第5話「16話前の発言を思い出してみようか?」
第4章第5話「16話前の発言を思い出してみようか?」
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1891年3月28日 0211時
騎士王国 王都ノーザンブリア 軍務省庁舎1階廊下
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「フロントコンタクト!」
〔プキキ プキキ〕
.300BLKと言う西側のアサルトライフル用亜音速弾薬とAAC製の高性能サプレッサーの組み合わせは、弾着の音と薬莢が床に転がる音以外は本当に静かだ。さらに、近くにいてもほとんど聞こえないような声量であってもクリアかつ確実に聞き取ることができる咽頭マイクと如何なる状況であっても確実にユーザーに音を届ける骨伝導ヘッドセットの組み合わさることで、潜水艦の様に静かな戦闘が迅速かつ正確に行われる。
これで、1階の歩哨は片付けた。後は、昼間の偵察で一番人の出入りが多かった作戦室に入り
「よし。1階歩哨はこれで最後よ。上に上がるわよ。ちょっと待って…………今陽動班から緊急報告が来た。予定変更!城門から都市中心部に中隊規模が急行!国家らは派手にいくわよ!1階奥の警備員待機室を強襲!その後、3階まで駆け上がるわ!」
「3階に書類がなかった場合は!」
「無かったら、2階に戻る! UAVの偵察で3階作戦室の人の出入りが激しかった! 今もそこだけ警備が分厚い! 作戦室じゃなかったら他にどこがあるっていうの!?」
あぁ、畜生! まったくもってその通りだよ! 俺が言いたいのは強行突破だとあいつと変わらないじゃないか。と言う事だよ。何故もっとスマートに事を運べない!?
≪シロウ、こちらグミ。緊急事態発生!! 緊急事態発生!! 近接航空支援と回収を要求!≫
≪てめぇ! 16話前の発言を思い出してみようかぁ!?(威圧) OV-10の操縦訓練はまだ始まってないだぞ! あぁもう仕方ない!オレが出る。到着予定時刻は…気象報告書はどこだ……おおよそ2時間でそこに行く!到着までにストロボとフレアを用意しとけ。同士討ちはしたくないからな!通信終了≫
「ええ、2時間後に会いましょう。 待機室の前に来た!マイケルはその採光窓から、ショットガンを乱射!残りはドアからエントリー」
「了解。M26はボルトアクションだからな?そこんとこ覚えといてくれよ?」
目的地まで走りながら、CASとピックアップの要請を出して、すぐに、エントリーの指示を出す。こいつは本当に『もう少し静かにできないの?バカなの?死ぬの?プライス大尉なの?』と言った奴なのか?まぁ、ボルトアクションショットガンだと言う事を覚えていてくれればそれでいい。M1014みたいにセミオートでバンバン撃てるものだと思われていなければそれでいい。だが何なのだ、これは? なんというかモッヤとする。
「分かっている。最初に数発撃ってくれればそれでいい。私たちはマガジン3つしか持ってきていない。先に奇襲して、可能な限り無駄球を減らす。目的はそれだけよ」
確かに車両にはアモ缶が二個あるが、それだけだ。ステルスミッションなら十分だが大軍を相手にするにはまったくもって足りない。