表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食欲少女、VRMMOを食べる  作者: 豚肉革命
第一章 黒龍王ラグナロク撃退戦。あるいは食欲少女が無敵になるまで。
11/19

第十一話 魔剣の試し斬り

「ログイン」


 さて、7時になったからログインしたけど。今日はなにをしようかな。


【ワールドアナウンス 人勢力プレイヤー『くすりうり』が蘇生薬を開発しました】


【ワールドアナウンス 魔物勢力プレイヤー『アロワナ』が第一エリアフィールドボス『堕落騎士』を討伐しました】


【ワールドアナウンス 魔物勢力プレイヤー『アロワナ』が第一エリアエリアボス『盗賊頭』を討伐しました】


 うおっ、一気にきたな。どうやら掲示板で言っていた通りワールドアナウンスはそこまで珍しくないようだ。


「んん...ふぁぁ。もう朝ぁ?」


 おっと、起こしてしまったか。


「んんぅう...おふぁよぉ...」


 だいぶふにゃふにゃだな。朝弱いのかな?っと、そうだ。結局昨日魔法使ってなかったし今日こそは使ってみよう。


「みず...ほしい...」


 はいはい分かったよ。


「ん...」


こく こく こく


「ふう...ん?え?ここあたしの部屋じゃない?」


 あ、気づいた。


「恥ずかしいところを見られてしまったようね。でもまああたしは大悪魔なんだからお世話してもらうのは当然っていうか?だから見られてもぜんぜん気にしないし。使用人とかいたし」


 強がってるところ悪いけど声が震えてるし顔も真っ赤だ。まあいい。それよりブルーベリーちゃんが昨日何時に寝たか聞いておこう。もしかしたら夜更かししたのかもしれない。


「それはいいとして昨日何時に寝たの?」


「昨日?11時よ」


 ただ朝に弱いだけだったか。


「そっか。そういえば昨日私が寝た後何してたの?」


「暇だったし生産スキルを試してたわ。とりあえず簡単な武器の強化からやってみたんだけど。〈始まりの長剣〉ってのを強化したんだけど+3になったとたん固有武器に進化しますって出てこうなったわ」


〔〈魔剣ミール〉 R:Unique 耐久:100/100 帰属:イート 譲渡不可 破棄不可

 呪術王イートの武器を大悪魔ブルーベリーが強化したもの。この武器での攻撃を呪術属性にする力と呪術を増幅する力と攻撃した敵の神力や魔力を吸収する力に目覚めた。

 呪術攻撃

 呪術強化(大)

 神力吸収(微)※自身の全攻撃に効果あり

 魔力吸収(微)※自身の全攻撃に効果あり

 {アイテム吸収}{修復}〕


 なんだこりゃあ。これが固有武器ってやつか。うーん。他の人の武器を知らないからなんとも言えないけど...なんか強くない?まあ呪術王とか大悪魔とか書いてあるし強いのは納得ではあるんだけど。まあいいか。強くて困ることなんて無いだろうし。ああ、そうだ。ブルーベリーちゃんにお礼言っておかないとね。


「強化してくれてありがとう」


「ふふっ、まああたしの力ならこんなの楽勝よ!」


「じゃあ早速これ試そうかな。まあその前に朝食だけど。行こう」


「分かったわ」


 どうやらこの宿舎には朝食が付いているらしい。しかも冒険者用だからかバフありとなしを選択できる。まあ今日は魔剣の試し斬りをするつもりだしバフはなしでいいかな。


「私はバフなしの朝食セットAを頼むつもりだけどブルーベリーちゃんはどうする?」


「あたしもそれでいいわ」


「じゃあそういうことで」


 ちょっとまって出てきたそれは目玉焼きにソーセージ、サラダとコーンスープ。主食は焼いてバターを塗ったパンという朝食の代表みたいな奴だった。美味しそうだ。


 ささっと食べて少しゆっくりしたところでそろそろフィールドに出ようかな。


 今日は草原を抜けて森まで来た。歩いているとすぐに魔物が出てくる。今回は緑の醜い子供といった感じの見た目だ。きっとゴブリンだろう。鑑定してみよう。


〔『鑑定』結果

 ゴブリン Lv4 魔物 正常

 緑色の醜い小人。どこにでも生息している。弱い。〕


 鑑定結果短っ。まあいい。魔剣の初陣だ。獲物になってもらうぞ。


「えいっ」


〔ゴブリンを倒した〕


「えっ」


 斬れ味強くない?音とかもまったくでなかったし抵抗も無かったからまるで空気を斬ってるみたいだったぞ。耐久もまったく減ってないしまさしく魔剣だな。せっかくだからこの調子でエリアボスまで行っちゃおうかな。


