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食欲少女、VRMMOを食べる  作者: 豚肉革命
第一章 黒龍王ラグナロク撃退戦。あるいは食欲少女が無敵になるまで。
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第一話 プロローグ

美味しい物を食べたい。物心ついたときからずっとそう思っていた。


               ◇◇◇◇◇


「アナザーワールドロールプレイング?」


「そう!ついに発売された世界初の完全没入型VRMMORPG!」


「それくらいはニュースでやってたし知ってるけど......」


「βテストやってたけどすっごい面白かったから恵ちゃんもやろうよ!明日から夏休みだしさ」


「そういえば沙織って去年の夏休みになんかやってたね」


「そう!そのときβテストやってたの!守秘義務とかあったから恵ちゃんに話せなかったけど」


「それはいいけどVR機とかゲームソフトとか高いし持ってないんだけど」


「だいじょうぶ!VR機は懸賞でもらったやつあげるから!買うのはゲームだけでいいから!」


「いや、さすがにそれは悪いよ。VR機って私のおこづかいじゃ買えないし。それにあのゲームって予約殺到しててほとんど品切れじゃなかったっけ」


「VR機のほうはいつもおいしい料理作ってくれるお礼ってことで!ソフトのほうもβ特典で恵ちゃんのぶんも予約できたから!」


「それならまあ、やってみようかな?」


「やったー!それじゃVR機とソフトをあとでおくるから!あ、最初は恵ちゃんの好きなようにプレイしていいからね!そのうち一緒に遊ぼ!」


            ◇◇◇◇◇次の日◇◇◇◇◇


 そういうわけでVRゲーム『アナザーワールドロールプレイング』をやることにした私は早速キャラメイクを始めることにした。


「ログイン」


 目をあけると地平線の先まで真っ白な世界が広がっている。見渡す限り一面真っ白なのに何故か落ち着く。VRだからだろうか。


 そう思っていると突然出てきたドアから美少女がでてきた。


「はじめまして。私はキャラメイク担当AIのメイクです。短いですがよろしくお願いします」


 どうやらAIがキャラメイクをサポートしてくれるようだ。


「よろしくお願いします」


「まずはゲーム内での目標を教えてください」


「目標ですか?」


「はい。アナザーワールドロールプレイングは自由度の高いゲームなので最初に目標を設定してもらっているんです」


「そうなんですか。じゃあ目標は美味しいものを沢山食べることです」


「それはいいですね!。では次にゲーム内での自分の所属を決めましょう。このゲームは人と魔物が争う世界です。なので人勢力か魔物勢力かを選んでください」


「人勢力と魔物勢力ってどんな違いがあるんですか?」


「人勢力は基本的に『エルフ』や『ドワーフ』、『獣人』などの人型で魔物勢力は基本的に『スライム』や『ゴブリン』、『トレント』などの異形です。得られるアイテムなどはあまり変わりません。そして基本的に人勢力は魔物を魔物勢力は自身の所属する団体以外の魔物と人を倒すことになります」


「人と魔物って味覚が違ったりしますか?」


「味覚、ですか?そうですね。『ゴーレム』などは土や石が食事なのでそれらが肉や魚などの食べ物の味になります」


「それなら人勢力でお願いします」


「わかりました。それでは人型種族のキャラメイクを始めましょう」


 メイクさんがそう言うと目の前に宙に浮いた自分の姿が現れる。うーん、なんていうか。どんな味がするんだろう。


がぶり


「!?な、なぜ突然自分のアバターの手を齧ったのですか?ここはキャラメイク用の空間なので味覚は実装されていませんが」


 そうなのか。どうりで味がしないと思った。がっかりだ。


「食べたかったので......」


「自分の姿を食べたいと感じる方はあまり多くないと思いますが......というか人に食欲を感じるのなら魔物勢力のほうがいいのではないですか?魔物勢力なら実際に人間をおいしく食べられる種族もありますよ」


「そうじゃないんですよ。なんていうか人間の味覚で食べるからいいのであって人間から牛肉の味がしても嬉しくないんです」


「そうなんですか......よく分かりませんが人勢力がいいと言うのはわかりました。では種族は何にしましょうか。何を選んでも強さは変わらないのでウインドウに表示される中からお好みでお選びください」


