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プロローグ
賑やかな大通りから一本入った静かな路地。そこにその店はあった。
その店は、年老いたマスターが一人で経営するカフェだ。
物静かな、なんの変哲もないカフェ。しかし、そのカフェには他のカフェとは違うところがあった。
それは、"人の記憶を消す"という秘密の依頼を請け負っているところだ。
「いったいどんな人が依頼をするのだろうか」
「マスター?なんか言ったか?」
「いいえ。ただの独り言ですよ。ところで池内さん、この前気になっているとおっしゃっていた方とは何か進展があったのですか?」
「いや~それがなかなか、、、」
店主と客はしばし話に花を咲かせた。店主