「このままエリアボスまで行っちゃおうと思うんだけどどうかな」


「いいんじゃない?どうせそんなに強くないだろうし」


 しばらく進むと開けた場所に出た。


〔エリアボス『フォレストウルフ』と戦闘しますか?〕


 どうやら戦闘するか選ばせてくれるようだ。まあここまで来たんだ。戦って帰ろう。


〔エリアボス戦を開始します〕


「ウォォォォォン」


 遠吠えが聞こえてきたと思ったらでかい狼が木を掻き分けて出てきた。戦闘開始だ。まずは鑑定しよう。


〔『鑑定』結果

 フォレストウルフ Lv5 魔物 正常

 エリアボスと呼ばれる個体。エリアボスは通常の同種よりも能力が大幅に向上する。〕


 鑑定結果も見たしとりあえず斬りつけてみよう。そう思ってスキルが補正する動きのまま斬りかかると剣は狼の体に抵抗無く吸い込まれた。エリアボスですら空気のように切り裂ける魔剣に驚いて動きが止まってしまった。

 

 まだ仕留めたわけでもないのにこれはまずいと思ったが狼は刀身から吹き出た闇に襲われてそれどころではないようだ。なにその機能?ゴブリンを斬ったときはそんなの発動しなかったじゃないか。


 まあたぶんこれが呪術攻撃なんだろう。そう納得して追撃をしようとすると。


〔エリアボス『フォレストウルフ』を倒した Lvが11に上がった〕


 えぇ...エリアボスですら一撃か。この魔剣強すぎる。はあ。もうちょっと強くないと吸収能力について見れないじゃないか。仕方ない。掲示板でエリアボスより強いと書かれていたフィールドボスに挑んでみよう。フィールドボスは二つ進んだエリアのエリアボスと同等くらいの強さらしいからそれなら簡単には死なないだろう。


「ブルーベリーちゃん、エリアボスが弱すぎたからフィールドボスに挑んでみようと思うんだけど」


「フィールドボスに?うーん、危険だと思うんだけど。まあでもそのくらいしないと試し斬りにならないってのは見て分かったし...いいわ。危なくなったら逃げることにするなら賛成する」


「分かった。それじゃあフィールドボスのところまで行こうか」


 わりと道に迷ったけどフィールドボスの住処までやってきた。ぼろぼろの掘っ立て小屋だ。


〔フィールドボス『ミンチオーク』と戦闘しますか?〕


〔フィールドボス戦を開始します〕


 「ブモォォォォォ!」


 突如掘っ立て小屋が崩壊した。どうやらミンチオークが私たちに気づいたようだ。鑑定しよう。


〔『鑑定』結果

 ミンチオーク Lv15 魔物 正常

 オークが鈍器を使い込んで進化した姿。その一撃は通常ではガードの上から殴り殺されるだろう。〕


 一撃が強いって情報しかないな。鑑定が成長すれば変わるのかな?まあ今は戦闘に集中しよう。


 ミンチオークが掘っ立て小屋の残骸から出てくる。名前に相応しい鈍器を手に持っている。ゲームとはいえあれに殴られたくは無い。だが近づかなくては魔剣の試し斬りが出来ない。まあ覚悟を決めて攻撃するか。


 斬りかかるとミンチオークはそれに反応して手に持った鈍器を剣の前に持ってきた。防ぐつもりだ。だが魔剣の斬れ味は奴の想定外だったのか鈍器ごとミンチオークを斬ってしまった。え?


〔フィールドボス『ミンチオーク』を倒した Lvが15に上がった 〈ミンチメイス〉を入手した〕


 弱...いや、魔剣が強いのか。この斬れ味は私も予想外だった。しょうがない。試し斬りはここで終わろう。一旦帰って今日は街の探索でもしよう。


「ブルーベリーちゃん、帰ろうか」


「そうね」


 街まで帰ってきた。さて、まずは大通りの店を見ていこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ええ(ドン引き) 強すぎないか魔剣
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