアル ステータスを閉じましょう 「クローズ」と声に出すか頭の中で思い浮かべるとステータスウインドウを閉じられます。これは他のウインドウも同じです 報酬:〈始まりの防具結晶〉】
さっきは口に出したから今度は頭でやってみよう。
(クローズ)
閉じた。キャラメイクのときにも思ったが頭で念じてもいいなんて本当にどうやってるんだろうか。でもちょっとやりにくいな。いままで一度もやったことないし慣れてないのかな。慣れるまでは声に出すほうにしよう。
【チュートリアル クリア 〈始まりの防具結晶〉を入手しました】
【チュートリアル インベントリを開きましょう 「インベントリ」と声に出すか頭の中で思い浮かべるとインベントリを開けます。インベントリは100枠あり一つの枠に一種のアイテムが999個まで入ります。インベントリに入れたアイテムは劣化しません 報酬:〈1000ゴールド〉】
「インベントリ」
〔〈始まりの武器結晶〉:1
〈始まりの防具結晶〉:1
所持金:0ゴールド〕
【チュートリアル クリア 〈1000ゴールド〉を入手しました】
うわあ。なんか金貨の入った袋が虚空から降ってきた。
【チュートリアル インベントリにアイテムを入れてみましょう インベントリのウインドウに入れたいアイテムを押し付けてください 報酬:〈汎用生産セット〉】
なるほど。
【チュートリアル クリア 〈汎用生産セット〉を入手しました】
【チュートリアル アイテムを使ってみましょう インベントリのアイテムをタッチするか意識することで詳細ウインドウが開きます。『鑑定』スキルを持っていれば自動で発動します。アイテム欄のRは希少度のことです。1から10まであります。耐久が設定されているアイテムは耐久が0になっても修理することで元に戻ります。耐久が0の場合アイテムとして使用できません。帰属が設定されているアイテムは復活した際消滅しないうえ、窃盗系スキルの対象になりません。 報酬:〈初級肉体回復液〉3個】
アイテムか。もらったときから気になってたし〈始まりの武器結晶〉って言うのを使ってみようかな。
〔〈始まりの武器結晶〉R:1 耐久:‐/‐ 帰属:イート 譲渡不可 破棄不可
この世界に降り立った者たちが最初に手に入れるアイテムの一つ。使用することで選択した形状の武器になる。このアイテムもそうだが作り出した武器も紛失することはないし破壊されることもない。
『鑑定』結果
詳しく見ても何も分からない。いったい誰が作り出したのだろうか。
{使用する}{取り出す}{破棄}〕
なるほど。この{使用する}を触ればいいのかな。
〔武器の形状を選んでください。性能はほとんど変わりません
長剣
短剣
大剣
etc.〕
武器めちゃくちゃいっぱいあるな。なんかペーパーナイフとかネギとか明らかにネタにしか見えないやつも混ざってるし。まあ初期装備だしオーソドックスに長剣かな。
〔〈始まりの長剣〉を入手しました〕
どうやらインベントリに直接入るようだ。
【チュートリアル クリア 〈初級肉体回復液〉3個を入手しました】
【チュートリアル 武器/防具を装備してみましょう 武器/防具を手に取るもしくは身に着けてください 報酬:〈初級異常回復液〉3個】
チュートリアルの前に武器の性能を確認しておこう。
〔〈始まりの長剣〉R:1 耐久‐/‐ 帰属:イート 譲渡不可 破棄不可
この世界に降り立ったものが最初に手にする武器。性能面では破壊されないくらいの特徴しかないがこれを使わなければ敵を倒すことはできないだろう。
『鑑定』結果
詳しく見ても何も分からない。いったい誰が作り出したのだろうか。
{取り出す}{破棄}〕
攻撃力とかないの?珍しいゲームだな。ああそうだ、忘れないうちに防具も選んでおこう。
〔防具の形状を選択してください。性能はほとんど変わりません
服
ローブ
重鎧
軽鎧
皮鎧
etc.〕
防具もめちゃくちゃいっぱいあるな。重鎧とローブとか明らかに性能違いそうだけどどうなんだろう?まあ動きやすそうだしこのゆるいコートでいいかな。あ!選んじゃったけど今夏じゃん!夏にコートとか暑いじゃん。でもゲームだし大丈夫なのかな。きぐるみとかもあったし初期装備が暑くて着られないなんてことにはならないでしょ。
〔〈始まりのコート〉を入手しました〕
〔〈始まりのコート〉R:1 耐久‐/‐ 帰属:イート 譲渡不可 破棄不可
この世界に降り立ったものが最初に手にする防具。性能面では壊れないのと暑いときは涼しく寒いときは暖かくなるくらいの特徴しかないがこれを使わなければ敵の攻撃を耐えることはできないだろう。
『鑑定』結果
詳しく見ても何も分からない。いったい誰が作り出したのだろうか。
{取り出す}{破棄}〕
ああよかった。どうやらこれを着ても暑くて死にそうになることはないらしい。では着てみよう。というか装備メニューとかないんだな。装備は自分で着替えないとだめってことか。
【チュートリアル クリア 〈初級異常回復液〉3個を入手しました】
【チュートリアル クエストメニューを確認しましょう 「クエスト」と声に出すか頭の中で思い浮かべてください。目標とはゲーム内で達成したいことです。別の目標に変えることもできます 報酬:経験値30】
「クエスト」
〔現在受注しているクエスト
【目標:沢山の美味しい物を食べる】
【チュートリアル クエストメニューを確認しましょう】〕
【チュートリアル クリア 経験値30を入手しました】
〔Lvが2に上がった Lvが上がるとすべての能力が上昇します〕
へえ、キャラメイクの最初に言った目標がクエストになってる。いいね。確認してみよう。
【目標:沢山の美味しい物を食べる プレイヤー:イートが美味しいと思うものを食べる】
これには報酬とかないんだ。自分で決めたことだし当然か。
【ここからは自由に行動してください。初めて体験することはチュートリアルが出ます】
自由か。そういわれると何をやればいいのかわからなくなるなあ。まあとりあえず戦闘がどんな感じか知りたいし戦ってみようかな。街の探索はあとでもできるしね。
【チュートリアル 敵を倒してみましょう 街の外にでて敵と戦ってみましょう 街の外に出るには東西南北にある門で衛兵に話しかけてください 最初の敵は武器で叩くだけで倒せます 報酬:称号『世界に降り立ったもの』】
ああ、こんな感じでチュートリアルが出るのか。親切でいいね。じゃあ門まで移動しようか。