第6話「ガスグレネードを使えばよかったんじゃ?」
この度は、投稿が遅れてしまい誠に申し訳ございませんでした
第4章第6話「ガスグレネードを使えばよかったんじゃ?」
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1891年3月28日 0213時
騎士王国 王都ノーザンブリア 軍務省庁舎1階
………
「グミ、こちらマイケル。位置に付いた。連中は酒を飲みながらトランプゲームをやっている。気づかれた様子はない。オーバー」
ほんと、この国の警備はどうなっているのだ? もうちょっとやる気があってもいいんじゃないですかねぇ?
≪今、位置についた。突入する。スリーカウント≫
3——オレがショットガンを構える。
2——警備員待機室のドアが少し動く。ドアに張り付いたのだろう。
1——引き金に指をかける。
ゼロ。
オレはショットガンでテーブルでトランプゲームをしていた兵士を撃ち殺し、グミたちがドアが勢いよく蹴り飛ばし、突入する。
「賊か!」
ショットガンの初撃を逃れた兵士が手元の武器を取り、構える。
〔プキキ プキキ プキキ〕
しかし、兵士が構えた武器が振り下ろされることは無く、ボタンフックで突入したグミたちが兵士たちの胸部にダブルタップで確実に弾丸を叩き込み、警備員待機室を制圧した。
「やっぱり、ボルトアクションでは2発目は打てなかったか」
≪マイケル。制圧したわ。合流して≫
「了解。合流する」
………
1891年3月28日 0219時
騎士王国 王都ノーザンブリア 軍務省庁舎3階 階段
………
「廊下右側に3人、左側に2人。この5人を一気に排除する。その後、作戦室に入る」
カッティングパイとクイックピークでホールから廊下の敵を捜索し、2列横隊で並ぶ。サポートハンドを手前に持っていき、マグウェルを握る。コンパクトな構えのまま、壁側に寄り足を一気に踏み出し、角を起点に体を回転させる。同時に後列がしゃがみハイ・ローテクニックで火力を増強し、目の前の敵に弾丸を叩き込む。
それを左右同時に行い、廊下を一気に掃討し、作戦室のドアに張り付く。
「流石に鍵がかかっているな。ブリーチングをする。カバーしてくれ」
オレはサプレッサー付きのショットガンの銃口をドアの鍵穴に向け、発射した。
それとほぼ同時に、ドアの横で待機していた2人がモディファイドで突入、クリアリングをする。「クリア!」の合図を待って、残りも作戦室に入った。
………
「ヒュー こりゃまたおあつらえ向きだな」
部屋に入ってまず目につくのはデカい机だ。何というか、戦略シミュレーションゲームと称する事実上の会計支援ソフトに出てくる世界地図が広げられてデカい机のようだ。
「そうね。書類は根こそぎ持っていくわよ!このバッグに突っ込んで!」
……3分後
〔ドガァァン!〕
正面エントランスに設置した罠が発動したと言う事はもう来たのか?!
「クソ! 逃げるわよ! マイケルが先頭、正面エントランスを強行突破!」
………
1891年3月28日 0226時
騎士王国 王都ノーザンブリア 軍務省庁舎1階 正面エントランス
………
「手順は簡単。フラッシュバンを投げ込む。ムスカしている兵士たちに照準を合わせる。引き金を引く。この3行程よ。簡単よね」
コロン コロコロコロ………
「ん? なんだk GYAAAA!」
「目がぁぁ! 目がぁぁ!」
〔プキキ! プキキ! プキキ!〕
本当に目を押さえて悶絶している兵士と言うか地球だと紛争地帯の少年兵以下の(少年兵だって伏せたり、目をそらしたりするぞ)危機管理能力しかない雑兵というか、国民突撃隊隊員というか……質の悪い兵士を戦闘……ではなく、照準を合わせて発砲と言う作業に勤しむ。
「これで終わりだな。何というかゲームをやっているみたいだったが……」
戦闘開始から10秒足らずでそれなりに優良装備を持つ恐らく騎士王国基準では精鋭部隊にあたる分隊を制圧した。いくらなんでももろすぎるやろ。自動小銃やら分隊支援火器を導入するほどの頭――十中八九、召喚された日本人だろうな――があるならグレネードに対する防御ぐらい教育しとけよ。いやまぁ、敵が弱いのは喜ばしい事なんだが、あまりにも手ごたえがなさ過ぎて、罠っぽいんだよなぁ。
「オールクリア! そこのSKSぽい自動小銃と軽機関銃、モシンナガンぽいライフルを鹵獲しましょう。作戦資料だけじゃなくて装備品を鹵獲したらあいつ驚くわよ?」