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食欲少女、VRMMOを食べる  作者: 豚肉革命
第一章 黒龍王ラグナロク撃退戦。あるいは食欲少女が無敵になるまで。
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第十二話 街の探索と生産ギルド

 とりあえず近くに薬屋の看板が出てる店があるからそこに行こう。


 中に入ると色とりどりの液体が大量に展示されている。カウンターを見るが誰もいない。そう思っていると私たちが入ってきたことに気づいたのか奥から誰か出てきたようだ。ここの店員だろう。


「お客さんですか?ここは薬屋です。何か買っていかれますか?」


 薬か。どんなのがあるんだろう。


「どんな薬があるんですか?」


「こちらが薬の効果と値段の一覧です」


「ありがとうございます」


 へえ、いろいろあるなあ。でも普段やってるゲームでは武器と防具にお金を使って回復は魔法とか宿屋とかで済ませてるから薬ってあんまり買ったことないんだよな。ブルーベリーちゃんに相談してみよう。


「ブルーベリーちゃんはどの薬を買うのがいいと思う?」


「ええっ。あたし買い物なんてしたこと無いわよ」


「そうなの?」


「弱かったときは店なんて入らせてくれなかったし、強くなってからはそういうのは使用人がやってたし」


「そっか。そういうことなら仕方がない」


 うーん。どうしよう。あ、そういえばブルベリーちゃんに調薬スキルを持たせてたな。すっかり忘れてた。


「すいません、私のパーティーメンバーが調薬スキル持ってたの忘れてました」


「ああ、パーティーを組んだばかりの初心者がよくやるミスですね。そういうことなら生産ギルドに行くといいですよ。アイテムのレシピや素材が買えるので」


「分かりました、ありがとうございます」


 店員さんが親切な人でよかった。そういうことで薬屋を出た。次は隣の店に入ろうかな?と、思ったけどこれはたぶん武器屋の看板だよね。ブルーベリーちゃんが鍛冶スキルを持ってるしここはいいかな。どうやらこの辺りは冒険者向けの店が並んでいるようだ。大体のことは生産スキルで何とかするつもりだしもうちょっと奥に行ってみよう。


 そういえばブルーベリーちゃんって武器持ってるのかな?狩りのときは素手だったけど。聞いてみよう。


「ブルーベリーちゃんって武器持ってる?」


「持ってるけどあたしと一緒に弱体化したわ。防具もそうよ」


「そうなんだ。どんな感じなの?」


「ちょっと待って。えーと、ここをこうして...こうね」


〔〈CurseBloodNightmare〉R:Unique 耐久:100/100 帰属:ブルーベリー 譲渡不可 破棄不可

 血のように紅い小さい結晶。魔力を貯めることが出来る。弱体化している。

 呪術強化(小)

 魔法攻撃力強化(小)

 蓄積魔力(無し)〕


〔〈DaydreamIllusion〉R:Unique 耐久:100/100 帰属:ブルーベリー 譲渡不可 破棄不可

 好きなように形を変えることが出来る服。短距離の瞬間移動が出来る。受けるダメージを他者に押し付けることが出来る。失敗すると二倍のダメージを受ける。成功するかは相手との力量差や同意の有無で変わる。弱体化している。

 呪術強化(小)

 『Daydream』

 『Illusion』〕


 弱体化してこれとは。本来の性能はどんなだったんだ。


「見せてくれてありがとう」


「いいわよ、別に」


 ブルーベリーちゃんと話しながら歩いていると今までいた戦える装備をつけていた人が見当たらなくなり普通の服を着た人たちが目に付くようになった。この辺にあるのが一般市民用の店かな。適当に見て回ってみよう。


 しばらく服を買ったりして楽しんでいたが時間がたつのは早い。もうお昼だ。まずはゲーム内でお昼ご飯を食べよう。そう思っているとちょうど街の定食屋といった感じの店が見えてきた。ここにしよう。


