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ロマンス小説が大好きな令嬢は、自分の恋愛に興味ありません!  作者: 希空 蒼


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第14話 どうしていつもこうなるのか

 あの食事会から数日後、私は今度外出することを王太子殿下に伝えるために執務室に向かっている。

 今回はちゃんと事前に王宮に居るか確認済み。


 とはいえ、先日は怒らせてしまったため正直生きづらい。


(まだ怒ってるかな…)


 それに、シュリヒトの告白の様子を見に行くために出かけるのだから、余計に怒らせてしまいそうな予感がする。

 怒っているのか、それともヨハナの言う通り本当にヤキモチを妬いているのか。


(どっちにしてもだよね…)


 重い足取りで執務室に向かい扉を軽く叩けば、中から王太子殿下の声が。


 この中に確実に居ると思うと、扉を開けるのを止めたくなってくる。


「お、お邪魔します…」

「どうした?」


 入ってすぐに普通に問い掛けられて、驚いて少し目を見開いた。


(あれ?怒って…ない?)


 私が何も答えないでいると、王太子殿下は不思議そうに首を傾げる。


「あ!えっと…、明日外出したいなと思ってるんですけど…」

「どこに?」

「どこ?!」


 場所を聞かれるとは思わず、必死にシュリヒトから送られてきた手紙に書いてあった場所を思い出す。


(名前なんて言うんだっけ…?)


 この国では景色が綺麗と有名な場所があるのだが、そこには人目が多い分カップルが少ないので私は詳しく知らない。


「景色が綺麗と有名な場所です!」

「そこに何しに行くんだ?一人で観光でもするのか?」

「いえ、見守り隊です!」

「……」


 何を言っているんだという顔をしているが、この表情を向けられるのには慣れている。


(説明が足りないか…)


「告白が成功するか、応援しながら見届けるということです!」

「そのためだけに外出するのか?」


 告白するところを見るためだけに外出するのが信じられないのはわかるが、そんなに驚くことだろうかと思ってしまう。

 私が恋愛に関すること以外に外出しないことは知っているだろうに。


「駄目なんですか?それならついでにどこか寄りますけど…」

「いや、駄目と言ってるんじゃない」

「じゃあ外出していいんですね!?」

「俺もついて行く」


 外出が出来ると気持ちが舞い上がったが、すぐに喜びは地に落ちた。


「やっ―え?つ、ついて来るんですか?また護衛に扮して?」

「当たり前だ」

「何で?!」

「お前を一人で外出させるのは心配だからな」

「ヨハナだって居るじゃないですか!それに、わざわざ王太子殿下が来なくても他の騎士を護衛につければ済む話だし…」


(私は子供じゃないんですよ!!心配って何が?!)


 前はデートだったから一緒に外出するのはわかる。

 けれど今回は私の完全な私用の事。


 それに王太子殿下が直々のついて来るなんてあまりにもおかしい。


「俺について来られたら困る理由があると?」

「無いです!ありませんから!」

「ならいいだろう」

「……わかりましたよ」


 やっぱり婚約してから一人で癒しを堪能する時間が減っている。


(早くこんな婚約、破棄してしまいたい!でもそのためには王太子殿下がついて来るのは好都合…か…)


 これはチャンスだと考えないとやってられない。


 一体どうしてここまで根強くついて来るのか。


 夜会の時もそう。

 居なくなったと思ったらすぐに帰って来る。

 逃げればすぐに追いかけて来る。

 どこかへ行こうとすればついて来る。


 でも王宮に居れば部屋には全然やって来ない。


(何でよ!!)


 単純に意地悪で私の癒しの邪魔をしているのか、それとも別の感情を持ってそうしているのか。


(ヤキモチとは違うよね…。こういうの何て言うんだっけ?独占欲?まぁそんなわけないかー、私のことまだ好きじゃないはずだし)


 今の私には真意はわからないものの、これから王太子殿下の謎の感情に振り回されることになろうとは思ってもみなかった。

読んで頂きありがとうございました!


次回は木曜7時となります。

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