表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/78

第8話「新たな脅威、新たなる作戦」

第4章第8話「新たな脅威」

………

「シロウ!ブレイク!ブレイク!」


………数分後


「いてて……クソ! 撃墜されたか……」


「シロウ! 大丈夫か!?」


 …手は有る。…足も有る。…1stラインOK。2ndラインOK。痛い所は…無い。出血も…無い。


「あぁ、大丈夫だ。他のやつは?」


 まずは状況確認だ。ブロンコの右エンジンに対空ミサイルが命中。そのまま墜落した。右側の主翼と胴体の後方3分の1がちぎれてしまった。


 ……ちょっと待て、胴体の後ろ側がちぎれた?ちゃんと全員居るのか?!


「全員居るか!? それと無事か!?」


「グミとケーリーが投げ出された! カービーが負傷! シロウ! お前コンバット(C)ライフ(L)セーバー(S)資格持っていたよな!?手を貸してくれ!」


 クソ!よりにも寄って分隊長と衛生兵(CM)が行方不明なのかよ!


「状況は?!」


「武器は排除済み。左脚から出血多量!」


「おい、聞こえるか!? 自分の名前は言えるか!?」


「カービー」


「よし、意識はあるな。痛みはあるか?」


「あぁ、クソいてぇ! 小指をタンスにぶつけ時の様に痛い!」


「痛みがあるなら大丈夫だ! 冗談が言えるならさらに上等だ!」


 容態を聞きながら、ポーチからゴム手袋を出す。ゴム手袋を付け、止血帯を一度、赤い他部が自分の正面を向くように腕に通し、負傷箇所を確認、止血帯を通した方の手で、足の先を掴み、もう片方の手で止血帯を足の付け根まで通す。そうしたら、ストラップを思いきり引き絞り、ベルクロで固定する。3フィンガーチェックと3タッチでガッチリと固定し、巻き上げ棒が不意に外れて止血が解除されないように、ダクトテープで固定し、テープの上にマジックペンで時間を記入する。


「よし救命止血は完了だ。20分稼いだ。機外の……あの岩の横に移動するぞ。そっちを持ってくれ」


「了解。1、2、3!」


 二次被害を出さないために、火災がブロンコの残燃料に引火して爆発する前に場所を移す必要がある。ちと、近いが他に適切な場所がないから仕方ない。


「よし、移動完了。次に直接圧迫止血だ」


 止血帯を締める過程でしわが寄った手袋を引っ張り、肩ベルトのベルトカッターを手に取り、コンバットパンツを裁断して傷口を露出させ、確認する。続けて、靴を脱がして、ズボンの外側の縫い目に沿って裾から傷口の真横までメディックシザースで裁断し、作業エリアを確保する。そこまでやったら、ポーチからエマージェンシーバンテージを取り出す。


 傷口に包帯状止血剤を接触させ、その上にコンプレッションバー裏側のガーゼ部分を当てて巻く。一巻きしたら、コンプレッションバーを起点に一回折り返し、バーに適切な圧力がかかる様に巻いていく。


 しっかりと巻き終わったら、止血帯を4分の1回転ずつ緩めていき止血効果を評価する。……よし、大丈夫だな。


「感染による影響が出るまでの6時間を稼いだ。後は、エマージェンシーブランケットで保温し、6時間以内にメディックの捜索だな」


 救急処置に漏れがないのを確認し、まだ発見されていない負傷がないか俺含めて全員検索をしてから、メディックバッグと人数分の装備一式をインベントリーから出す。


 プレキャリにD3CRHがベルクロで固定されている。JPCを選択。2つあるマルチミッションハンガーにはマルチツールと単眼鏡が1つずつ入れてあり、左側の小型多目的ポーチにはサバイバルギアが、右側の中型多目的ポーチにはファーストエイドキットが入っている。


 フロントパネルの上にはRATS止血帯がねじ込まれてあり、肩ベルトにはベルトカッターとレンザティング・コンパスを入れたコンパスポーチを取り付けてある。


 左右のカマーバンドにそれぞれ1つずつタニケットポーチが取り付けてあり、左側にはAN/PRC-152個人用無線機が入れられているラジオポーチが取り付けてある。


 背中は100オンスにハイドレーションシステムがセットされてある以外は何も取り付けられていない。これはバックパックを背負うことを前提にしている為だ。


 バックパックの中身は、着替えと衛生用品、予備弾薬、4日分の食料、雨合羽が入っている。バッグの外にMOLLEでCLSバッグと雑嚢が取り付けてある。


「なんじゃこりゃ?」


「どうした?」


 ———スキルでの新規購入が出来なくなっていた。


 ———だったら何故、装備を取り出せた?ここにあるのは何だ?



………2時間前。クライル野戦飛行場


「機体OK。…後部ドア開放OK。…ベルトキットOK。…MCバッグOK。…行くか———」


———前もこんなことあったな。


「ちょっと待っておくれ。全員分のバックパックをインベントリーに用意しておくのじゃ。忘れるじゃないz……」


 セリフが途中で途切れ、停止していた草木の揺れや風の音が戻った。のじゃ神か。今回は相当時間が無かったらしい。なんか嫌な予感がする。とりあえず言われたとおりにしよう。

…………


 そういう事だったか。だからあんなに急いでいたのか……


「一人で納得しないで説明してくれ」


 つまり、新規購入は出来ないが、インベントリーの中身を取り出すことはできるという事だ。それを予見していたから、装備を用意させたのだろう。


≪こちらケーリー! グミが捕らえられた! 敵はAKで武装している!≫


「クソ! グミをとr……一旦引く! 合流してくれ」


 さっきのミサイルと言い、AKと言い、敵にも俺と同じような能力を持ったやつがいるようだな。グミ……自力で脱出してくれることを期待するぞ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