第6話「最終訓練」
第6章第6話「最終訓練」
………
「今日より数えて、5日後に最終段階訓練…実戦突破浸透作戦を実施する。この訓練が終了すれば、諸君らは6個の特務歩兵大隊に配備されることとなる。事前に通達されている小隊ごとに計画を練り、準備を整えるように…以上、解散!」
小隊ごと個別に割り当てられた小会議室に移動した小隊面々は作戦地域の地図を囲みながら作戦をねることになる。作戦目標は前線後方の物資集積地であり、車両機動なら1時間もかからずに到着する場所にある。想定所要時間は4時間とされ、食料は余裕を見て2日分を携行する。今回は車両機動だから、大型のバックパックはいらないだろう。むしろ、緊急時にすぐに車両に乗れるように中型或いは小型のショルダーバッグタイプが好ましい。そこまで決めてから認定品リストを見る。……これだな。
選択したのは、『DIRECT ACTIONシリーズ MESSENGER』。500Dの防水コーティングコデューラ生地とレーザーカットのMOLLEシステムの合わせ技で高い耐久性と軽量性を両立した容量10Lのショルダーバックだ。
第1軍集団情報参謀局から渡された地理情報や気象情報を見ながら作戦や移動ルートを検討し、それを頭に叩き込み、入念な話し合いをして全員の認識を統一し、不測の事態を羅列してその対処方法を考える。
道に迷ったら?
敵と不意遭遇してしまったら?
負傷者が発生したら?
挙げればきりがないが、そのすべてを検討していく。それに合わせて装備も検討していく。さらに、装備の小型化、軽量化を行い、実物を用意しながら決めていく。
まずは個人携行装備品。まず武器関係。アサルトライフルと拳銃、ナイフ、手榴弾、弾薬。アサルトライフルと拳銃は訓練で使ったものをそのまま使う。ナイフも訓練で使ったものがあるが度重なる負荷でボロボロだから新しい官給品をもらいに行こう。手榴弾と弾丸は武器ではなく弾薬扱いだから出撃直前に支給を受けることになる。
次に食料関係。半日にも満たない作戦だから1食分だけ簡単なものを食べるだけに終わるだろう。ファーストストライクレーションと言うものを1食だけ持っていく。それと非常食として24時間レーションを1つ追加でもっていく。
次はランドナビゲーション装備。地図と筆記用具、コンパス、ヘッドライトのセットだ。これも官給品のセットを使う。電子デバイス関係は、個人用のAN/PRC-152を1人1個ずつと、分隊用のAN/PRC-117Gを1つ用意する。そのほか、各種デバイス用の予備バッテリー。
最後に緊急用の装備としてファーストエイドキットとエマージェンシーキット、サバイバルシグナルキットの3点セットは短時間の車両機動を想定した認定品を選択。必ず持っていく予備のサバイバルポーチはファーストラインに入れるようにしよう。
分隊携行品はコンバットライフセイバーバッグを4人に1人の割合で支給される。それと分隊用の通信機であるAN/PRC-117Gが分隊ごとに合計5個支給される。個人管理のアサルトライフルとは別にMG338軽機関銃6丁とMk.14 Mod3マークスマンライフル2丁、バレットMRAD狙撃銃2丁、M320擲弾発射機2丁、M72LAW2本が配備されている。
装備品を並べたら、制式品のリガーベルトとJPC2.0プレートキャリア、LBT-1961A-Rチェストリグを机に置き、中に詰めていく。ベルトキットはバックルを左に置き、9時の位置に拳銃とライフルのマガジンポーチを2つずつ設置し、その後ろ——7時ぐらいの位置——にダンプポーチを、ロックサックに封入したファーストエイドキットと予備のサバイバルキットを入れた真後ろに多目的ポーチを、その右横にトリガーポーチを2つ設置する。ポーチの中身はM67フラグとM18スモークだ。最後に、サファリランド6354ALSレッグホルスターを取り付ける。それと忘れていたが、|リテンションランヤード《安全帯》をバックル左側のベルトループに通し、ダンプポーチの近くのループにカラビナをかけておく。
次にセカンドラインの構築をする。ベースにJPCを使うが、緊急時に装備を投棄できるようにすべての装備をLBT-1961A-Rチェストリグに入れる。まず、4つあるダブルマガジンポーチにはSTANAGマガジンを入れる。もっとも弾薬は補給所管理だから空のマガジンだが。2つの拳銃用マガジンポーチにマルチツールとフラッシュライトを入れ、3つの小型多目的ポーチには予備の止血キットとベースプレート式コンパス、サバイバルシグナルキットを入れる。左右のNVGポーチにはミニサバイバルキットとエマージェンシーブランケット、FSRを入れ、NVGポーチ横のフラグポーチには予備バッテリーとBICライターを入れる。左側のラジオポーチにAN/PRC-152を入れ、右側にエマージェンシーキットを入れる。肩ベルトにストラップカッターと、小型の赤色LEDライトをつける。後ろのストラップを排除して、100オンスのハイドレーションシステムを接続する。
最後にショルダーバッグ、『DIRECT ACTIONシリーズ MESSENGER』に装備を詰めていく。32オンスのウォーターボトルと24時間レーション、予備弾薬、双眼鏡などなど。これらに加え、分隊携行品を入れ、重量が分隊内で均等になる様に詰めていき、最後に防水の意味も込めて戦闘雨具を一番上に入れパッキングを終了とする。
…………
「小隊集合!」
声をかけると、訓練小隊の面々が集合する。全員が"7/48TB-115"のパッチを付けたオレが指揮する小隊員だ。この任務が無事終了すれば7/48TBではなく、V100系統SFBのパッチを付けることになる。そのためには、今からの任務を成功させなければならない。
「全員、装備のチェックは終了したな?」
「「「「おう!」」」」
「よし。最初のマガジンを持て!」
全員がそれぞれ、6.5ミリCM弾を詰めたSTANAGマガジンと9㎜ルガー弾を詰めたグロック17のマガジンを持った手を分かりやすいように上げて見せてくる。それを確認する。
「マガジンを挿せ! 安全確認!」
まず、グロック17のスライド3回引き、チャンバーに異物が入っていないか確認して、マガジンとは別の9ミリルガー弾をチャンバーに直接入れる。次に、スライドを閉鎖してからマガジンを差し込み、ホルスターに入れる。サファリランドのALSホルスターがちゃんとロックできているか確認しプライマリーに移る。
スリングでつるされていたM4A1を手に取り、マガジンが刺さっていないことを確認してからエジェクションポートを下に向けた状態で、チャージングハンドルを2回引く。1回目はもしチャンバーに弾薬が入っていた場合、それを落とすために行い、2回目は直接目視で確認するために行う。チャージングハンドルを2回引いた後はボルトフォアードアシストを押し、ボルトを確実に閉鎖する。次に、安全な方向に銃口を向け、トリガーを引く。これでハンマーが落ち、確実に安全化できる。最後にダストカバーを閉じ、内部に異物が入り込まないようにする。
次にマガジンを確認してからマグウェルに差し込み、マガジンの底をポンポンと叩き確実に差し込む。次にチャージングハンドルを引き、初弾を装填する。ボルトフォアードアシストを叩いたらいつでも撃てる状態だ。セーフティをかけ、ダストカバーを閉じる。これで初弾装填は終わりだ。
「よし行くぞ! 恐怖は!?」
「「「「無し!!」」」」
「士気は!?」
「「「「撤退なんぞクソ食らえだ!!」」」」
「よし。出撃!」