「いらっしゃいませ、二名様ですね。お席に案内いたします」


               ◇◇◇◇◇


「またお越しください」


 ふう。美味しかった。でもこれからログアウトして現実でもお昼ご飯食べないといけないんだけどね。まあ別に不満は無いけど。


「それじゃあ部屋に戻ろう」


「分かったわ」


               ◇◇◇◇◇


 部屋まで戻ってきた。


「それじゃあ私はちょっと昼寝するよ」


「昼寝かぁ。そうね、あたしもそうするわ」


 二人でベッドに横になった。どうやら一日一緒に寝たことで慣れたようだ。


「ログアウト」


〔お疲れ様でした〕


...


「ログイン」


 隣でブルーベリーちゃんが気持ちよさそうにぐっすり眠っている。そうだな、私も寝ようか。


...


 はっ!今何時だ?...午後2時20分か。よかった、そんなに時間は経っていないようだ。


「ブルーベリーちゃん、起きてー」


「うぅぅ、もう朝?」


「朝じゃないよ、昼だよ」


「ふぁーぁ。ふう。ああ、そっか。昼寝してたんだったわ。昼寝って気持ちいいわね」


「起きたね。じゃあいまから生産ギルドに行こうか」


「分かったわ」


 といっても場所が分からないから冒険者ギルドの受付の人に聞こう。


「すいません、生産ギルドってどこにあるんですか?」


「生産ギルドですか?」


「はい」


「分かりました。こちらが生産ギルドまでの地図です」


「ありがとうございます」


 よし、生産ギルドに向かおう。


               ◇◇◇◇◇


 ここが生産ギルドかな。入ろう。


「おや、生産ギルドに何か用ですか?」


「ここなら生産に必要なレシピや素材が買えるって聞いたんですけど」


「レシピや素材ですか。それならまずは生産ギルドに生産者登録をしてください。生産者登録をした方にたいして基本的なレシピを提供しています」


「生産者登録ですか?」


「はい。生産者とは生産ギルドの依頼を受けてアイテムを生産する職業のことです。なので生産スキルを持っていないとなれませんが...」


「私は料理スキルを持ってます」


「あたしは料理と鍛冶と調薬を持ってるわ」


「そうですか。ではこの用紙に名前と持っている生産スキルを書いてください」


 冒険者ギルドと同じ感じか。


「出来ました」


「あたしも出来たわ」


「ありがとうございます。イートさんとブルーベリーさんですね。では生産者について説明させていただきます。生産者はここ生産ギルドで生産に必要なレシピや素材を売ったり生産に必要な道具が置いてある部屋を無料で貸したりしています。そのほかにも生産セットのアップグレードなどがあります。生産者には冒険者にあるようなランクは有りません。お金があれば上位のレシピや素材を買うことも出来ます。生産者は生産ギルドで依頼を受けられます。依頼には納品依頼と生産依頼があります。納品依頼は作ったアイテムを納品してもらう依頼のことです。報酬がもらえます。生産依頼はギルドが提供するアイテムで生産スキルの基本アイテムを作ってもらい納品してもらうという依頼のことです。これは作ったアイテムは手元に残りませんし報酬ももらえませんがお金がかからずに生産スキルを鍛錬することができます。これで大体のことは説明しました。何か質問はありますか?」


「いえ、有りません」


「あたしも無いわ」


「分かりました。ではこれが生産者カードです。再発行にはお金がかかるので無くさないようにして置いてください」


「ありがとうございます」


「それではこれが基本的な料理と調薬と鍛冶のレシピです」


「これが...」


〔料理のレシピ(基本)調薬のレシピ(基本)鍛冶のレシピ(基本)を入手しました〕


「それではどうしますか?」


「生産依頼をさせてください」


「分かりました。ではこれが初級生産室の鍵です。材料は部屋に備え付けてあるアイテムボックスに入っています。好きなだけ使ってください。生産室は広いので二人で使ってもらって大丈夫です」


「はい」


 さて、生産室にやってきた。とりあえず夕方になるまではここで生産していようかな。

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