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ロマンス小説が大好きな令嬢は、自分の恋愛に興味ありません!  作者: 希空 蒼


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第17話 お祝いと、とても助かるお礼

 一週間ほど経った頃、シュリヒトから手紙が送られて来て、私は話が聞けるのが楽しみで仕方がなかった。

 手紙の文面からシュリヒトが幸せなのがとても伝わってくるようだ。


(相当嬉しいんだろうなー)


 読んだだけでこちらも嬉しくなってしまう。


 意識すればするほど時間が経つのが遅く感じて、そわそわしてしまって部屋の中をうろついて待っていた。

 シュリヒトが来たということを聞き、すぐさま扉へと向かう。


「お待ちしておりました!」

「エア様!今日は格段に嬉しそうですね」

「祝う準備は出来てるよ!」

「それは嬉しいです。ありがとうございます」


 私はシュリヒトを万全に準部してある客間へと案内した。


 部屋の中の机には料理人に頑張ってもらい、ちょっとしたご馳走やいい紅茶を用意した。

 それからお祝いの品も。


「ここまでして下さるなんて…!」

「新たにカップルが増えることはおめでたいしありがたい、だから私は本当に嬉しいの!」


 これで癒しが更に増えた。

 夜会やお茶会で二人の姿を再び見るのが楽しみだ。


(どんな風にイチャイチャするのかなー?)


「じゃあ改めて、おめでとう!!」

「ありがとうございます」

「私てっきり普通に告白なのかと思ったらプロポーズでびっくりしたよ」

「すみません。もう気持ちが抑えられなくて…」


 シュリヒトは頬を赤く染め少し照れている様子。

 きっと時間をかけて言葉を考え、当日に備えて色々積み重ねてきたことだろう。


「謝る必要はないよ!むしろよかった!」

「そうですか?」

「うん。見てて最高だったから、こちらこそありがとう!」

「そんな!喜んで頂けて安心しました」


 そして私は用意した品をシュリヒトに渡すために机から取り出した。


「お祝いに私お手製のカップルにおすすめの場所がたくさん書いてある本だよ!」

「プレゼントまで…!本当にありがとうございます!」

「盛大に祝うと言っておきながらすごく悩んだの…」


 プロポーズが成功したお祝いといっても、ファインは恋愛相談のことを知らないため、二人で使えるものだったりお揃いのものを送ることが出来ないのだ。

 それに婚約したことをまだ公にしていないのもあって、ファインからしたら私が婚約を知っていることを不思議に思うだろう。


 だからシュリヒトに役立つもので、ファインに気づかれないものでなければいけなかった。


「私がカップルの観察するのにカフェとかは網羅しているから役立つといいなと思って」

「ありがたく使わせて頂きます」


 喜んでもらえるか心配だったけど、嬉しそうでよかった。


 私に相談してきてくれたシュリヒトだからこそ喜んでもらえたのだろうが。

 普通のカップルにこれを渡しては、きっと引かれてしまう。


「次はエア様の番ですね。頑張って下さい!」

「え?ちょっと待ってどうしてそうなる?!」


 そんなことを言われるなんて思っていなくてかなり動揺した。


「この前僕に相談したのは王太子殿下のことではないのですか?」

「そうなんだけど違うの!私と王太子殿下は勝負をしてて、私が先に王太子殿下を惚れさせたら婚約破棄してもらえるからで!」

「そうなんですか?!婚約破棄したかったんですね…」


 どうやら私の有名な話を知っていても、婚約を破棄をしたいと思っていたとは思わなかったらしい。


「今はどちらが優勢なんですか?」

「えぇ…っと、同じくらい?もしくは私が負けてるかも…」

「王太子殿下は結構手強いんですね」

「う~ん、王太子殿下の気持ちはよくわからないんだよね。意地悪をしている時はある程度何を考えているのかわかるんだけど、恋愛感情の方については今まで見てきた中で一番わかりづらい人だから…」


 キスしたり、頭を撫でたり、そういう行動はしているものの自分に好意があるのかはわからない。

 惚れさせたい一心でやっているのか、少しでも好意があれば自然としてしまうものなのか。


(私ももっと攻めるべきなのかな…)


 私の反応を楽しんでいるようだし、実際最初のように無反応ではなくなっている自分に気がついている。

 何とも思っていなかった時に比べ、恋愛対象というよりかは惚れさせる対象として見ているからか、他の男性に振舞う時よりも反応が違うのは明らかだ。


「お礼に僕たちが婚約を発表するお茶会に是非来てもらおうと思っていたんです。エア様だけを招待するつもりでしたが、そういう事情なら王太子殿下と一緒に来て下さい。何か力になれるかもしれませんし、このお茶会を利用して王太子殿下の心を暴いてみてはどうでしょう?」

「それは喜んで行かせてもらうけど、本当にいいの?発表する門出の日なのに勝負に利用しちゃって…」

「これはお礼ですから。僕はエア様のおかげで上手くいきましので、エア様の勝負をお手伝いさせて下さい」

「ありがとう。すごく助かるし味方が増えて心強い…」


 シュリヒトがいたら、本当に王太子殿下の気持ちを知れるかもしれない。


 こんなチャンスは滅多にないし、絶対に成功させなければ。

読んで頂きありがとうございました!


次回は木曜7時となります。

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