「はい」


 おお、人型種族ってこんなにあるのか。何がいいのかとかぜんぜんわからん。まあメイクさんが好みでいいって言ってたし『人間』かな。


「『人間』ですね。それではアバターの見た目を変えてみましょう。どんな姿でもいいですが現実と同じ姿は非推奨です」


 まあ見た目はあんまりこだわりないし髪形をポニーテールに髪色を青に目の色を緑色に変えるくらいでいいか。


「できました」


「それではステータスの設定に移りましょう。ステータスはレベル、種族、職業、スキルで構成されています。従来のゲームにあるような数値はプレイヤーには確認できません。では職業を決めましょう。職業を設定すると剣士なら剣術、商人なら商売というように設定した職業が得意な行動に補正がかかります。また職業は得意な行動を続けていると上位のものになることがあります。上位職目指してがんばってください」


 職業か。いろいろあるけどまあ料理人一択だよね。


「次はスキルですね。スキルはメインスロットと呼ばれる場所のものしか発動できません。スキルはスキルごとに設定された条件を達成することでで習得でき、十個までメインスロットに入れられます。それ以上のスキルはサブスロットに入れられます。いらないスキルはメニューからアイテムに変換することもできます。メインスロットは増やすことができるので方法を探してみてください。ここでは十個まで無条件で取得できます。スキルとは剣の振り方が分かる『剣術』などの行動や威力に補正をかけるものや魔力を消費して火を起こす『火魔法』など現実ではありえないことを起こすものなどです。スキルは使えば使うほど効果が上昇していき、より上位の物へと変異します。効果の詳細は聞かれたらお答えしますので自由に取得してみてください」


 スキルか。なんかすごいいっぱいあるな。まずは『料理』と『火魔法』と『水魔法』は確定かな。あとは『鑑定』と『採取』もいいな。『釣り』と『狩り』、『解体』もとっておこう。そういえば私ってどのスキルをとればおいしくなるんだろう。そうだ質問してみよう。


「あの、私ってどのスキルをとればおいしくなるんですか?」


「???どういうことですか?ちょっとよく意味が分かりませんでした」


「えーと私というのはゲーム内のアバターのことです。食べるならおいしく食べたいじゃないですか」


「ちょっとまだ分かりませんがアバターに味はありませんよ?」


「え!?ど、どういうことですか?さっき魔物なら人間をおいしくたべられるって......」


「説明していませんでしたが魔物が食べられるのはNPCです。プレイヤーのアバターに味は設定されていません」


 そんなばかな。現実でできないことができるのがゲームじゃなかったのか。残念だ......まあ気を取り直して残りのスキルを選ぼう。『毒耐性』と『味覚上昇』でいいかな。


「終わりましたか。それでは最後にゲーム内で使用する名前を教えてください」


「はい。私はイートでお願いします」


「イートさんですね。わかりました。それではいい人生を!」


               ◇◇◇◇◇


〔『料理』 料理が上手になる。できた料理がおいしくなる。

      料理技術上昇(小)

      自作料理にバフ効果付与〕

〔『火魔法』 魔力を消費して火を出せる。火力や形状など上限はあるが調整可能。

       魔法攻撃力上昇(小)

       L技:クリエイトファイア〕

〔『水魔法』 魔力を消費して水を出せる。水量や温度など上限はあるが調整可能。

       魔法攻撃力上昇(小)

       L技:クリエイトウォーター〕

〔『鑑定』 目で見たものを調べることができる。〕

〔『採取』 採取が上手になる。手に入る物が多くなる。手袋や籠などの採取道具を作れるようになる。〕

〔『釣り』 釣りが上手になる。手に入る物が多くなる。釣竿や釣り餌を作れるようになる。〕

〔『狩り』 狩りが上手になる。手に入る物が多くなる。罠を仕掛けることができる。〕

〔『解体』 自分で解体することができるようになる。〕

〔『毒耐性』 毒に強くなる。

       毒耐性(小)〕

〔『味覚上昇』 味を感じやすくなる。〕

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